第19代Kitara新専属オルガニスト デビュー・リサイタル

9月に着任する札幌コンサートホール新専属オルガニストのFirst Concert は例年10月に開催されている。第19代Kitara専属オルガニストはポーランド出身のMartin Gregorius(マルティン・グレゴリウス)。Kitaraでの愛称、マルタンは1991年生まれで、5年前の第12代のカチョルに続くポーランドからのオルガニスト。ポーランドはPMFにも毎年アカデミー生が参加するほど音楽家を多く輩出している国。

マルタンは母国の音楽大学卒業後、パリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院に学ぶ。2017年、ポーランドのパデレフスキ国立音楽アカデミーにてオルガン演奏の博士号を取得。これまでにヨーロッパ各国でコンサートを開催し、国際オルガン即興コンクール優勝の実績も有する。

2017年10月7日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program〉
 リュリ(グレゴリウス編曲):バレエ音楽「町人貴族」組曲より “序曲”ほか2曲。
 J.S.バッハ:パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
デュリュフレ:オルガン組曲 作品5より “シシリエンヌ”
 サヴァ:踊る絵
 シューマン:ペダル・ピアノのためのスケッチ 作品58より
 グレゴリウス:即興による舞踏組曲

演目の中でバッハとデュリュフレの曲は偶々CDがあるが、メロディが思い浮かぶほど聴きこんではいないので慣れ親しんでいるわけではない。シューマンのオルガン曲はタイトルさえ耳にしたことがない。
上記のほかに作曲者不詳の曲も2曲演奏された。

リュリは17世紀の宮廷作曲家。ルイ14世の時代に作られた祝宴のための音楽。壮大な序曲とともにバレエの舞台が幕を開ける。楽器の王様と呼ばれるオルガンの迫力ある音色で舞曲が繰り広げられた。

バッハの曲で「トッカータとフーガ ニ短調」だけは何十回も聴く機会があって慣れ親しんでいる。他はタイトルが分る曲は数曲あるが、よく分らない。スペインに起源をもつ舞曲“パッサカリア”は何度も繰り返される主題と20の変奏、最後にフーガ。
前曲と違って重厚感のある響きと音楽の豊かさを感じれた。

シシリエンヌはイタリアのシチリア起源の牧歌的な踊り。多くの作曲家が様々な楽器用に曲を書いている。デュリュフレのこの曲は3曲構成の組曲の1曲。Kitaraの第11代オルガニストのシンディ・カスティーヨのCDの曲が入っていた。彼女には日本語を定期的に教えていて交流の機会が多かったので、曲と共に懐かしく過去を振り返った。彼女は極めて明るい人柄だったが、この曲は憂いに満ちた曲想のなかにも20世紀の時代の雰囲気を感じ取れた。

サヴァは初めて聞く名前だが、ポーランドの作曲家という。バルトークの民族舞曲などに影響を受けたようである。軽やかで明快な曲調でオルガンの特徴を生かして現代的な音の響きを創り出していた。

後半に14世紀、16世紀の作曲者不詳の音楽が演奏された。古い資料から舞曲の起源を探ったようである。余りに時代を遡ったのでピンと来なかったが、音楽そのものは舞曲のつながりとして何となく耳に入ってきた。

シューマンの曲はロマン派時代の音楽の中で普及したワルツ風舞曲として取り上げられたのかもしれない。

最後の曲はマルタン・グレゴリウスが舞踏曲として即興的に綴った調べ。演奏時間が15分で充実した演奏が続いた。日本の唱歌「もみじ」のメロディも入り、最後には「ソーラン節」を思わせるメロディも入って聴衆を大いに喜ばせた。

“デビュー・リサイタル”のプログラムとしては極めて個性的だと思ったが、今後も即興演奏を含めて特色のあるオルガン演奏会に繋がるのかもと思った。
演奏終了後に、“皆さん、こんにちは。 気に入っていたただけて嬉しいです。これから一年間よろしくお願いします。”と言って、アンコール曲に「チャイコフスキー:くるみ割り人形より “金平糖の踊り”」を演奏した。チェレスタの響きがオルガン曲として非常に心地よくリズミカルに響いた。馴染みのメロディに拍手大喝采が沸き起こって聴衆も大満足の様子であった。


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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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