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第20回「札響くらぶサロン」記念ミニコンサート(ヴァイオリン/田島高宏)

年4回開催の「札響くらぶサロン」も20回目を迎えた。ミニコンサートは第9回から始まり、札響奏者の演奏をまじかで鑑賞できるのは格別である。ここ数年は豊平館の広間を会場にして開催している。Kitaraでの午後のコンサートに続いての開催が重なって、必ずしも毎回出席できてはいない。今回も午後2時開演の道響演奏会の後だったが、田島コンサートマスターが出演してくださるミニコンサートだけは聴こうと思った。

ミニコンサートの前に札響ライブラリアンの講演があった。ライブラリアンは本来の意味は「図書館員」だが、クラシック音楽の世界ではオーケストラの演奏で使用する楽譜の手配や購入、回収、製本などを行う専門スタッフのこと。札響には専門の職員が1名であるが、海外のオーケストラでは3名いるところもあるという。ライブラリアンなしでは演奏会が行えないほどの重要なポジションである。
札響ライブラリアン中村大志さんが具体的な仕事内容などを1時間ほど話してくれた。

意外と時間を要して、ミニコンサートが始まったのが7時半前。
コンサートの出演は田島高宏(札響コンサートマスター)と田島ゆみ(ピアノ)。
田島コンマスは桐朋学園大学卒業。2001年より2004年まで札響コンサートマスターを務め、退団して渡独。フライブルク音楽大学でクスマウルに師事し、06年同大学卒業。08年ー14年、北西ドイツ・フィル第1コンサートマスターを務める。14年9月より、再び札響コンサートマスターに復帰。
ピアニストの田島ゆみは08年、フライブルク国立音楽大学大学院修了。ドイツを拠点にピアノ・デュオ、室内楽で活動し、後進の指導にもあたる。11年半のドイツ滞在の後に帰国。現在、札幌在住で札響首席奏者たちと室内楽など幅広い活動に従事している。札響演奏会での客演ピアニストとして出演機会も多い。

〈プログラム〉
 エルガー:朝の歌 op.15-2
 ブラームス:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 op.78「雨の歌」
 ラヴェル:ツィガーヌ

エルガーのヴァイオリン曲は「愛の挨拶」が最も親しまれているが、「朝の歌」は清々しい旋律で魅力的な曲。ヴァイオリンの音も美しいが、ピアノはただ単なる伴奏と違う技量を示していた。ヴァイオリンとピアノのための楽曲。のちにエルガー自身が管弦楽版も書いた。

ブラームスのヴァイオリン・ソナタ3曲の中で「雨の歌」が特に親しまれていて演奏機会が多い。数年前に樫本大進&コンスタンチン・リフシッツのデュオ・コンサートで全3曲の演奏会があり、昨年は千住真理子の演奏会でも「雨の歌」が演奏された。「第1番」が歌曲“雨の歌”に由来する話を含めて、ヴァイオリニストはブラームスがクララに寄せる想いなどを語った。田島自身、ブラームスが大好きで、ブラームスに関わる地を追っかけのように訪ね周ったようである。特に交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲と「雨の歌」を書いた小村ペルチャッハのことが個人的には印象に残った。

ヴァイオリンとピアノの両方で対等なテクニックが必要な曲を美しく紡いだ。ブラームスへの想いが伝わるような力演で完全に曲に没入して演奏しているのが判った。聴く者にも曲の素晴らしさが伝わる迫力ある演奏は至芸といえるようなものであった。ピアニストの運指が見える正面に座ったので、Kitaraホールとは違う臨場感が味わえて得難いミニコンサートになった。

「ツィガーヌ」とはジプシーを意味するタイトルでハンガリーの女性ヴァイオリニストのために書かれた。曲の演奏前に、彼はハンガリー交響楽団に招かれて、この曲を演奏した話をしてくれた(*小林研一郎が一時、常任指揮者を務めて98年に同団を率いてKitara に来演したハンガリー国立交響楽団のことだと思った)。その時の帰りのバスの中での忘れ物のエピソードは信じられないような話もしてくれた。そんな率直な話をするご主人を優しく見守るピアニストの姿も印象深かった。
難曲として知られ、10分ほどの曲の前半は無伴奏の超絶技巧は見ごたえ、聴きごたえ十分、後半にピアノが入るが簡単な曲ではなさそうだった。ハンガリーのロマの雰囲気が伝わるラヴェルらしい個性的な音楽の演奏が終わると、ブラーヴォの声がひときわ大きく沸き起こった。
体力的には力を尽くしたようであったが、盛大な拍手に応えてアンコール曲に「エルガー:夜の歌 op.15-1」。「朝の歌」と対を成す曲でミニコンサートを締めくくった。

会場には札響常任指揮者ポンマーさんや札響奏者の姿もあった。休憩後にパーティが予定されていたが、時間も遅くなった。最近は午後の活動が続くと疲労感が増幅するのに加えて、翌々日に月に一度の通院の予定もあって、パーティ参加は控えて退席した。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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