エマーソン弦楽四重奏団の思い出

先日(8月20日)の「クラシック音楽館」で【究極の対話】《弦楽四重奏の世界》が放映された。「アルデッティ弦楽四重奏団」と「エマーソン弦楽四重奏団」のグループ名に惹かれて2時間番組を視聴した。
初めてエマーソン弦楽四重奏団の演奏会を札幌で聴いたのが25年前(92年)のことで「ベートーヴェンのラズモフスキー3曲」。メンバーの若々しい姿が好印象だった。99年にはKitaraにも登場してベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、シューベルトを聴かせてくれた。同じメンバー構成で当時の演奏の様子も比較的に鮮明に記憶している。

クラシック音楽のジャンルではカルテットやクインテットは馴染んでいないほうだが、その後、Kitaraホール・カルテットも結成され聴く機会は増えてきた。ジュリアード弦楽四重奏団、スメタナ四重奏団、ハーゲン四重奏団、ボロディン四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団、東京クヮルテットなどの演奏でCDは2・30枚ほどは持っている。

弦楽四重奏曲は未だ鑑賞のコツを理解していないこともあって、感動を味わう場面が少なくなっている。弦楽器奏者がそれぞれ主張しあって4人で音楽をまとめ上げる様子に演奏家としての醍醐味があるようである。

1974年結成のアルデッティ弦楽四重奏団は「バルトーク弦楽四重奏曲第3番」を弾いた。このカルテットは現代音楽に特化したグループで、作曲家との共同作業で演奏に臨むのが特徴とアルデッティは語った。日本の温泉を訪れて日本の独特な文化に接しながら、インタヴューにも応じて何曲か演奏を行った。メンバーは現代曲は演奏家にとって作曲家の意図を聞けるので楽な音楽つくりになると口々に述べていた。
他の演奏曲は「リゲティ:第2番」、「細川俊夫:沈黙の花」(*華道家の父から受継いだ伝統を表現した曲で98年世界初演)。

1973年結成のクロノス・クヮルテットの変幻自在な演奏、1992年結成の日本のモルゴーア・クヮルテットの演奏もあった。対話を重視しながら変貌を遂げる弦楽四重奏団を紹介した後は世界最高のクヮルテットとして歴史に名を刻んだALBAN BERG Quartett(2005年Kitara来演)による弦楽四重奏の王道となるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの曲の一部の演奏。

番組の最後を飾ったのが1976年結成のEmerson String Quartet。アメリカの偉大な思想家の名前を付けた四重奏団もメンバーが変わって、ヴィオラ奏者だけが当時と同じようであった。20年も経つと眼鏡をかけて一見では分らなかった。演奏曲はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「厳粛」。一瞬アレ?と思ったが「セリオーソ」と同じこと。当日、聴いていて最も馴染みのメロディが出てきてホッとした気持ちになった。
第1ヴァイオリン奏者は“最初はとぐろを巻いたネジのような印象で始まるが、厳粛な曲がスピードが上がって素早いフィナーレとなる。この曲はベートーヴェンの後期作品に向けての実験的な作品だった”と話したのが印象に残った。「玄人のための作品」と語るメンバーもいた。
とにかく、過去とつなげる良い思い出の番組となった。

以前、諏訪内晶子が現代曲の練習をしている際に壁にぶつかって、思い切って存命中の作曲家に相談したことがあると語っていた。パーヴォ・ヤルヴィも作曲家の意図を楽譜だけでなく本人の話で確認できるので、古典派やロマン派の過去の時代の作曲家よりも現代音楽のほうが解釈が遥かに楽であると語っていた。
ところが、私にとっては現代曲の良さはなかなか分らない。最低限の音楽の知識が無いと無理なのだろうか。どんな音楽でも聴く耳はあると思うが、楽しみには必ずしも繋がらない。





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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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