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Kitaraのニューイヤー2018 (ウィ-ン・フィルのシュトイデ登場)

この数年Kitara恒例のNew Year Concertのプログラム後半にウィンナ・ワルツやポルカを取り入れるようになっているが、今年はウィ-ン・フィルのコンサートマスターを務めるフォルクハルト・シュトイデを迎えた。
シュトイデは1971年、ライプツイヒ生まれ。94年にウィーンに移住して、ウィ-ン音楽を身に着け、97年にウィ-ン・フィルに入団して、2000年から第1コンサートマスターを務める。同年より始まったトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィ-ンのコンマスとして日本公演に連続して参加。02年に結成したシュトイデ弦楽四重奏団を率いて室内楽でも活躍している(*14年にはKitaraでも公演)。札響との共演は16年6月の名曲シリーズでの弾き振りに次いで2度目。彼の演奏を聴くのは12回目。

2018年1月14日(日) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

コンサートマスター・ソロヴァイオリン/Volkhard Steude
管弦楽/札幌交響楽団
〈Program〉
 ウエーバー:歌劇「オベロン」序曲
 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
 ヨハン・シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲
 エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ「テープは切られた」 作品45
 ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋のポルカ 作品269
 ヨハン・シュトラウスⅡ:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
 エドゥアルト、ヨーゼフ、シュトラウスⅡ:射撃のカドリーユ
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィ-ン気質」 作品354
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ロシアの行進曲風幻想曲 作品353
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314                

ウエーバーは「魔弾の射手」序曲の演奏機会が多い有名なドイツの作曲家。彼のオペラの名声がイギリスに及んで《オベロン》が書かれた。イギリスでの初演の2ヶ月後に彼は亡くなった。クルト・ザンデルリンク&シュターカペレ・ドレスデンのCDで数回耳にしている程度だが、ロマンにあふれる軽快な明るい曲でオペラの序曲として楽しい。

ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番」は4大ヴァイオリン曲に次ぐ知名度の高い名曲。この2年ほどはKitaraでの演奏機会が驚くほど多い。ヨアヒムの助言を入れて改訂した版はドイツ音楽を中心に考えると、4大ヴァイオリン協奏曲に入る傑作と言われる。ロマンティックな旋律がヴァイオリンに乗せて自由に歌われれ、オーケストラと相まって躍動的で華やかな世界が繰り広げられた。
シュトイデの演奏は非の打ちどころはないようで、演奏終了後には会場のあちこちからブラーヴォの声が力強く上がった。
演奏中はオーケストラへの指示は控えめで、リハーサルでしっかり指導している様子だった。
この曲は何回か聴いたうちで、今回の演奏が最初から最後まで一番心地よく集中できた。シュトイデは6日のオーケストラ・アンサンブル金沢と10日の広島響と曲目は違うが共演を重ねた。札響との共演も2回目でステージの入場の際からオーケストラ楽団員との呼吸が上手くいっているように思えた。
シュトイデはステージに一番先に登場して起立したまま、全員が揃うまで待ってから、会釈をしてコンサートをスタートさせた。私自身が感じた前回のぎこちなさや緊張感が緩和され、極めてスムースに事が運んだ。その後は、ごく自然体での気持ちの良い演奏に繋がったように見えた。
※先日、ブルッフがイギリス最古の「ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団」(1840年創立)の首席指揮者を務めていたことを知った。ハレ管(1858年創立)が古いのは知っていたが、ロンドン響(1904年創立)より歴史があるのに気づいた。

後半は音楽の都ウィ-ン恒例のニューイヤーコンサートで演奏されるワルツやポルカ。選曲されたプログラムはシュトラウス兄弟3人の曲。
喜歌劇「こうもり」は大晦日の温泉町を舞台に繰り広げられたお洒落な物語。ウィ-ンの人々は年末年始になるとこのオペレッタを楽しむのが恒例になっているようである。「序曲」は日本でも最も親しまれていて、ウィーンの音楽気分を味わう1曲目に相応しい。

シュトラウス一家で作曲に携わらなければならないほどの人気を博した楽団はヨハンの弟を音楽に巻き込むことになった。今回の演奏曲で「テープは切られた」と「ロシアの行進曲風幻想曲」の2曲は初めて聴いた。ロシアにも巡業したことが判るロシアの風土が伝わる曲は通常のヨハンの曲とは違う趣があって興味深かった。
2000曲以上もあると言われるワルツやポルカから比較的に日本でなじみの曲が演奏されたが、新しい曲も聴けて良かった。ウィ-ンフィルのコンサートマスターひとりでも、持っている雰囲気と実力、それに応える楽団員の意気込みでこんなウィ-ン音楽に浸れて、とても楽しかった。指揮者やコンマスやオーケストラの技量を超えたものが、8曲の演奏から伝わってきた。言葉では的確に表現するのは難しいが、本場の音楽家が伝え、その指導に従って音楽を創り出すオーケストラの音楽が新たな感動を引き起こす様を肌で感じた。札響も力演で、とにかく楽しいコンサートであった。
万雷の拍手と歓声に応えて、コンサートの最後は「ヨハン・シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲」。演奏に合わせて、オーディエンスも手拍子を入れながら一緒に楽しんだ。8割以上の客席を埋めた人々も帰路に着く中で喜びを口々に表現していた。

シュトイデは15日~18日まで4日間、続けて本州の4市でリサイタルを開催する予定になっているが、3月31日にはKitaraに帰ってくる。自分のペースで運べるリサイタルと違って、日本のオーケストラと3回も弾き振りで共演する経験は初めてだったと思う。疲労感もあるだろうが、充実感もあったと思いたい。日本人と心も通じあう音楽家として今後の更なる交流を期待したい。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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