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ヴィットーリオ・グリゴーロ主演のMET《トスカ》

プッチーニは「ヴェズリモ・オペラ」として代表的なイタリアの作曲家。「ボエーム」、「トスカ」、「蝶々夫人」などの悲劇的オペラで聴く者の心を打つドラマで後世に残る作品を遺した。作品の中の名アリアも親しまれている。
海外歌劇場の札幌公演を都合のつく折に旭川から聴きに来ていたのが1970年代だった。当時はモーツァルトやビゼーの作品が多かったと思う。札幌に転勤してからは北海道二期会の珍しい演目のオペラ公演で度々会場に足を運んだ方である。北海道芸協の配慮で海外のオペラ・バレエを2000年代まで低料金で楽しめたのは忘れられない。

2011年に札幌オペラ映画愛好会のお陰でドミンゴとパヴァロッティが主演した映画会が年4回上映されたことがあった。《トスカ》はドミンゴ主演で本格的に味わえるオペラ映画(1976年)であった。その後、Kitara の大ホールを会場にして2012年10月ウィ-ン・バーデン市劇場のオペラが上演された。《トスカ》を1階7列で生のオペラの迫力を十分に楽してめ、特別にKitaraから「カラス主演サバータ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団のCD」をもらった。
この時のライヴは舞台装置も簡素で限られた条件の下で開催されたが、結構満足できるものであった。

7年ほど前からMETビューングでタイトルにも馴染んでいなかったオペラを鑑賞するようになった。5年前にMETで「トスカ」の上演があったが、その際は鑑賞しなかった。今回は主演のカヴァラドッシ役がグリゴーロなので鑑賞予定に入れていた。Kitaraや時計台のボランテイア活動が続いていて日程の調整が大変だったが無理をした。

ヴィットーリオ・グリゴーロは3年前の《ホフマン物語》で彼の甘い魅力的なテノールの歌唱と演唱に惹きつけられていた。カウフマンに継ぐお気に入りのテノール歌手になっていた。

METビューイング第4作 プッチーニ《トスカ》  新演出
指揮/エマニュエル・ヴィヨーム  演出/デイヴィッド・マクヴィカー
出演/ソニア・ヨンチェヴァ、 ヴィット-リオ・グリゴーロ、 ジェリコ・ルチッチ

全3幕。イタリア語上演。上映時間3時間(休憩2回)

時代と場所/1800年、ナポレオン時代のローマ
主役となる登場人物 3名(歌姫:トスカ、画家/カヴァラドッシ、警視総監/スカルピア)
【簡単なストーリー】
『第1幕、教会』 トスカと画家は恋人同士。画家が教会で絵を描いていると、脱獄した政治犯が同志の画家のもとにやって来る。画家は彼を別荘にかくまうことにする。スカルピアが教会に来て、画家の恋人トスカの嫉妬心を利用して隠れ家を突き止める。
『第2幕、警視総監の執務室』 カヴァラドッシが逮捕されて政治犯が拷問される様子をトスカに見せて、スカルピアは老獪な悪だくみを意図してトスカを誘惑する。トスカは窮地に追い込まれてスカルピアをナイフで刺殺する。
『第3幕、城の屋上』 星が輝く夜明け頃に屋上に連れ出されたカヴァラドッシはトスカに別れの手紙を書く。第2幕でトスカは恋人と自分の通行許可証を発行してもらうことを条件にしてスカルピアに身を任せる決意をしていた。屋上で恋人に会ったトスカは見せかけの銃殺の予定だと話すが、銃を何発も打たれたカヴァラドッシは息絶えていた。トスカは城壁から身を投げ自ら命を絶った。

予定の指揮者や出演者の変更が相次いだためか、全体的にはもうひとつ物足りない感じがした。オーケストラの盛り上げが不足した感じ。第1幕での少年少女を交えた合唱は素晴らしくて、全幕での舞台装置を含めて海外と日本での違いを痛切に感じた。

主役3人は好演。テノールのグリゴーロには最初から最後まで甘いマスクと歌声で魅了されたが、何といっても第3幕の「星は光りぬ」は申し分のない感動的なアリアであった。この名アリアは何度か耳にしているが、オペラの場面で最高の音響で聴けたこともあって今までにない感動を覚えた。ニューヨークの聴衆も従来とは違う反応を示して拍手歓声が長く続いた。グリゴーロはステージでの演技も若い情熱的な芸術家・社会改革派の味を出していた。

ソニア・ヨンチェヴァは彗星の如く現れたように思えたMETの花形。今シーズン「第6作 ラ・ボエーム」、「第9作 ルイザ・ミラー」にも主役で出演が予定されている。マリア・カラスなど歴代の歌姫が演じた情熱の女性を美しい美声で好演した。第2幕で歌った「歌に生き、恋に生き」も見事な歌唱となった。第6・9作は制作発表時から決まっていたようである。今回の第4作は当初、カウフマンとオポライスの主演の予定だったらしい。トスカ役もカヴァラドッシ役もヨンチェバ、グリゴーロにとって初めてだったようである。2人は今回が初めての共演ではなくて、インタビューでグリゴーロはヨーロッパのコンサートで既に共演していて顔見知りだったという。二重唱の場面もあって良かったが、前述の2曲のアリアが大喝采を浴びていた。

第1・2幕でこれ以上ないという悪役を演じたジェリコ・ルチッチは代役としての出演。ヴェテランでスカルピア役を何度か経験しているらしく見事な演唱。

グリゴーロは「ホフマン物語」の後に日本公演のリサイタルがあって日本でも大人気のテノール歌手というのが納得できた。

※「歌に生き、恋に生き」の対訳(対訳者:永竹由幸)
歌に生き、恋に生き、決して他の人に悪いことなんかしてませんでした! 多くの可哀そうな人たちに会いました。そのたびにそっと内緒で助けてあげてきました。いつも心から神を信じて、祭壇にお祈りを捧げました。それなのに神様、この苦しみの時に、どうして、どうして、どうして私にこんな仕打ちをなさるのです? 聖母様のマントに宝石を寄進し、私の歌を、星に、天に捧げ、天はその歌に優しく微笑んで下さったではないですか。それなのに、この苦しみの時に どうして、どうして、神よ、ああ! どうして私にこんな仕打ちをなさるのですか?
※「星は光りぬ」or「星は輝き」の対訳(対訳者:戸口幸策)
星は輝き・・・大地は香り…菜園の戸が軋んで…足が軽やかに砂地に触れた。いい匂いをさせた彼女が入って来て、私の胸に倒れかかった。ああ、甘い口づけ、悩ましい愛撫、そのあいだに私は、震えながら、美しい姿をその覆いから引き出していた!
私の愛の夢は永久に消え・・・時は去り、私は絶望して死ぬ! 今ほど人生をいとおしんだことはない!
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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