Kitara の ニューイヤー NEW YEAR CONCERT 2013

Kitara New Year Concert 2013
指揮/鈴木雅明    管弦楽/札幌交響楽団

 ≪Kitaraのニューイヤー≫は私にとってあまり好みのコンサートとは言えない。年中行事としての特色が明確でないからである。≪Kitaraニューイヤーコンサート~雅楽≫は特色があるが毎年鑑賞するほどの興味はない。
 
 2000年1月16日に≪Kitaraのニューイヤーコンサート≫がKitara札響シリーズvol.11として開かれた。
第一部はドヴォルザーク作曲《交響曲第9番「新世界より」》、第二部は{ウイーンのワルツ&ポルカ}からヨハン・シュトラウスの曲が全6曲中5曲。指揮は札響音楽監督尾高忠明。この時は客席が埋まっていて盛り上がったように記憶している。
 
 ≪Kitaraのニューイヤー≫は2007年、2009年に聴いたが特に2009年は演奏者に気の毒なほど聴衆が少なかった。その時にニューイヤーコンサートは先ずは聴衆が楽しめて心が躍るような曲を中心にプログラムを組んだ方が良いのではと思った。
 2012年は札幌出身のピアニスト外山啓介が出演したことと、ヨハン・シュトラウスを中心としたワルツを多く曲目に選んだこともあって前回よりも入場者が増えたように思えた。

 ≪Kitaraのニューイヤー2013≫はプログラム編成が2000年のニューイヤーコンサートに近いものだったので
期待して出かけた。
 今回の指揮者鈴木雅明は1990年オリジナル楽器オーケストラと合唱団「バッハ・コレギウム・ジャパン」を結成。J.S.バッハの宗教音楽作品を中心に幅広い活動を続けている。古楽演奏では世界のトップクラスで世界的に有名な音楽家である。
 
 2006年12月 Kitara Mozart Year にバッハ・コレギウム・ジャパンを率いてKitara初登場。
       モーツァルトの「レクイエム」
 2007年12月 Kitara 10周年記念コンサートシリーズで再登場。
       ヘンデルのオラトリオ「メサイア」全曲
 
 日本が世界に誇る古楽アンサンブルがクリスマスシーズンに2年連続して出演してくれたことは記憶に新しい。
その指揮者がモダン楽器オーケストラを指揮するとは意外であり興味津々であった
彼は欧米のピリオド楽器オーケストラへの客演も多いが、国内でも各地のモダン楽器オーケストラを指揮する機会も多いようである。今年はニューヨーク・フィルハーモニックやシュトゥットガルト放送交響楽団との共演が予定されている。
 バッハなどの古楽演奏の権威であっても固定観念を持ってしまわないことを肝に銘じる機会にもなった。

 また前置きが長くなったがいよいよ本題。

今日の前半のプログラムは
 メンデルスゾーン:序曲「美しいメルジーネの物語」
            交響曲第4番「イタリア」
  
 メンデルスゾーンを取り上げたのは彼が1829年バッハの死後初めて「マタイ受難曲」を再演指揮し、バッハ再評価の口火を切った人物であるからだと推測する。

 メンデルゾーンの演奏会用序曲として「フィンガルの洞窟」や「静かな海と幸福な航海」は有名でたびたび演奏されるが、今日の序曲は知らなかった。曲目解説によると「ある若者が美しい女性に恋をし、夫婦となる。女性はある期間彼女の姿を見ないようにと頼むが、夫はその禁を破ってしまう。女性は実は人魚だった・・・」という物語。ヨーロッパ版「鶴の恩返し」ともいえる民話。メンデルスゾーンはこの物語に基づく歌劇を見て感激してこの曲を作ったそうです。優美な雰囲気を持つ曲でした。

 「イタリア」はメンデルスゾーンが22・3歳の頃にイタリア各地を旅行した時の印象を曲にしたもので明るいイタリアの気候や旅の楽しい思い出や風景が優雅に描かれており、躍動感に満ちた明るい曲です。私も2000年にイタリアを訪れた時のことを思い起こしました。

後半のプログラムは
 ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲、 ワルツ「南国のバラ」、トリッチ・トラッチ・ポルカ
                ワルツ「ウイーンの森の物語」、ピッツィカート・ポルカ
                ポルカ「雷鳴と稲妻」、 ワルツ「美しく青きドナウ」

 私がクラシック音楽に目覚めたのは大学に入ってからで、レコード・プレーヤーを購入してSP,EPから始まって小品を聴き始め、やがてLPレコードを買って聴いた最初の曲が「ウィ―ンの森の物語」「美しく青きドナウ」である。クラシック音楽に親しむきっかけとなった思い出の曲。「こうもり」序曲も聴く機会が多い名曲。
他の曲はウィ―ン・フィルのニューイヤーコンサートで毎年正月に聴く機会が多くなった曲。

 古楽の名手鈴木雅明も今日ばかりはバッハを離れて思いっきり指揮を楽しんだ様子。
2時間近くもかかるバッハの大曲を演奏する時の習慣からか、一応楽譜を追いながらの丁寧な指揮ぶり。
指揮棒を使わず手のひらの動きが細やか。
 メンデルスゾーンでは、古楽演奏の時とは趣が全く違ってごく自然に先入観なしに彼の演奏についていけた。
ポルカ「雷鳴と稲妻」では打楽器奏者への指示もあって激しい体の動きは楽しさが伝わってきた。
 
今日の演奏会では楽器の配置に指揮者の意向が強く反映されていた。
  第1ヴァイオリンと向き合って第2ヴァイオリン、
  第1ヴァイオリンの横で、前方がチェロ、後方がコントラバス、
  第2ヴァイオリンの横がヴィオラ、その後ろにハープという楽器配置。
 
 古楽演奏の指揮者の名声ゆえに、ニューイヤーコンサートで指揮を依頼されてヨハン・シュトラウスの曲を演奏するのが初めてかもしれないという印象を受けた。指揮者も心から楽しんで演奏活動に携わり聴衆も一体となって楽しみを共有できた。指揮者の喜びも、大平コンサートマスタ―の笑顔を始めオーケストラの姿勢も好感が持てました。
 アンコールは恒例の「ラディッキー行進曲」でフィナーレ。今日は楽しいニューイヤーコンサートになった。
 
 

 
















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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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