Kitaraのクリスマス

 Kitara Christmas Concert はパイプオルガンが奏でる美しい旋律の曲で始まった。
ステ―ジの天井はクリスマス用の飾り付けがされて雰囲気を盛り上げていた。

 曲目は J.S.バッハ(デュリュフレ編曲):コラール「主よ、人の望みの喜びよ」
          オルガン/マリア・マグダレナ・カチョル
  バッハのコラールはKitaraではオルガン用編曲の演奏をよく聴くが、ピアノ用や管弦楽用編曲などでも親しまれている。
 以下、コンサートは広上淳一指揮札幌交響楽団による演奏。

  マスカー二:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲
 
 この間奏曲は柔らかな響きの美しい調べで名曲になっているが、今回はオルガンも加わって管弦楽を上回るような音がホールに響き渡り珍しい演奏となって印象深かった。

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番    ピアノ:清水 和音 
 清水和音は昨年7月デビュー30周年記念としてラフマニノフのピアノ協奏曲全曲を高関健指揮札響と協演した。第1番~第4番まで一気に演奏する離れ業を50歳になる前に実現させて聴衆を圧倒した。一緒に聴いた妻は終わって「疲れた」と一言。私は最後まで集中力が途切れず鑑賞できて忘れられない演奏会となった。一回の演奏会で続けて4曲もカバーするのは初めてで今後もそうあることではない。この演奏会にはピアニストの外山啓介も聴衆のなかにいた。 
 清水は札響とは縁があるのか2007年と2010年にもチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を協演している。

 彼がKitaraに初登場したのが2001年11月、小ホールでの「ベートーヴェン~ピアノ作品連続演奏会 第2回 清水和音」。第1回は2001年10月 園田高弘(故人)。とても良い企画のコンサートだと思ったがその後の演奏会を聴く機会を逃したのが残念であった。

 ラフマニノフの第2番は鐘の音のような雄大なピアノのソロで始まり、抒情味豊かでロマンティックな緩徐楽章は映画のテーマにもなった美しい旋律に溢れている。第3楽章の終わりはラフマニノフ自身のピアノの技巧を存分に発揮した壮麗な調べが響き渡る。ラフマニノフの音楽はチャイコフスキーに繋がるものがある。清水の得意とするロマンティシズムが漂う音楽が見事に表現されてこの上ない満足感を得られた。

 演奏後の司会者のインタヴューに応えて子供たちへのアドヴァイスとして「自分の好きなことを一生懸命やること」をすすめていた。清水自身はピアニストとして成功を収めたとはいえ必ずしも幸せな人生を送ってきたわけではないらしい。自分の好きなことを追求していれば違う面でもっと満足のいく結果を得る自信があるようなことを述べていた。

 広上淳一は指揮棒は使わず、指や手、腕を巧みに駆使して相変わらずダイナミックな指揮ぶりで、今回はすぐ近くのRA席から見ていたので顔の表情も含めて指揮の様子をたっぷり鑑賞できた。指揮者を観察するにはSS席よりP席やRA席の方が自分にとっては改めて都合が良いことを確認した次第である。
 
 広上と清水は大の親友だそうだが、司会者に広上のことを訊かれて、清水は「指揮台にいる時の広上は最高!」と答えた時には思わず会場に笑いが起こった。独奏者と指揮者の関係で「打ち合わせと違うことが本番で起こるから音楽は楽しい」と言ったピアニストの言葉にも含蓄があった。

 休憩後のプログラムは
  バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス 
 前日のブログにも書いたが、この作品はバーンスタインの代表作。彼が学生時代に作曲したニューヨークの当時の若者の姿の一面を生々しく描いている。新しい音楽のジャンルとしても画期的なものである。
 広上は自分の持つ個性的な指揮ぶりを存分に発揮して見せた。時には自らダンスを楽しむしぐさを見せたり、聴衆に顔を向けて「マンボ」と一緒に歌うように仕向けたりして極めてドラマティックな指揮ぶりであった。ウインド・オーケストラでは演奏が難しい曲も取り上げ、やはりオーケストラならではの感動的な演奏となったのである。

 最後のプログラムは アンダーソン: そりすべり
              クリスマス・フェスティバル 
 フィナーレとしてクリスマスを彩る名曲がいろいろ入った曲が綴られ、一番最後にオルガンも加わって
素晴らしいフィナーレ!
 
 「きよしこの夜」を満席に近かった聴衆の合唱で幕を閉じた。

 私は「クリスマス・オルガン・コンサート」を聴きに来ることの方が多く、「Kitaraのクリスマス」は2010年以来だが、今日は久しぶりに楽しいクリスマス・コンサートになった。帰り道も軽やかな足取りで家路についた。

                

 
  




  

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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