札幌北高等学校合唱部 第32回定期演奏会

 札幌北高等学校合唱部の定期演奏会は毎年3月の春休み期間中に開催されている。この時期の開催は多くの卒業生との合同演奏が可能だからだと思う。同高校に在職中は3月末は何かと多忙で演奏会に出かけることはめったに無かった。Kitaraで開催されるようになって、同合唱部から演奏会の案内状とともに招待券が送られてくる好意もあって、最近は聴く機会が増えた。
 札幌北高合唱部はNHK全国学校音楽コンクールの北海道ブロックの代表校の実績があり、全日本合唱コンクールには2002、03、04、08、09、11年に北海道代表として全国大会に出場し、11年にはB部門で金賞を受賞している。近年は北海道のレヴェルが高くなって2012年の全日本合唱コンクール全国大会の高校部門で北海道代表校の帯広三条高校がA部門(人数32名以下)、札幌旭丘高校がB部門(人数33名以上)で金賞と文部科学大臣賞をそれぞれ受賞した(それぞれの高校の部門で全国1位を獲得したことになる)。

 北海道札幌北高等学校は2012年に創立110周年を迎えて10月3日 Kitara大ホールで記念式典・演奏会が行われた。記念演奏会では卒業生のプロの音楽家によるヴァイオリン独奏、ピアノ独奏、二重唱などが披露され、合唱部、吹奏楽部によるそれぞれの演奏に続き、吹奏楽部・合唱部の合同演奏が行われて最後に校歌斉唱で110周年を祝った。
 ここで特記したいのは、吹奏楽部・合唱部によるエルガーの≪威風堂々第1番≫とヘンデルの≪メサイア≫から“Hallelujah”の合同演奏であった。エルガーの「威風堂々」は第1番~第6番まである行進曲集で、なかでも第1番は有名である。札幌北高では入学式、卒業式の入場時に吹奏学部が演奏している。学校行事の際にこの曲を使っている学校も多いと思うが、「威風堂々第1番」の演奏会用行進曲のトリオ、つまり中間部の旋律はイギリス王室の戴冠式に使用され合唱作品としても改変されて英国では第2のイギリス国歌と呼ばれるようになっている。110周年の記念演奏会では合唱付きの「威風堂々第1番」が演奏されたのです。感動しました。私の在職時には吹奏楽部の演奏だけと記憶していたのです。何年前から合同演奏になったのかなと思っていましたが、Kitaraでの100周年記念式典でもこの曲が演奏され、当時は会場で聴いていたのですから自分の記憶も当てにならないと痛感しました。創立100周年記念式典・演奏会のCDが贈呈されていて手元にありました。今日の演奏会前に早速聴いてみましたが10年振りでしょうか。昨年の生の演奏の方が心に響いたのは言うまでもありません。時と場所と鑑賞時の気持ちの持ち方の違いで曲の味わい方も変わってくるのを改めて感じました。
いずれにしても入学式・卒業式が合唱付きの演奏の中で入場が行われるのは、格調が高くて入学生・卒業生はもちろん父母にとっても感激の度合いが高まるのではないかと思ったりします。

いろいろな行事で活動している合唱部の一年の集大成が定期演奏会でしょう。

第32回定期演奏会のプログラム:
 1st Stage:松下耕 無伴奏作品集
 2nd Stage(OBステージ):高田三郎 名曲集
 3rd Stage:伝えたいことがある~J-POPに想いをのせて~
 4th Stage(合同ステージ)混声合唱曲「季節へのまなざし」

 1年生~3年生(男19名、女36名)。 回を重ねると単調に陥りやすい演奏会をいろいろな工夫で乗り切っている様子が感じ取れた。ステージと客席の会場を使っての3群合唱の輪唱形式の曲。手拍子・足拍子を交えた合唱曲。無伴奏で歌うのは今日では当たり前だろうが難しさが伴うだろうと思った。

 OBステージ。過年度の卒業生が約100名(男女各50)。市内在住の他に東京などから駆け付ける人もいて練習に使う時間も十分でなくて大変と思うが、よくこれだけの結果が残せると思うくらいの出来。100名もの美しい声量でのフィナーレは圧巻。限られた時間でこれだけの成果を残せるのは現役時代に育んだ基礎がしっかりしていることと合唱に寄せる想いの強さではないだろうか。

 今まで何回かの演奏会では個人的に最も楽しめたStage。音楽を心から愛して、言葉を大切にして歌うことに喜びを見い出し、楽しく歌っている様子が文字通り“伝わって”きた。槙原敬之の「どんなときも」、坂本九・ウルフルズの「明日があるさ」、プリンセス・プリンセスの「Diamonds」、SMAPの「夜空のムコウ」、小田和正の「言葉にできない」。振付も衣装も含めて総合的に聴衆を楽しませてくれた。普段クラシック音楽ばかり聴いているが、偶にこんな音楽に出会うと違った楽しみ方ができて良かった。背の高い格好良い指揮者とピアノ伴奏者も大きな役割を果たしていた。

 在校生と卒業生合同の約150名が心を一つにして歌う姿は素晴らしかった。今年の北海道の冬は長くて春が遠い感じであるが、合唱曲「季節へのまなざし」を違った角度から鑑賞した。合唱部の卒業生が帰ってくる場所があることは掛け替えのない拠り所であると思う。合唱部を育ててきた先生のご苦労も偲ばれた。大きな指揮ぶりが完全に板について素晴らしい合唱部を作り上げている現在の顧問が化学の教科担当ということも興味深いことです。在校生と卒業生の合同演奏会が今後も続いて行くことを心から願っています。

 元在籍していた学校との繋がりを求める気持ちが増すようになった昨今、旧職員も含めて交流が持てるのは嬉しいことである。
 
 

 
 
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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