第556回札幌交響楽団定期演奏会

Sapporo Symphony Orchestra The 556th Subscription Concert (Feb.2013)

指揮: レイフ・セーゲルスタム (Leif Segerstam)
ピアノ: 萩原 麻末 (Mami Hagiwara)

レイフ・セーゲルスタムはフィンランドの指揮者・作曲家
2001年9月 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を率いてKitaraに初登場。
フィンランドの国民的作曲家シべリウスの名曲を演奏。
   交響詩「フィンランディア」、 組曲「カレリア」、 交響曲第2番 他。

 当時から堂々たる体躯で真っ白な髪と顎鬚をはやして独特な風貌をしていたので特に記憶に残っていた。
彼は1995年~2007年まで12年間ヘルシンキ・フィルの首席指揮者を務め、現在は名誉指揮者。現在はフリ―となって世界各国で活動しており、読売日本交響楽団にはたびたび客演している。今回の来日でも読響と定期も含めて3回、大阪フィルと2回、札響と2回公演を行うスケジュール。

 今回の札響定期の演奏曲目:
  ブラームス: 悲劇的序曲
  グリーグ: ピアノ協奏曲
  セーゲルスタム: 交響曲第245番 ”Eye light high lites"(June 2011)
  R.シュトラウス: 交響詩「死と変容」

 ≪悲劇的序曲≫は、いわゆる演奏会用序曲で特定の劇のための付随音楽として書かれた作品ではない。
ブラームスは当時委嘱されていた「大学祝典序曲」(明るい陽気な曲)を作曲していた時に、自分の憂鬱な気持ちを表わすために悲劇の序曲を書くことになったようである。私はCDでこの曲を結構よく聴くが木管楽器の美しい旋律もあって悲劇的な感じはしない。

 グリ―グの≪ピアノ協奏曲≫は2010年ジュネーヴ国際コンクール優勝で話題の萩原麻末が札響初登場で弾く曲として期待していた会員も多かったと思う。
 ドラマティックなメロディで始まる印象深い第1楽章は、萩原の華麗なカデンツァが響き渡る。第2楽章の緩徐楽章は北欧的ロマンティックな情緒をたたえ甘美な夢幻の世界に引き込まれる。第3楽章でピアノとオーケストラが多彩で華やかな掛け合いをしながら壮大なフィナーレへ。
ノルウェー民謡風の旋律が醸し出す北欧的な抒情美は瑞々しい。民族色豊かな絵画的美しさも萩原麻末の堂々たる演奏で味わえた気がして久しぶりの満足感に浸った。
 
アンコールに応えて「子犬のワルツ」。数日前にアンコール曲に牛田智大が弾いて彼にはピッタリの選曲だと思ったが、彼女の選曲としては個人的に意外感が先だった。勿論、親しみのある曲ではあったが。

 セーゲルスタムの作曲数は2001年時点では交響曲35曲、弦楽四重奏曲28曲、ヴァイオリン曲10曲、ピアノ曲3曲となっていたが、これまでに交響曲が260曲にも達したというから彼の創作力に驚嘆。
読響でも自作自演を重ね、今回の札響での「245番」は世界初演という記念すべき公演。

 曲は大音響で始まるが、何を表現しようとしているのかさっぱり解らない。珍しい打楽器、ピアノ2台(1台はセーゲルスタム、もう1台は長尾洋史)が全楽器とともに指揮者なしで20分も演奏された。
 作曲家自身の曲目解説には「心眼が音楽の光を浴び、その光が音を選んで五線紙に音符を記させる。」というようなことが書かれている。この曲は指揮者なしでの演奏が指示されており、曲のつなぎの箇所ではセ―ゲルスタムやコンサートマスター、管楽器奏者が起立して合図しあって演奏していた。
 ピアノがステージの上手と下手に各1台、2階中央1番奥の席から真正面にステージが見渡せるので、各楽器のパートを観察したりしながら退屈せずに鑑賞できた。とにかく聴き慣れないと難しい。

 曲の途中に席を立ち去る人もなく静かに聴き入り、終ると盛大な拍手をする姿は外国の演奏家から称賛される日本人に特徴的な音楽鑑賞の表れかなと思った。

 最後に「死と変容」。 CDでたまに聴くが鑑賞の集中度がたりないのか、親しみのある曲にはなかなかならない。死の宣告を思わせる動機と死に直面しながら過去を回想する病人の幻想。死との闘争と生への執着。R.シュトラウス自身の体験を通して作曲し、初演にあたって指揮をした様子を思い浮かべながら生演奏を聴いているうちにこの曲の良さがわかったような気がした。

 セーゲルスタムはサンタクロースを彷彿とさせる風貌の持ち主。巨体を揺すって指揮台に上がり椅子に腰掛けながらの指揮であったが、腕を広げるだけで大きな広がりを見せる。ステージ全体にオーラが出ている感じがしてホールにもその雰囲気が伝わってきた。何と言っても貫録十分で存在感がある。

 *昨年6月に札響に入団したばかりのコントラバス奏者が入団前に読響に客演してセーゲルスタムの交響曲を演奏した経験が今回の札響演奏会で生きて自信を深める結果になったのではと思いました。今後の彼の活躍を祈ります。(彼とは先月14日の札響ニューイヤーパーティで知り合いました)
 

 



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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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