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ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤー・コンサート

Warsaw Philharmonic-The National Orchestra of Polandの創設は1901年。ワルシャワ・フィルはショパン国際ピアノコンクールの本選で伴奏オーケストラを務めていることでも知られる。5年に一度開催のショパン国際ピアノコンクールの入賞者ガラコンサートが日本で定期的に行われている。ワルシャワ・フィルを初めて聴いた1992年以降、今回が11回目だった。海外のオーケストラとして最多である。近年では海外のオーケストラがグローバル化する中でメンバーの大半がポーランド人という特徴を持つオーケストラになっている。

現在の音楽監督はヤツェク・カスプチェク(Jacek Kaspszyk)。彼はメニューインが1984年、ワルシャワに創設したシンフォニア・ヴァルソヴィアを率いて、2008年にKitaraに初登場(*当時のソリストは小山実稚恵)。前回は16年1月、ショパン国際ピアノコンクール入賞者ガラコンサートで再来札。今回が2年ぶり3回目のKitaraのステージ登場。

ピアニストの牛田智大(Tomoharu Ushida)は昨年2月に高関指揮札響と共演して「ショパン・ピアノ協奏曲第2番」を演奏。5月にはデビュー5周年記念リサイタルを開催した。彼は弱冠18歳だが、鋭い感性を発揮して彼独自のピアニズムを披露している。牛田のピアノを聴くのは2013年1月以来5回目。
今回のチケットは昨年6月に先行発売され、7ヶ月前に早々と手に入れていた。

2018年1月8日(月・祝) 3:00PM開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program〉
 パデレフスキ:序曲 変ホ長調
 ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
 ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」 

パデレフスキ(1860-1941)はポーランドのピアニスト・作曲家・政治家。1901年創設のオーケストラのコンサートのプログラムはポーランド作品だけで、ピアノ独奏はパデレフスキ。ピアニストとして世界的名声を築いた彼は、第一次世界大戦中には祖国の独立運動に貢献して、戦後は国民の後押しで独立国ポーランドの初代首相兼外務大臣を兼務。22年に辞任してアメリカに渡り、演奏活動を続けながら祖国を支援。39年、祖国に復帰してポーランド亡命政府の指導者として活動を続けた。ポーランドは2つの大戦に巻き込まれながらも、伝統的な音楽が歴史的に生き続けている国と言えよう。
この有名なピアニストの作品をコンサートで聴くのは珍しい。パデレフスキの名は知っていても、何かの演奏会で彼の小品がアンコール曲として弾かれた記憶が微かにある程度である。
プログラム解説によると、「序曲」は1884年に作曲されたスコアは残っているが、パデレフスキ没後50年の1991年に初演された。民謡風のメロディや快活なリズムが入る10分程度の曲は興味津々であったが親しみやすい音楽で味わい深かった。

ショパンの2つのピアノ協奏曲はワルシャワを去る直前に書かれていた。20歳の時に書かれた瑞々しい作品はショパン自らのピアノ独奏でワルシャワで初演。この「ピアノ協奏曲第1番」の初演後に、ショパンは故国を後にした。
「ピアノ協奏曲第1番」はピアノ・パートが華麗で、曲の魅力に直ぐはまって若い頃は一番魅了されたピアノコンチェルトであった。LPやカーステレオで聴き親しんでいた時代を懐かしく思い出す。今ではコンサートで聴く機会が断然多くなったが、同時にオーケストラがピアノを支える微妙なパートも評価できる聴き方もできるようになった。
ワルシャワ・フィルとショパンの組み合わせは何か独特な雰囲気で曲を聴く気分になる。そういう意味で今回の若い牛田智大との共演は新鮮さを感じた。
ブラヴォーの声も上がる大歓声に応えてソリストのアンコール曲は「プーランク:即興曲第15番 “エディット・ピアフを讃えて”」。この曲は過去のコンサートでも弾いたので、牛田の思い入れのある曲のようである。

「新世界より」も最も耳に親しんでいる曲。どの楽章も聴きごたえがあるが、何と言っても第2楽章のイングリシュホルンが奏でるメロディが美しく心に響く。ワルシャワ・フィルは世界中のどのオーケストラよりもショパンに曲が絞られてしまって、ツアーでは曲目が限定されてしまう。今回はパデレフスキを入れただけでも新しい方向が見えた感じがした。
盛大な拍手に応えたアンコール曲は「ブラームス:ハンガリー舞曲第1番」。新年に集まった7割程度の聴衆は聴き慣れた楽しい曲に心も躍る様子で喜びを表現していた。

2018年に入って初めてのKitaraのコンサートを大いに楽しめて良かった。帰りの混雑するホワイエで偶然、元Kitaraボランテイア3人の元気な姿を久しぶりに目にして嬉しかった。親しくしていた友人と会えるのは特に嬉しいものである。

※今回の国内ツアーは6日~15日まで7公演。26年前の1992年、カジミェシ・コルト指揮ワルシャワ・フィルは11月17日~12月15日まで日本国内23公演。80年に「連帯」のワレサ議長が民主化運動の先頭に立って東ヨーロッパに民主化の波が広がり、89年にポーランドにワレサ大統領が誕生した時代背景を思い起こした。今日では考えられない強行スケジュールでワルシャワ・フィルは日本各地に音楽を届けていた。1990年のショパン国際コンクールは優勝者なしで第2位のケヴィン・ケナーが20公演のソリストを務めた(*当時の第3位が横山幸雄)。ショパン・コンクール入賞者ガラコンサートは1995年に始まり現在まで続いている(*2005年の開催は無し)。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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