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METライブビューイング2017-18 第1作 ベッリーニ《ノルマ》

ベルカント・オペラの3人の作曲家ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニの中で今まで一度もオペラを鑑賞する機会のなかったベッリーニの作品は観てみたいと思っていた。彼の代表作「ノルマ」と「夢遊病の女」はオペラの一部がマリア・カラスのCDに収録され、オペラのタイトルは知っていても内容は殆ど知らないでいた。コンサートで日本の代表的なソプラノ歌手・森麻季が取り上げていたことはあった。近年、再評価が一段と高まっているオペラ作曲家のようである。
「ベル・カント」というイタリア語は美しい歌い方の意味で単純な言葉だが、ベルカント唱法は主にソプラノやテノールの歌唱についての呼称のように思う。
ベッリーニ(1801-1835)は歌手が感情を込めて歌う美しい旋律を書き、ヴェルデイへの道を切り開いたオペラ作曲家として知られる。

今シーズン第1作 ベッリーニ《ノルマ》
指揮/カルロ・リッツィ  演出/デイヴィッド・マクヴィカー
出演/サンドラ・ラドヴァノフスキー、ジョイス・ディドナート、ジョセフ・カレーヤ、マシュー・ローズ
全2幕  イタリア語上演  上映時間:3時間27分(休憩1回)

[あらすじ] 紀元前50年ごろ(*シーザー、クレオパトラの時代)、ローマ帝国の支配下にあったガリア地方(*現在の北イタリア、フランス)ではドルイド教と呼ばれる宗教が信じられていた。ドルイド教の尼僧長(巫女)ノルマは神に仕える身でありながら、ローマ帝国の将軍ポッリオーネと恋に落ち、2人の子どもをもうけていた。将軍はノルマに飽きて、若い巫女のアダルジーザに心を移していた。禁断の愛に悩んでいたノルマは、同じく恋の悩みを持つアダルジーザの相談に乗っていたが、相手が同じポッリオーネと知った途端に彼の不実を激しくなじる。
ローマとの戦いが始まり、将軍が恋人に会いに神殿に忍び込んで、人々に捕えられて来る。元に戻るなら、命は助けるというノルマの言葉を彼は拒否する。怒りに燃えたノルマは全員を招集して、一人の巫女を生贄にすると宣言する。しかし、ノルマが口にしたのは自分の名前だった。今までの罪を告白して、子どもの命乞いをするノルマを見て、ポッリオーネは改心する。人々に用意させた火刑台(かけいだい)にノルマが向かうシーンで幕。

信仰の証として暮らす人々の地が森なので、舞台装置が立派で、5面舞台を持つ大掛かりな装置を持つMETならではの工夫もあったが、森の場面で全体が暗めになっていた。舞台装置の凄さが伝わってこなかった。
今回のオペラで圧倒的な存在感を放ったのが3人の歌手陣。タイトルロールを歌ったラドヴァノフスキーは「ロベルト・デヴェリュー」でのエリザベス一世役が凄い演唱で強烈な印象を与えられていた。METに200回出演の大歌手だが、名を知ったのは昨年が初めてだった。ソプラノ最難関の役と言われるノルマはカラスの得意役であったが、名高いソプラノ歌手が誰でもこなせる役ではないらしい。第1幕で歌われる有名なアリア「清らかな女神よ」は“神はまだ争いは望まぬと告げ、月の女神に平和を祈る”。素晴らしい心を打つアリアで極めて印象的であった。ラドヴァノフスキーは全編を通して、女として、母として、指導者として生きる姿を好演。

ディドナートは最も人気の高いメゾ・ソプラノ歌手として有名で、MET出演も多いが、METビューイングで観るのは今回が初めてだった。少し前にベルリン・フィルと共演している様子を見たが、今回の歌唱力と演技力には感動した。METの看板メゾとして活躍しているが、オペラだけでなく、コンサートにも出演していることで彼女の実力のほどが分かる。コロラトゥーラの技術も凄いが、同時に強い感情を湛えた表現力が凄い。ポッリオーネとの「愛の二重唱」も素晴らしかったが、ノルマとアダルジーザがお互いの友情を確認して歌う有名な美しい二重唱は特に心に響いた。同じ旋律でも、感情は別であるのが伝わってくるのは2人の歌手のヴェテランの味なのだろう。純真さと献身的な心を見事に表現したディドナートに魅了された。

主役3人のうちのポッリオーネは身勝手な振る舞いを続け最後に改心するが、歌唱力と堂々とした姿で異彩を放った。カレーヤの高音は凄く魅力的で、特に「愛の二重唱」や「恋の修羅場の三重唱」は聴かせどころであった。

多くの人々が歌う合唱にも迫力はあったが、歌手陣の大健闘が光るオペラであった。

ここ数年は妻もオペラが大好きになって、今シーズンも3枚セットのムビチケカードを購入して鑑賞の予定だった。スケジュールの調整がつかなくて、今回は断念しようかと思っていたらしい。私の感想を聞いて、明日午後3時のコンサート鑑賞の前にMETの予定を組むようである。METビューイングは1週間上映なので、自分の都合の良い日を選べるのが、普通のコンサートと違う便利なところである。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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