PMFウィ-ン演奏会2017

ここ数年【PMFウィーン演奏会】は期間中に同じプログラムで2日間にわたって開催されていたが、今回は「PMFウィーン弦楽四重奏演奏会」と「PMFウィーン演奏会」の2種類のコンサートが用意された。従来は弦楽四重奏曲だけだったので、今回は2重奏も入った演奏会を選んだ。

昨日の午前中はKitaraでのボランティア活動を午前中だけにして、夜のコンサートに備えた。昨年あたりから、午前、午後、夜と続く日程をこなすのが大変になってきたので、無理なスケジュールはできるだけ組まないようにしている。

2017年7月14日(金) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール

〈ARTISTS〉PMFウィ-ン(ウィ-ン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー)
  キュッヒル(violin)、フロシャウアー(violin)、オクセンホーファー(viola),、ノージュ(cello)、ブラーデラー(double bass)(*キュッヒルは前ウィ-ン・フィルのコンサートマスター、オクセンホーファーは前ウィ-ン・フィル奏者。PMFにはキュッヒルが10回目、オクセンホーファーは15回目、フロシャウアーは5回目で近年は連続して参加、ノージュは初参加。ロベルト・ノージュは今年のトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィ-ンでソリストを務めた。

〈PROGRAM〉
 ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 作品76-5「ラルゴ」
 モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジ―ク」
 ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲 ニ長調
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第14番 変イ長調 作品105

ハイドン(1732-1809)は生涯に多くの弦楽四重奏曲を遺した。弦楽四重奏曲のホーボーケン番号は83まであるが、偽作と判明した作品もあってハイドンが書いた弦楽四重奏曲は全68曲とされている。その作品の多さには驚くばかりである。PMFウイーンは毎年のようにハイドンの曲を演奏している。ハイドンの弦楽四重奏曲の中で家で耳にするのは「雲雀」と「皇帝」だけである。
1797年に6曲セットで書かれた彼の最後の弦楽四重奏曲集は作品番号が76。作品76の第3番が「皇帝」。第5番が「ラルゴ」である。エルデーディ伯爵に贈られた作品76は〈エルデーディ四重奏曲〉の通称がある。
第5番は第2楽章がラルゴ・カンタービレで曲の美しさが際立ち「ラルゴ」と呼ばれる。当時の宮廷で華やかに着飾った貴族たちの前で演奏された様子が目に浮かんだ。

モーツァルト(1756-91)の室内楽で最も親しまれて有名な曲が“Eine kleine Nachtmusik”。今回はコントラバスを含む弦楽五重奏曲として演奏された。チェロとコントラバスは同じパートを受け持つので、印象がセレナードというより弦楽四重奏に近い。しかし、コントラバスの響きが曲の魅力を増して、オーケストラ曲と思い違いをするくらいの曲になっている。馴染みのメロディが最初から最後まで続いて心も躍る気分であった。

ロッシーニ(1792-1868)はイタリアのオペラ作曲家として数々のヒット作を遺した。彼のオペラの作品は人気が高い。コンサートでは彼のオペラ作品の「序曲」が演奏される機会が多い。「序曲集」のCDを所有していて、時々聴く。PMF2017ではもうすでに編曲版ではあるが、彼の音楽を聴けた。
ところが、昨日の室内楽作品には驚いた。ロッシーニが32歳の時に書いた作品が、1968年に作品の献呈先で発見されるまで埋もれていたという。しかも、チェロとコントラバスという珍しい低音楽器の組み合わせ。第1楽章アレグロ、第2楽章アンダンテ、第3楽章アレグロの面白い曲で大いに楽しめた。ロッシーニならではの変化のある曲作りで、楽器の弾き方にも技巧が凝らされていて観ていても興味深かった。15分程度の作品。

ドヴォルザーク(1841-1904)は92年にナショナル音楽院院長就任のためアメリカに渡り、滞在中の93年に「新世界交響曲」と「弦楽四重奏曲第12番アメリカ」を書いて喝采を浴びた。95年に「チェロ協奏曲」を置き土産にし、音楽院との契約を破棄してアメリカを去った。プラハに戻って直ぐ書き上げた作品が「弦楽四重奏曲第14番」。
同じ年にもう1曲書いた記録があるが、実質的にこれが最後の弦楽四重奏曲で96年以降は交響詩とオペラ以外には目立った作品は書いていない。故郷に戻って、落ち着いた環境の中で作曲した様子がうかがえるようであった。約35分の曲。

PMF2017の2回のPMF演奏会は毎年チケットが完売で人気の演奏会。2階のバルコニー席も熱心な聴衆で埋まっていた。前半の3曲が終わった時点で、アカデミー生に用意されていた1階後方2列の席は殆ど空いた状態になったようである。勿体ない気がしたが止むを得ない。ただ残念だったのは通路に散らかっていたプログラムの紙。(*午前中のKitaraボランティア活動の際に、アーテイストが使用するエレベーター内がゴミだらけという話を耳にした。掃除担当の人たちからの情報らしい)。後半のスタート直前にスタッフが片付けたらしいが、こんな状況を初めて目にして嫌な感じがした。一部の国の人の行動であるが、音楽だけでなく日本のマナーも学んで欲しいと思った。

後半の曲を鑑賞するのに気持ちを入れ替えるのに少々時間を要した。

全曲が終って拍手の嵐。アカデミー生の大部分が帰っていて、嬌声は無かったが、アンコール曲にハープも加わって「J.シュトラウスⅡ:春の声」(*ハープ奏者はラディスラフ・パップ。Pappはウィーン国立歌劇場のハープ奏者及びウィ-ン・フィル常任ハープ客演ハープ奏者)。1曲で終わりかと思っていたら、2曲目に「観光列車」。この曲も聴いたことのある馴染みの曲で、オープニング・コンサートでも演奏されていたが、その時は曲名が分らなかった。ギャロップで非常にリズム感のある楽しい曲。前回のキュッヒルさんの楽しい仕草が再現された。会場に笑いが広がった。特にステージを下がって出ていく動作に思わず自分も笑いが止まらなかった。とても愉快だった。非常に素晴らしい雰囲気のうちに今年のPMFウィ-ンとPMFベルリンによる演奏会も終わった。

今回は妻と一緒に出掛けたので、帰りのエントランスホールで、妻と知り合いの元Kitaraボランティアの友人2人と会う機会を作った。ひとりは昨日に続いて帰路も地下鉄の札幌駅まで一緒で、コンサートのスケジュールの話で盛り上がった。





 
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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