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札幌北高等学校吹奏楽部第29回定期演奏会

札幌北高合唱部の定期演奏会は何度か聴いているが、札幌北高等学校吹奏楽部の定期演奏会を聴くのは今回が初めてであった。音楽は全般的に好きであるがコンサートに出かけるのは専らクラシック音楽である。10年ほど前にシェナ・ウインド・オーケストラの演奏は聴いたことがあり、クラシック音楽とは違う魅力もある。近年では中高生を中心に若い人々の吹奏楽人気は年々高まっているようである。2・3月のKitara Newsで札幌北高吹奏楽部定期演奏会の演奏曲目「パガニーニの主題による狂詩曲」と「三角帽子」に鑑賞意欲をそそられていた。
札幌北高創立110周年記念演奏会で合唱部や吹奏楽部の演奏は耳にしているが、生徒自身が手作りした定期演奏会は別物である。今回の定期演奏会は音楽が大好きな生徒が心を一つにして演奏に取り組み、彼ら自身も楽しみ、聴衆もその楽しさを共有できる素晴らしいコンサートになった。

2018年3月27日(火) 18:30開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈出演〉 指揮/ 笠原 禎(顧問) 、篠原 彪我(生徒)
      吹奏楽/札幌北高吹奏楽部1年、2年生(約50名) 3年卒業生(約20名)
      司会/ 玉谷 朋佳(OG)
〈PROGRAM〉
 【第1部】 
  真島俊夫:ナヴァル・ブルー、  田村文生:アルプスの少女
  ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」より
 【第2部】
  ストレイホーン:A列車で行こう、  ガレスピ&パパレリ:チュニジアの夜
  メリーロ:ゴッドスピード!
  ディーズニー映画名曲メドレー(ヒギンズ編):DISNEY AT THE MOVIES
  サルトーリ(笠原禎編):Time To Say Goodbye
  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

「ナヴァル・ブルー」はフランス語で“ネイビー・ブルー”の意味。陸上自衛隊音楽隊のための音楽でテンポの速い軽快なマーチ。金管のファンファーレが入って華やかに展開される開幕に相応しい曲。
「アルプスの少女」の作曲家の作品は変拍子、不協和音の連続で楽器の特殊奏法も続く、コンクール向きの曲と思われた。猛練習が必要な高度な演奏で音楽の専門家でないと鑑賞が難しそうであった。演奏者は曲の中でいろいろな表情を表現できる楽しさも味わっているのだろうと推量した。
スペインの作曲家ファリャの「三角帽子」は小澤指揮ボストン響のCDを所有していて、コンサートでも一部は聴いたことがあり、親しまれているメロディもある。ロシア・バレエ団を率いるディアギレフの依頼で作曲され、1919年にロンドンで初演。指揮がアンセルメ、舞台装置と衣装がピカソだったという。スペインのアンダルシア地方の代官(*代官がかぶる三角帽子が権力の象徴)と美しい粉屋の女房をめぐる騒動を喜劇的に描いた2幕のバレエ。演奏曲目は第2幕から3曲、「粉屋の隣人たちの踊り」、「粉屋の踊り」、「終幕の踊り」。他愛もないストーリーだが、スペインの民俗舞踊に乗って、楽しい音楽が繰り広げられた。

前半3曲はそれぞれ趣の違う曲で、吹奏楽部顧問の札幌北高教諭の優れた芸術性が生徒の演奏に伝わっているのが実感できた。

司会担当の卒業生が、極めて巧みな司会ぶりで進行を担当。後半のプログラムは完全に生徒が主体性を持って運営している様子がうかがえた。定期演奏会実行委員長が2年生で、3年生や卒業生の協力も得ながら、実質的に吹奏楽部部員の手で演奏会に臨んでいるようであった。

