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札響第603回定期演奏会~スッペ&グルダ&ブルックナー(下野&宮田)

指揮者、下野竜也によるユニークな「ウィ-ン・プログラム」。ウィ-ンの音楽でありながら、本流から少し外れたプログラムに却って興味を抱いた。3曲ともに今までにコンサートで聴いたことがない珍しい曲。定期演奏会の選曲として意外ではあるが、個人的には大歓迎であった。下野は15年8月定期に次いでの札響登場。

2017年9月23日(土) 14:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール

指揮/下野 竜也(Tatsuya Shimono)    チェロ/ 宮田 大(Dai Miyata)
ウィ-ンに音楽は踊る
 〈Program〉
  スッペ:喜歌劇「ウィ-ンの朝・昼・晩」序曲
  グルダ:チェロと吹奏楽のための協奏曲
  ブルックナー:交響曲第1番 ハ短調(ウィ-ン版)

スッペ(1819-95)はヨハン・シュトラウス2世と並んでウィ-ン・オペレッタの全盛時代を築いた作曲家。「スペードの女王」、「軽騎兵」などが代表作。
「ウィ-ンの朝・昼・晩」序曲は名高い序曲の一つだそうで、札響演奏歴が8回あって思っていたより人気曲のようだった。定期では初めての演奏曲。壮麗なイントロに続いて軽快なリズミカルな調べが展開され、独奏チェロの活躍があってメロディが目まぐるしく変わってクライマックスを迎える10分程度の楽しい曲。初めて聴く人が多かったと思うが、朝・昼・晩の雰囲気が楽しく表現されていて面白く聴けた。

1曲目が終って、2曲目のステージの準備にかかる合間を利用して、指揮者のトークが入った。4月から広島響の音楽総監督に就任した下野竜也は現代曲や珍しい作品を積極的に紹介する指揮者としても知られる。グルダの紹介とブルックナーの曲の鑑賞の仕方を語った。

グルダ(1930-2000)はウィ-ン出身のピアニスト。バドゥラ=スコダ、デムスと共にウィ-ンの三羽烏と呼ばれた(*スコダとデムスは07年Kitaraに来演)が、グルダは大ピアニストとしての世界的名声を得て突出した存在だった(*グルダ&ウィ-ン・フィル演奏のベートーヴェンの協奏曲のCDが手元にある)。
50年代後半よりグルダはジャズ演奏や作曲、即興演奏も行うなど“異端児”的な方向へ進んだ。同時にベートーヴェンのソナタ全集を2度録音するなどクラシック音楽と共存を図り、新たな音楽芸術を志向したという評価もある。

「チェロと吹奏楽のための協奏曲」は1981年ウィ-ンで作曲された、ウィットに富んだ30分ほどの親しみやすい曲。5曲編成。第1曲「序曲」はリズミカルで活気に満ちた曲。チェロの超絶技巧が目立った。第2曲「牧歌」は管楽器に乗った独奏チェロの旋律が印象的。第3曲は「カデンツァ」でチェロの名技が披露された。第4曲「メヌエット」はフルートとギターの対話も入る幻想的な調べ。第5曲「終曲」は行進曲風でジャズの要素が取り入れられている胸が弾む音楽。

クラシック音楽では珍しくマイクが付けられ、スピーカーもステージの4か所に備えられての演奏。作曲家指定の演奏形態と予め指揮者の説明があった。楽器編成は独奏チェロと管楽器12、打楽器、ギター、コントラバス2(クラシック用とジャズ用が各1)。
最初からオーケストラの音量、特にチェロの響きが強烈で3階の奥まで届いたと思われるサウンド。この種の音楽を好む人には心も躍るような響きだったのではなかろうか。普段は聴き慣れていなくてもKitaraで偶にこんな響きを耳にするのも悪くはないと思った。しかも、音の強弱に変化もあっての珍しい音楽は興味津々であった。
普段のクラシック音楽演奏とは趣の異なる曲が展開され、終曲ではジャズ風の演奏に合わせて帽子をかぶったり、ハチマキをしたりして服装にも工夫が凝らされていた。札響初演。

ソリストのアンコール曲は「バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番より “ブーレ”」。
宮田は4年前に下野指揮読響と共演してのドヴォコンの名演奏が生々しいが、いろんな曲に挑戦している姿が凛々しくて頼もしくもあった。昨年6月のリサイタルも素晴らしかったので、毎年のように聴きたいチェリストである。

ブルックナー(1824-96)の曲は一般のクラシック音楽ファンには好まれていないが、フルトヴェングラー、カラヤン以降の偉大な指揮者たちは好んで指揮していたようである。ブルックナーの名が分かって第4番、第7番を聴き始めたのが1999年のことで、まだ20年も経っていない。第1~9番まで手元にそろったのが2001年、4番を除く第1~5番は購入した時に一度耳にしただけである。
「第1番」はインバル指揮フランクフルト放送響のCD(リンツ版)を今回のコンサートに備えて2回耳にしておいた。それほど敬遠するような曲では無いと感じた。
最近は生演奏で集中して鑑賞していると、オルガンやコラールの響きも感じられ重厚な曲を味わえるようにはなってきていた。昨夜は指揮者のアドヴァイスで“森の中に入った”状況を思い浮かべながら聴いた。やはり聴く回数を増やすとどんな曲もそれなりに少しづつ親しみが湧いてくる。札響初演。

下野竜也は朝比奈隆の下で力をつけ、01年ブサンソン国際コンクール優勝後は06年読響初代正指揮者、13-17年3月まで読響首席客演指揮者を務め、現在は広島響総音楽監督のほか、京都市響首席客演指揮者、京都市芸大教授も務める。まだ40代の俊英指揮者で国際舞台でも活躍しているが、日本の指揮界の牽牛者としての役割も期待されている人材である。今後一層の活躍を期待したい。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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