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三浦文彰ヴァイオリン・リサイタル(ピアノ:イタマール・ゴラン)

三浦文彰は2009年ドイツ・ハノーファー国際コンクールにおいて16歳で優勝して一躍脚光を浴び、一昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」のメインテーマ演奏で全国的に知名度を上げた。Kitaraのステージには2012年以来、4回目の登場。前回の出演は広上指揮札響との共演で〈Kitaraのニューイヤー2017〉。今回のリサイタルは2016年5月以来で2回目の開催。

2018年3月6日(火) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール

〈出演〉 ヴァイオリン/ 三浦 文彰(Fumiaki Miura)、 ピアノ/ イタマール・ゴラン(Itamar Golan)
〈Program〉
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第30番 ニ長調 K.306
 R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
 バルトーク:ルーマニア舞曲
 福田恵子:「赤とんぼ」の主題による小ファンタジー
 ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第5番 
 チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34,、  感傷的なワルツ Op.51-6
 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28

ピアノのイタマール・ゴランは1970年リトアニア生まれ。室内楽活動が顕著であるが、ベルリン・フィル、ウィ-ン・フィルとも共演する実力者。Kitaraでも2006年レーピン、09年竹澤恭子と共演。レーピンのリサイタルの折にはゴランのサインも貰った。1994年からパリ高等音楽院教授を務める。

半年前に予定されていたプログラムは小品集が多めだったが、ソナタが前半2曲入り、結果的に重量感のあるプログラムになって良かった。後半の小品も予定されたものは2曲だけだったが、在り来たりの名曲でなくて新鮮味が期待できるプログラミング。

モーツァルトは10代まではピアノを主とするヴァイオリン・ソナタを書いていたが、22歳の頃からはピアノとヴァイオリンが対等の作品を書いた。K.301、,K.304などは演奏の機会が多くてメロディにも馴染んでいる方である。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは番号に慣れていないので「第30番」は演奏会では初めて聴くような感じがした。ケッヘル番号で判断すると所有のCDの棚にはあるなとは思った。「第30番」は以前の2楽章構成と違って、急・緩・急の3楽章制で曲の変化が際立って面白い。30分弱を要する長めのソナタもピアノとヴァイオリンの対話が興味深くて面白く聴けた。

R.シュトラウス唯一のヴァイオリン・ソナタはここ数年で演奏される機会が多くて楽しんで聴いている。ピアノ、ヴァイオリンともに高度な演奏テクニックが展開されるスケールの大きな作品。曲は急・緩・急の伝統的な3楽章構成。2人の丁々発止のドラマティックな演奏で凄く盛り上がった。自分でもこんなに気分が高揚してR.シュトラウスの曲を聴けたのは初めてと思うくらいの感激度だった。
演奏終了後の聴衆の盛り上がりも一段と凄かった。早くからチケット完売で期待されていた演奏会だったが、聴衆の感動の様子がホールに広がった。演奏家同士もお互いに健闘を称え、2階バルコニーの客にも反応する姿も非常に良かった。

世界のピアニストと共演する三浦の物おじしない堂々たる演奏も頼もしいが、イタマール・ゴランのピアノを身近で聴いて今回ほど彼のピアニズムに魅了されたことはなかった。前回まではゴランの演奏は大ホールで聴いていて、ヴァイオリニストに目が集中し過ぎていたのかも知れない。室内楽での彼の偉大さを知った。今回はデュオ・コンサートと呼ぶにふさわしい前半のプログラムであった。

後半はヴァイオリンを中心にした小品6曲。後半の初めに三浦がプログラムの変更について説明したが、彼の人間性があらわれる
話しぶりで客の好感度を増した。

手渡されたプログラムにバルトークの小品が追加された。「ルーマニアン・ダンス」と紹介されたが、「ルーマニア民俗舞曲」6曲中の1曲と思われた。聴いたことのあるメロディが流れた。

福田の作品は三浦文彰委嘱作品。山田耕筰作曲の「赤とんぼ」を主題にして福田はヴァイオリン・ソロ曲を作っていた。三浦の委嘱を受けてピアノとのデュオの作品にしたという。抒情的で幻想風の小品。

「ハンガリー舞曲第5番」はピアノ曲、管弦楽曲として最も親しまれていて言及するまでもない。ここではヴァイオリンとピアノ用編曲版。ヨアヒムは19世紀後半を代表する名ヴァイオリニストで、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演者として知られる。

チャイコフスキーのヴァイオリンの小品は「ワルツ・スケルツォ」、「メロディ」などが有名である。タイトルが示す通りで、ワルツの優雅さとスケルツォの軽快さを備えた小品。「感傷的なワルツ」は本来はピアノ曲だが、現在ではヴァイオリンやチェロで演奏されることが多いようである。

サン=サーンスがピアノの名手サラサーテのために書いた曲で、小品と言うより中品と言える。アンダンテの序奏と気まぐれなロンドから成る。ジプシー風の音楽に始まり、ヴァイオリンの超絶技巧が使われる華麗な音楽でプログラムが終了した。

後半にも盛大な拍手があったが、前半2曲のソナタの聴きごたえに比べると、感動的と言えるほどでもなかった。名曲では新鮮さが必ずしも味わえないが、演奏家の技巧は楽しめる。今回のハイライトは何と言っても前半のソナタ。心に残る素晴らしい演奏会であった。
アンコール曲は2曲。①クライスラー:中国の太鼓  ②チャイコフスキー:メロディ。

今回のコンサートでは演奏以外にヴァイオリニストの性格の一端が覗けて興味深かった。年齢は20歳は違うが、まるで同輩のようでお互いに目指す音楽性が共通しているのだろうと思った。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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