ウィ-ン室内管弦楽団『アイネ・クライネ・ナハトムジ―ク』&『ます』

札幌コンサートホール開館20周年記念に「ウィ-ン室内管弦楽団」の演奏会が2日間に亘って繰り広げられる。第1日はウィ-ン室内管メンバーによるモーニングコンサートとアフタヌーンコンサート。第2日はウィ-ン室内管・コンチェルトの競演。
本日の《アフタヌーンコンサート》と明日の《コンチェルトの競演》を聴くことにしていた。

ウィ-ン室内管弦楽団がKitaraのステージに初めて登場したのが1998年で当時の指揮者はエルンスト・コヴァチッチ(*共演はフルートの工藤重典とハープの安楽真理子)、2度目は3年前でシュテファン・ブラダーが率いてピアニスト牛田智大が共演.。今回が3度目となる。前2回は大ホールで開催されたが、今回は第1日が小ホール、第2日が大ホール。

2017年9月30日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール

〈出演〉シュテファン・ヴラダー&ウィ-ン室内管メンバー5名
〈Program〉
 モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジ―ク」K.525
 シューベル、ト:五重奏曲 イ長調 「ます」D667 
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セレナードは小夜曲(さよきょく)とも呼ばれ、「第13番」はモーツァルトの作品の中でも最も有名で親しまれている曲。セレナードはセレナーデ、セレナータとの呼称もあり、狭い意味では元々「夕べに男が恋人の窓の下で奏でる甘美な曲」のこと。ドヴォルザークやチャイコフスキーの弦楽セレナードもよく知られている。
「アイネ・クライネ・ナハトムジ―ク」はドイツ語で“小さな夜の音楽”を意味する。この語はモーツァルトの曲の代名詞と言えるほど人々に知られている。今まで弦楽合奏曲としてI MUSICI(イ・ムジチ合奏団)での演奏を通して親しんできた。今年のPMFウィ-ン演奏会で弦楽五重奏曲(ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コントラバス1)として聴いて新鮮な印象を受けたばかりであった。

曲は伸びやかで自由闊達な雰囲気が横溢して実に爽やかこの上ない。

シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」は未完成交響曲と同じように若い時から耳にしてきた曲(*と言っても、曲のタイトルと一部のメロディでだけである)。全曲はブレンデル&クリーヴランド弦楽四重奏団の演奏を通して親しんだ。

「ます」(The Trout)は全曲に明るさと爽やかさがあふれ出ている名曲。この曲も人々に親しまれている美しいメロディがあちこちに散りばめられている。
楽器編成に特徴があってピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。通常のピアノ五重奏と異なってヴァイオリンが1本だけで、コントラバスが加わる。曲はまるでピアノ連弾のようで、ピアノと弦楽が対話しているようであった。ピアノが旋律を奏で、弦楽器が応じているようにも思えた。弦楽に低音域のコントラバスが入ることでピアノと好対照をなしていた。生演奏を観ることで、ただ聴くだけでは気づかないことが明らかになって一層楽しく聴けた。

曲は5楽章編成。第4楽章は弦楽器のみの演奏でシューベルトの歌曲《ます》の主題が奏でられた後に5つの変奏が続いた。各楽器の持ち味が生き生きと伝わる変奏が入った。最後の変奏がオリジナルのピアノ伴奏のように思えた。終楽章は活気にあふれたフィナーレ。
オーストリアの地方の美しい情景を思い浮かべながらシューベルトが書き上げた作品は伸びやかで明るく実に爽やかであった。

演奏終了後に客席を埋めた聴衆は拍手大喝采。馴染みの美しい調べで心が豊かになる午後のひと時。休憩なしの1時間の演奏会も偶には良いと思った。
心地よい気分に浸ったコンサートの後は、人混みを避けて陽ざしがさす公園の中を遠回りして帰路に就いた。木々の色も変わる美しい自然を味わいながらプロムナードを楽しんだ。コンサートと同時に豊かな自然に身をゆだねる瞬間もそう容易に手に入るものではないと嬉しくなった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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