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Kitaraのクリスマス2017(高関&清水)

札響正指揮者を長年務めた高関健のKitara登場は2月の名曲シリーズ以来である。現在は東京シテイ・フィル常任指揮者として同フィルのレヴェルを一段と高めている様子であり、今年4月にはサンクトぺテルブルク・フィル定期に2回目の登場を果して大絶賛を博したことは喜ばしい限りである。また、京都市響常任客演指揮者も兼任しながら、藝大フィルハーモニア管首席指揮者を務めて後進の指導に当たっている活躍ぶりは実に頼もしい。
清水和音は昨年7月札響定期に客演して尾高忠明指揮の下で「尾高惇忠:ピアノ協奏曲」を弾いた。清水の札響出演で強烈な印象を残したコンサートは彼のデビュー30周年記念として開催された2011年《札響夏の特別演奏会》のプログラム、〈オール・ラフマニノフ・コンチェルト〉は驚異的な演奏で忘れ難いコンサートとなっている。《Kitaraのクリスマス》には5年ぶりの再登場。前回は「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番」を演奏した。指揮の広上とのトークで“同じ曲でもリハーサルと本番では同じ演奏にはならない”と互いに語ったことが印象に残っている。

[札幌コンサートホール開館20周年] Kitaraのクリスマス

2017年12月23日(土・祝) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮/高関 健   ピアノ/清水 和音  管弦楽/札幌交響楽団
【プログラム】
 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ長調 作品23(ピアノ/清水和音)
 バーンスタイン:「キャンディード」序曲、 
           「ウエスト・サイド物語」より “シンフォニック・ダンス”
 アンダーソン:そりすべり、 クリスマス・フェスティバル

グリンカはロシア国民音楽の祖。「五人組」やチャイコフスキーに大きな影響を与えた。オペラのタイトルは有名であるが、観たことはない。「序曲」は聴く機会が多くて、その明るい活気に満ちあふれた音楽は人々に親しまれている。

チャイコフスキーは3曲のピアノ協奏曲を書いているが、「第1番」は数多あるピアノ協奏曲の中でも最も人気の高い曲のベスト3に入る曲。2010年に札響ファンが選んだリクエスト曲で第1位となり、清水和音が札響と演奏した曲である。
清水が20歳の時にロン・ティボー国際コンクールピアノ部門で優勝した記事が新聞に載った1981年から36年も経った。彼がKitaraのステージに初めて立った2001年以来、彼の演奏を聴いたのは今回で7回目だった。14年からリサイタル・シリーズを年2回5年計画で開催し、昨年からは年6回の室内楽シリーズも始めている。現在、油の乗り切った時期を迎えているようである。

「第1番」は何度聴いてもロマンティックで美しい旋律は聴く者の心を虜にする。ピアノのカデンツァも素晴らしいが、木管楽器の奏でる牧歌的旋律も美しく、ウクライナ民謡も取り入れられて、全楽章が魅力的で聴いていて冗漫になるところがない。オーケストラとピアノの対話も生き生きとしている。チャイコフスキーのメロディ・メーカーとしての魅力満載の曲である。清水和音のヴィルトゥオーゾとしてのピアニズムが伝わってくる演奏を楽しんだ。
ソリストのアンコール曲は「ショパン:ノクターン第5番 作品15-2」。

後半プログラムの最初の2曲は来年バーンスタイン生誕100年を迎える前祝いの選曲だろう。高関は1982年にタングルウッド音楽祭でバーンスタインの指導を受けた。その音楽祭でバーンスタインが演奏した曲の中から2曲を選んだという。バーンスタインの曲はPMFで演奏される機会が多くある。今年のPMFでも「シンフォニック・ダンス」を聴いた。

「キャンディード」はヴォルテールの小説に基づくコミック・オペレッタだが、詳しいストーリーは知らない。楽天主義のキャンディードが恋人を追い求めて大冒険をする物語だという。「序曲」は何度も耳にしている曲で、楽天的で行動派の若者のイメージが湧いてくる楽しい音楽。

悲劇的なミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」は「ロミオとジュリエット」をニューヨークに舞台を変えて書かれた。バーンスタインが育った地区のイースト・サイド・ストーリーとして20歳の頃に書かれたが、映画化される時代にはイーストサイド地区が、国連ビルが建つ再開発地域になっていて、当時の面影を残すウエスト・サイド・ストーリーにタイトルを変えたという伝記を読んだ記憶がある。いずれにしても、アカデミー賞を受賞した映画が世界的に話題となり、音楽も有名になった。
北米と南米のダンスリズムの対比でバーンスタイン節と呼ばれる独特の作曲技法で書かれたが、原曲の管弦楽編曲を担当した彼の友人2人が管弦楽用の組曲を作った。原曲は9曲の舞踊組曲で、カットされて数曲だけが演奏されることもある。
今回の「シンフォニック・ダンス」は9曲。①プロローグ ②どこかに ③スケルツォ ④マンボ ⑤チャチャ ⑥出会いの場面 ⑦クール~フーガ ⑧決闘 ⑨フィナーレ。第4曲「マンボ」で指揮者の合図で聴衆が“マンボ”と掛け声を出す場面が2度あり、面白かった。
高関が実際にバーンスタインがボストン響を指揮するコンサートを聴いているのは財産だと思った。聴く方の心構えも何となく違うような雰囲気があった。札響メンバーにも何らかの前向きな反応があったのではないだろうか。

2008年にPMFオーケストラ演奏会[バーンスタイン生誕90年ガラ・コンサート]が開催され、当日のプログラムは「オール・バーンスタイン・プログラム」だった。3名の指揮者が出演して、マエストロ尾高が「シンフォニック・ダンス」全曲を指揮し、ルイス・ビアヴァが「キャンディード」序曲を指揮した。10年前の様子を懐かしく思い出した。「不安の時代」のピアノ演奏中に携帯音が鳴って、その音を小曽根が直ぐ即興で曲に取り入れた出来事があったことも併せて思い出した。

大ホールを飾りつけした職員の苦労が生きるクリスマスの音楽は照明の効果もあって楽しい雰囲気で展開された。内容は例年と殆ど同じ。最後はオーケストラの演奏に続いて、聴衆の斉唱で「きよしこの夜」。9割程度の客の入りで、家族で楽しんでいる姿も見られた。今年のKitaraでのコンサート鑑賞は今日が最終回。明るい気分でKitaraの会場を後にできたのは何よりだった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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