牛田智大ピアノ・リサイタル

 牛田智大(Tomoharu Ushida)
は2012年3月浜松国際ピアノ・アカデミー・コンクールで1位となり、日本人ピアニストとして史上最年少でCDデビューを果した。2012年7月東京オペラシティコンサートホールで当時12歳で東京デビュー。
 (2009年中国人ピアニスト、ニューニュー(Niu Niu)が12歳で日本デビューを果し、2010年2月に日本ツアーを行いKitaraにも初登場。)
 
 今日、札幌コンサートホールKitaraで初のピアノ・リサイタル。
会場はほぼ満席。日曜日の午後とあって聴衆は親子連れの姿がかなり目立ち、最近では珍しいほどの比較的に若い年齢層の人たちが聴きにきていた。

 演奏曲目は新人としては極めて多岐にわたった。
リスト:コンソレーション(慰め)第3番、シューベルト:即興曲D935(Op.142)第3番、汪立三:組曲「東山魁夷画意」第4曲、ショパン:夜想曲Op.9(第1番、第2番)、サンサーンス/ リスト:死の舞踏

 ピアニストがステージに登場すると「可愛いい」とあちこちから溜息。
独特な雰囲気の中、牛田は椅子に腰を下ろして暫し瞑想。すぐ聴衆を別世界に誘う。
1曲終わってのステージでのあどけない仕草にも観客の好意的な反応。
東山魁夷の作品にインスピレーションを得て書かれたという中国人作曲家の曲は初めて聴いて珍しかった。

 彼は生後すぐ上海に移り6歳まで滞在。3歳からピアノを始め、幼少時より各種コンクールで1位を受賞。現在はモスクワ音楽院ジュニア・カレッジに在籍とのこと。モスクワ音楽院に進学する可能性大か。
  
 休憩後のプログラムにも幅広いレパートリーがうかがえる。
プーランク:愛の小径、 即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」、ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集 Op.2、 ショパン:3つのマズルカ Op.59 No.1,No.2,No.3, バラード第3番、リスト:ハンガリー狂詩曲第12番

 ここ数年のコンサートでプーランクを聴いたことがないかもしれない。ヒナステラは名を聞くのも初めてである。マズルカ作品59の3曲は美しい愛らしい作品でよく聴くが、夢見心地で聴いているうちに不覚にも眠りに陥ったらしい。気が付くとハンガリー狂詩曲のメロディに変わっていた。こんなことは意識して判ったのは初めてであるが、無意識では偶にあっても不思議ではない。妖精のようなピアニストに別世界に連れて行かれたのかなと思った。

 牛田は新しい曲を弾き始める前に30秒間ほど精神を集中してから曲を弾いた。音楽ジャーナリストの伊熊よし子が書いている言葉「彼がピアノから紡ぎ出す音楽は平穏で清涼で自然体」を今日の午後のコンサートで実感した。彼のひたむきな演奏が印象的であった。

 アンコールにショパンの「子犬のワルツ」を弾いて、最後まで「可愛いい」という女性の声が耳に届いた。











 
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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