さっぽろ雪まつり期間中の時計台来訪者

札幌国際プラザ外国語ネットワークによる時計台ボランティアのレギュラー活動は5月から11月までの7ヶ月間。他に、さっぽろ雪まつり期間中の特別活動。普段と違って、雪まつりが主目的で来札する観光客が大部分で、彼らは祭りを見た後に時計台に立ち寄る。この時期の来館者は「札幌市時計台」が「元札幌農学校演武場」であったことを殆ど知らない。入館者の反応によって、最小限の説明はする。昨年の7ヶ月でボランテイアが応対した日本人は約2万5千人、外国人は70ヶ国6千人に及ぶ。この数日の外国人の来館者はオーストラリア人とアジア人が多くて、真夏の国からのオーストラリア人が圧倒的に多いようである。

私自身は館内をあちこち動き回らずに入り口近くの所定の室内で対応する場面が多かった。オーストラリアの若者3人に英語の紙芝居を使って札幌農学校の歴史と時計台の歩みを説明した。その様子を途中から最後まで見ていた大阪の数人の女性が自分たちにも聴かせてほしいと言ってきたので、日本語で農学校開校当時の事情と時計台の話を20分ほどしてあげた。農学校開校に尽力したホーレス・ケプロン、黒田清隆の話。明治時代に太陽暦に変えるために全国に72台の時計塔が設置されたが、現在も残っているのは札幌の時計台だけであること。おもり式の時計を1週間に2度巻き戻す仕事をしながら古い時計を守り通していること。

1時から4時半までのボランテイア活動を終えて、大通公園の雪まつり会場に足を運んだ。会場は好天に恵まれて連日大賑わいのようだが、裏方の人々の助力もあって会場内は割合スムースに移動できた。雪まつり会場には毎年来ているわけではないが、今回は10丁目会場で思わぬ出来事があった。今迄、10丁目広場が大雪像の会場に使われているのは知らなかったのだが、この広場の北側には「黒田清隆之像」、南側には「ホーレス・ケプロン之像」がテレビ塔を向いて建っていた(2つの銅像は台座も含めて6メートルの高さ)。1967年の北海道百年記念で建立された。ぞの名を確認しながらカメラを回しているご夫婦の姿を見たので話しかけてみた。ケプロンのことを説明してあげた。彼は農学校の設立を北海道開拓使長官の黒田清隆に進言して北海道開拓に貢献した明治政府のお雇い外国人である。時計台のことも話題にしたら、熱心に私の話を聞き、何度も来ている北海道だが、次回は時計台を見学すると言っていた。時計台が元札幌農学校の建物であり、由緒ある歴史的建造物で貴重な文化遺産となっていることは実際に建築物内に入ってみないと解らないでいる人が多い。ご夫婦に意外なところで感謝されて嬉しい気持ちになった。

13丁目の市民の小雪像で両ひざから下が素あしの外国人の姿を見て、思わず「寒くないですか」と英語で声を掛けたら、「ほんのチョット」と返答があった。オーストラリアから来た若い人で、スキーを楽しみに北海道に来ているのかと訊いてみたら、そうだという。ニセコに来ているのだと思ったら、2週間の予定だと言っていた。風を引かないように気を付けて、スキーを楽しんでと言って気軽にごく自然な会話の雰囲気。ニセコで日本人にも慣れているのだろうが、どこでも気軽に対応できる外国人が増えているのは良いことである。

※今年は北海道命名150年。三重県松坂出身の探検家の松浦武四郎が本州から北海道・樺太などを何度も探検して、現在の北海道の地名の候補をあげた。そのうちの「北加伊道」が採用され、東海、南海、西海に対応して「北海道」になったのが1869年。今年は北海道命名150年の記念年。数年前に三重県の人たち一行が地元の偉人の松浦武四郎が名付け親の地を訪れようということで来道して時計台に立ち寄った際に、松浦武四郎が三重県出身と分ったのである。

※黒田清隆は第3代北海道開拓使長官を務めて、日本最初の札幌農学校設立と北海道開拓に貢献した。のちに、第2代内閣総理大臣を務めたことは余り人々に知られていない。
同じ薩摩藩士の西郷隆盛は明治維新の立役者として有名である。弟の西郷従道(じゅうどう、つぐみち)は黒田清隆が辞任した後の第4代北海道開拓使長官の任にあった(*2ヶ月ほど)。時計台に来館した外国人を通して知った。(*彼は日本の国際将棋大会にオーストリア代表として来日した人で赤レンガで歴代開拓使長官・知事の写真を見てきて、黒田の次の開拓使長官が西郷隆盛の弟である西郷従道だと語ったのである)。数年前の出来事であるが、私は早速赤レンガを訪ねて西郷従道の名を知った。
今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」で「従道」の活躍の場面も出てくるだろうが、彼は初代海軍大臣で明治政府の要職を務め、内閣総理大臣候補として推されたが断り続けた話も語り継がれている。

※時計台は阪神淡路大震災が勃発した1995年(平成7年)から耐震装置を備えるための工事で建物全体が解体され、復元工事が1998年(平成10年)に完成した。外壁と屋根の改修工事が今年20年ぶりに行われるために、5月から10月まで閉館の予定である。そのため、例年は行っていなかった雪まつり以降も4月末まで時計台ボランテイア活動は続く。
札幌市がどんな広報活動を行うか分からないが、国内、特に海外の観光客に予め休館の情報が伝わって無駄足にならないようにと願う。
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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