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新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第42回札幌

このシリーズの開催を知って3年連続で札幌公演のコンサートを聴いた。平成29年度オーディションで選ばれた5名の新人演奏家が札幌交響楽団と共演した。

2018年2月11日(日・祝) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
  指揮/ 現田 茂夫    管弦楽/ 札幌交響楽団
[1部]
  坂東 由依(ソプラノ)~モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」より 2曲
  佐藤 悠光(ユーフォニアム)~ホロヴィッツ:ユーフォニアム協奏曲
  横山 瑠佳(ピアノ)~ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調
[2部]
  水口 真由(ピアノ)~サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 へ長調「エジプト風」
  入川  奨(マリンバ)~クレストン:コンチェルティーノ

現田茂夫は現在、神奈川フィル名誉指揮者。86年、オペラ・デビューを飾り、プラハ国立歌劇場の日本公演を指揮、96年より13シーズンに亘って神奈川フィル常任指揮者を務めて、同フィルを飛躍的に向上させた功績が評価されている。国内外のオーケストラに客演を重ねている。オペラとシンフォニーで活躍し、札響とのジルベスターコンサートは2005年より連続して指揮を務めている。04年にオペラ「セビリアの理髪師」で神奈川フィルを率いて来札、12年ジルベスターコンサートで横山(p)、成田(vn)などとKitara で共演した印象的な場面から久しぶりに現田の指揮ぶりを観た。

冊子によると、このプロジェクトのオーケストラ・シリーズが全国6都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)で平成23年度にスタートして7年目。現田は前6回が大阪で、今回が初の札幌担当。札響とは毎年、共演しているので札響団員との意思疎通は充分で、安心して観ていられた。未だ還暦を迎える年齢でもなく、今年10月にオープンする札幌文化劇場でのオペラでの活躍を期待したい指揮者である。夫人の佐藤しのぶの共演も是非実現してもらえれば嬉しい。

モテットは声楽曲の一分野で、モーツァルトはカストラート歌手のために書いたという。ホールに響き渡る坂東の歌声はステージでの経験の豊富さを感じさせた。
ユーフォニアムと言う金管楽器名は10年ほど前に初めて耳にした。チューバを小型にしたような楽器だが、音域が広くて、重厚な響きもあり、柔らかな音も出ている感じ。牧歌的な旋律もあって、佐藤は3楽章構成の聴きごたえのある曲を変化に富んだ演奏で吹きこなした。他の金管楽器には無い魅力を兼ね備えた楽器を演奏する女性奏者の意気込みが伝わってきた。
今回の演目で馴染みの曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番だけであった。一年前にアマチュアのコンサートでも聴いたが、オーケストラが札響だとやはりサウンドが違う。第4楽章ではオーケストラに対抗できる音量も出していた。横山は東京芸大在学中で、九響との共演も経験し、前途有望のピアニストのようである。

サン=サーンスはフランス国民協議会を設立し、偉大な音楽家としての業績を残しているが他の作曲家と比べて評価が高くない。「序奏とロンド・カプリチオーソ」、交響詩「死の舞踏」、「動物の謝肉祭」(特に“白鳥”)が有名な作品で、交響曲ではオルガン付きの「第3番」は演奏機会が多い。「ピアノ協奏曲第5番」は彼のピアニスト・デビュー50周年の祝賀会で初演。世界各地を旅行して、北アフリカも旅した。たぶん、その時の印象を音楽にしたものと思われる。演奏会で聴いた記憶は無いが、Kitara開館当時のPMFでジャン=イヴ・テボーデがピアノリサイタルを開いたので、10年前にEUで発売された彼のピアノ協奏曲2&5を購入していた。今回のコンサートの前に2回ほど聴いてみて、意外と興味が湧く曲だと思った。水口は東京芸大卒業後、札幌で活躍中のピアニスト。
「エジプト風」の第2楽章のアンダンテはナイルのエギゾチックな趣を描いており、第3楽章では2000年のエジプト旅行をしてナイル川を帆船で下った際に歌ったヌピア人の様子を思い浮かべた。北アフリカの雰囲気が楽しめ、ヨーロッパのピアノ曲とは違う味わいがあり、心地よい音が響いた。ピアノを打楽器のように弾く奏法もあって興味深かった。

前4人の演奏家は北海道出身。入川奨(いりかわしょう)は静岡県出身で、現在は札響首席ティンパニ・打楽器奏者。前任者が退団してから、後任が不在だったが、入川が17年1月に正式入団。今では彼の安定したティンパニの響きで、札響での評価も高い。彼のインタビュー記事が札響応援の機関紙「札響くらぶ」に載ったのが昨年7月の79号。札響メンバーのインタビュー記事はくらぶ編集委員のご苦労もあって楽しい読み物になっている。入川がヴァイオリンを習い始めて家族でファミリー・コンサートを楽しみ、中学・高校の吹奏楽部で打楽器にはまって、ソロを目指した経緯が語られた。打楽器奏者から指揮者に転向した音楽家に岩城宏之がいるが、ラトルもそうである。いろんな楽器を弾けても最終的に打楽器を選ぶ人の姿が記事を通して生き生きと伝わってきて強い印象を受けていた。今回のコンサートのチラシを見た時に、馴染みの指揮者は目に入っていたが、写真付きの演奏家で札響楽団員の名には気づかなかった。1月下旬に入って鑑賞しようと決めて聴きに来た。

木琴奏者として平岡養一の名を知っていて、30年ほど前にザ・ルーテルホールで木琴・マリンバ演奏会が開かれて聴いた記憶がある。楽器を譲られた演奏家がステージに数種類の楽器を並べて演奏したと思う。現在では楽器もマリンバと呼ばれ、KitaraではSINSUKEや女性演奏家の室内楽は聴いたことはある。オーケストラの楽器としてマリンバが使われている曲も聴いてはいる。
今回はオーケストラをバックに演奏するマリンバ協奏曲と言える曲。20世紀のニューヨーク出身の作曲家が書いた3楽章構成の15分の曲で、ジャズのようなリズムが入って、リズミカルな音楽。数種類のバチを使っての妙技が楽しめた。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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