ハイレゾ・ストリームで楽しむ[ラトル指揮《シベリウス交響曲全集》]

PMFコンサート鑑賞もオーケストラ演奏会を2つ残すだけとなったので、その合間にデジタル・コンサートホールを楽しむ余裕ができた。ベルリン・フィルも夏の休暇に入って定期コンサートは無い。
昨日、自主レーベル「ベルリン・フィル・レコーディングズ」のタイトルをハイレゾ・ストリームで聴いた。前衛的作曲家として解釈するラトルの名盤をCDを超える超高音質で楽しんだ。

Sir Simon Rattle は「シベリウスは最もエキサイティングで独創的な作曲家のひとり」と語っている。7つの交響曲にはシベリウスの多様な美しさが込められている。一度に7曲全部を聴いたのは初めてだった。

シべリウスをLPレコードで聴いたのは45年前で「交響曲第5番」と「フィンランディア」。ジョールジュ・プレートル指揮ニュー・フィルハーモニア管の演奏(*プレートルは98年にパリ管を率いてKitaraに出演した時に名を知った。世界的なオペラ指揮者で、コンサート指揮には余り関わっていなくて日本での知名度は低かった。08年のウィ-ン・フィルのニューイヤーコンサートに出演した時はヨーロッパでも驚きをもって報じられた。世界の一流歌劇場で活躍してカラスとの共演も多く、私もオペラ全集に彼が指揮するCDがあるのに気づいたのは10年前)。
CDで聴き始めた頃の2000年にカラヤン指揮ベルリン・フィルの「交響曲第2番とフィンランディア」がシベリウスとの2度目の出会い。実質的にシベリウスの交響曲で一番身近なのはカラヤンの曲に親しんだ以降であった。この年のエジプト旅行の長時間の機内では偶々フィンランドの俊英指揮者ユッカ=ペッカ・サラステの音楽を何度も聴いた。その影響で彼のCDが目に留まり、帰国後にサラステ指揮フィンランド放送響の「交響曲第1番」、「交響曲第5・7番」を続けて聴くようになった。(*サラステとサロネンはほぼ同年代のフィンランド出身の世界的指揮者だが、現在は差がついたようである。)

その後にジョン・バルビローリやコリン・デイヴィスの輸入盤も手にして他の交響曲なども度々耳にした。ヴァイオリン協奏曲はもちろん数枚あり、お気に入りである。
シベリウスの生誕150年を祝う札響演奏会では当時の尾高忠明音楽監督が《シベリウス交響曲シリーズ》を年1回公演で3年掛けて達成した。それぞれ充実した演奏会となり、一気に連続しての公演とは違う味わいのあるツィクルスになっていたことを思い出す。その時のライヴ録音でのCD「第1・3番」、「第4・5番」の2枚のCDは記念に買い求めた。シベリウスが気に入って、その後、デイヴィス指揮ロンドン響の7CDがSONY MUSICから廉価版で発売されていて手にした。

それから2年余りが経ったが、丁度、今までにない新たな聴き方が出来た折に、長くなったが過去を振り返ってみた。

デジタル・コンサートでは音量の素晴らしさを味わうと同時に、演奏者の姿を観ながら鑑賞している。今回は音にだけ集中して聴くことになった。第1番と第2番はやはりフィンランド独立に向けてのフィンランド国民の気持ちに寄り添った音楽であった。シベリウスが40歳~60歳に掛けて作曲した第3番以降は作曲環境がガラリと変わっている。1904年にはヘルシンキでの生活の煩雑さを逃れて別荘を建てて生涯の隠遁生活に入った。第3番を書いたのは1907年で第7番の完成は1924年、29年以降、亡くなる57年まで筆を折ったと言われている。

第3番は内省的で楽章数も3つに減って、楽器編成も小さくなり、シンプルで明解になった。第4番は4楽章構成だが、室内楽的な雰囲気で、作曲家自身は“精神的交響曲”と呼んでいる。第5番はシベリウスの50歳を祝う国を挙げての記念演奏会のために作曲され、シベリウスの指揮で初演が行われた。北欧の壮大な自然を感じさせるスケールの大きさと華やかさを持った曲。第2番とともに人気のある作品。
第6番は宗教的な敬虔さが漂う曲。この曲は殆ど聴いたことがなくて札響演奏会で初めて耳にした感じだった。今回で3回目だろう。第7番は最初の3楽章の構想を変えて単一楽章となり、ほかのCDでもそうなっている。ところが、今回のハイレゾでの案内では4楽章のように配分されていた。①Adagio、②Vivacissimo Adagio、③Allegro molto moderato---Allegro moderato、④Vivace---Presto---Adagio---Largamente molto---Affettuoso。切れ目なく演奏されていたので、一般の楽章とは違うのだろうが、表記の仕方が普通とは違っていたので不思議に思った。いずれにしても第7番は伝統的な交響曲の楽章分割や、テーマのグループ分けや調の関係に従っていない。形式的には新しい試みを行った曲と思われる。

全7曲に北欧の自然が描かれていて、シベリウスらしい美しい旋律が多く、ヴァイオリンが得意な作曲家らしい面も感じ取れた。デジタル・コンサートホールの会員なので無料配信で聴けたが、珍しい体験をした。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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