後半プログラムはジャズ研究会部員20数名による演奏で始まった。主に金管楽器を使用しての演奏で、サクソフォン、トランペット、トロンボーンなど楽器の数も多くて、ソロも交代で入る本格的なジャズ。先日、弦楽四重奏で聴いたばかりの「A列車で行こう」だが、やはり、ジャズはニューヨークの場面を描いたジャズ・サウンドが圧倒的に素晴らしい。一気にジャズの楽しい雰囲気に浸った。「チュニジアの夜」は初めて耳にしたが、アフロと4ビートのリズム感あふれる曲で何となくエギゾチックな感じがした。
演奏者が楽しんでいる様子が伝わって、聴衆も引き込まれて楽しむ状況は何と素晴らしいことか!
私が同校を定年退職した後に生まれた子たちが、高価な楽器を手にして、短い期間で楽器を鮮やかに扱って演奏している様子は信じがたいものがある。学業との両立を図りながら、こんなに音楽を楽しんで演奏している様子に彼らの才能の素晴らしさと将来性に明るさを感じ取った。(*2曲の演奏では指揮者ナシ)。

司会者はジャズ研究会の代表や吹奏楽部部長にもインタヴューをして、音楽に取り組む姿勢を訊き、彼らは音楽だけでなく仲間の協力を通して人間性を養っている様子も語っていた。それぞれの賢い応答にも知性も表れていて嬉しく思った。話は飛ぶが、最近、文化やスポーツ面で注目された若者がインタビューで答える話の内容は適切で充実している(一方、それに反して大人の社会、特に政治家の発言の稚拙さが目立つのは極めて残念である)。

後半の吹奏楽4曲の指揮者は生徒が担当。“God speed!”は成功を祈る曲で管楽器のファンファーレと疾走感の溢れるメロディが第2部最初の勇ましい吹奏楽曲だった。
続いてライオンキング、美女と野獣など映画で馴染みのメロディが入った14曲がメドレーで演奏された。何となく雰囲気は分かっても、私自身は知らない曲が多かったが、ディズニー映画音楽の雰囲気は出ていた。グループで振付をしながら起立して演奏したり、体を動かしながらリズムをとって演奏したり、いろいろな工夫を伴った演奏で楽しめた人々が多かったようである。

“Time To Say Goodbye”はヨーロッパで大ヒットした曲で、タイトルもメロディも耳慣れたもの。ただ、タイトルから別れの曲を連想しがちだが、オリジナルのイタリア語は“君と共に旅立つ”の意で、結婚式でも歌われる曲だそうである。

最後の曲の原曲は「パガニーニ:24のカプリース」。ヴァイオリン曲の第24番のメロディを主題に大作曲家ラフマニノフがピアノ協奏曲にした。そのラフマニノフの名曲を吹奏楽曲にした曲が今回の最後の演奏曲。主題、序奏と24回の変奏とコーダ。ラフマニノフのピアノの技法とオーケストレーションを生かした協奏曲を吹奏楽曲として、極めて色彩感豊かに壮大に描いた。聖歌「怒りの日」の旋律も独特な形で取り入れ、原曲の良さを生かしながら吹奏楽曲として輝かしい壮大な管楽器の音が際立つダイナミックな曲としてクラシック曲とは違う魅力が味わえた。

指揮を務めた生徒の篠原はサクソフォン奏者として活動しているというが、個性的な指揮ぶりも堂に入ったものであった。演奏終了後に1300名ほどの聴衆から大拍手と歓声を浴び、“音楽をこれからも続けていく”という力強い言葉を述べ、アンコール曲に恒例の曲のようだったが、「Crazy For You」(あなたに夢中)を演奏した。感動した聴衆の拍手が結構長く続いていた。

演奏終了後、演奏者全員がホワイエに出てきて、友人や知人と和気あいあいに交流していた。出演者の友人、知人、家族などの姿も多く目にしたのは当然と思うが、演奏者が楽しんで演奏し、聴衆も彼らの演奏を楽しんでいる様子が双方に伝わる素晴らしい感動的な演奏会であったと言えよう。帰路に就く人たちから、“こんな楽しい音楽祭もいいね!”という声も聞こえてきた。札響の演奏会の後で感動して余韻を楽しみながら歩いている人はよく見るが、楽しかった喜びを素直に表現している場合はそんなに多くない。とにかく、今後の吹奏楽部の伝統が守られて自主的活動が円滑に進むことを祈りたい。

※チラシや情報の一部から推測すると、吹奏楽部の活動で他の高校との合同発表会や合同練習の機会があって交流があるのは良いことだと思った。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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