チェコ・フィル・ストリング・カルテット2017

昨年に続いてのチェコ・フィル弦楽四重奏団のコンサート。
クラシックの名曲をちりばめた珠玉の名曲集コンサート Vol.3

前回のリーダーだったチェコ・フィル・コンサートマスターに代わって、今回はチェコ・フィル・第2アシスタント・コンサートマスターを務めるマグダレーナ・マシュラニョヴァーが第1ヴァイオリンを担当した。他の3人のメンバーは前回と同じ。

出演/ マグダレーナ・マシュラニョヴァー(Vn)、 ミラン・ヴァヴジーネク(Vn)
    ヤン・シモン(Va)、ヨゼフ・シュパチェク(Vc)
〈PROGRAM〉
 モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジ―ク 第1楽章、  バッハ:G線上のアリア、
 バッヘルベル:カノン、 ハイドン:セレナード、  シューマン:トロイメライ、
 レスピーギ:シシリアーナ、  マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ~間奏曲、
 クライスラー:愛の喜び、  チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ、
 ハチャトゥリアン:剣の舞、  シュトラウス2世:美しく青きドナウ、 エルガー:愛の挨拶、
 リスト:ラ・カンパネラ、  サン=サーンス:白鳥、  ショパン:ノクターン第2番、
 モンティ:チャールダーシュ、 ビートルズ:イエスタデイ、 グレン・ミラー:ムーンライト・セレナーデ、
 ピアソラ:リベルタンゴ、  エリントン:A列車で行こう

弦楽四重奏団演奏会はKitaraでは近年、本格的な弦楽四重奏曲を中心にして小ホール(定員453名)が使用されている。チェコ・フィルのメンバーは多種多様な室内楽を組織しているが、チェコ・フィル・ストリング・カルテットは1992年結成以来、クラシック音楽のみならずポピュラー音楽の人気作品までレパートリーに取り込んでいる。初来日は2007年。札幌は2014年初来札後3回目の公演。最初の札幌公演が人気が高くて北海道公演も今回は釧路でも開催される。聴きなれた名曲ばかりで今回も大勢の客で賑わった。

リーダーが女性の第1ヴァイオリニストで、きれいな日本語で挨拶をしながら時折英語で話し、団員も自己紹介しながら和やかにコンサートが進められた。前回のリーダーほど多弁でなかったが、適度な言葉をはさみながら前回同様の進行状況であった。みなさん日本食が好きで、料理名を上げるたびに会場が湧いた。リーダーは“私はお酒が好きです”と言ったが、たぶんビールだと思った。(*チェコは国民一人当たりのビールの消費量は世界一である。)

前回と同じく前半10曲、後半10曲。原曲が弦楽四重奏曲や弦楽合奏曲のもあったが大部分は原曲をストリング・カルテット用に編曲しての曲。人々の耳に親しんだ名曲ばかりで、いちいち曲の言及は避ける。曲にまつわる知らなかったことなどを書き留めて置く。

「3声のカノンとジーグ」のカノンの部分のみが「バッヘルベルのカノン」として有名になった。カノンとは、主題(第1声部)が奏でる旋律を他声部が間隔を置いて正確に模倣する形式のことだと知った。

ハイドンの弦楽四重奏曲第17番第2楽章アンダンテ・カンタービレは「ハイドンのセレナード」として長く親しまれてきたが、後の研究により、同時代のホフシュテッターの作と判明した。

イタリアのシシリア島の舞曲「シシリアーナ」は数多くの作曲家が同名の曲を書いている。レスピーギの曲は知らないと思っていたら、この曲は彼の「リュートのための古風な舞曲とアリア(全4組曲)」の中の第3組曲の第3曲と判明。小澤征爾指揮ボストン響のCDもあってKitaraのコンサートでもかなり以前に聴いたことがあった。

原曲がヴァイオリン曲や管弦楽曲は聴きやすいが、「白鳥」はチェロで聴くことが多くて、この曲ではチェロのパートが目立った。
全体としては主旋律は第1ヴァイオリンが歌うことが多い。そんなことでヴァイオリンの原曲では違和感は全然なかった。
ショパンのノクターンはやはりピアノでないと曲の味わいが半減すると感じた。

最後のポピュラー音楽4曲の中で「イエスタデイ」には陶酔するほどの感銘を受けた。50年前に一世を風靡した音楽が名曲として一層の味わい深い曲として聴けた。クラシック音楽と言っても何の違和感もないと思った。
1965年のアルバム「HELP!}に収録されたポール・マッカートニーがギターとヴォーカルを担当、弦楽四重奏を伴奏に使ったという。
(*他のメンバーは録音に参加。していない。)

アンコール曲は①ロッシーニ:「ウイリアム・テル」序曲、 ②ニーノ・ロータ:ロメオとジュリエット。
2曲で終わりかと思ったら、メンバーがリーダーの肩を抑えて引き留めてもう1曲。これも演出で、マグダレーナは“皆さん、お楽しみいただけましたでしょうか。最後に、皆さんよくご存じの曲を演奏します”と日本語で説明したのも見事。CDの宣伝もしていた。日本語は難しいと言いながらも巧みな日本語を使って日本人の好感度は大であった。
③シュトラウス1世:ラデツキー行進曲。
チェロ奏者が笛を吹き、聴衆の手拍子も入って楽しい雰囲気のうちに終了。帰りのホワイエではサイン会に並ぶ人たちも結構いた。

8時半ごろに演奏会が終わったので、3ヶ月ぶりに名曲 mini Bar OLD CLASSICに立ち寄った。前回はライヴで内田光子のモーツァルト協奏曲を聴いて、Barではコンセルトへボウでの内田光子のベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聴いて不思議な気分を味わった。今回も同じようなことを経験した。マスターがチェコ・フィルの「ドヴォルザーク:交響曲第4番と第3番」をかけてくれたのである。数日前のクラシカ・ジャパンの映像で場所は由緒あるドヴォルザーク・ホール。CDはあるが1回耳にした程度である。聴いて観るとなかなか良い。演奏しているメンバーの中に今日のリーダーを務めたマグダレーナ・マシュラニョヴァーの顔を数度テレビが映し出すので嬉しくなった。チェロ奏者の中にモヒカンの人を見つけてビックリ。若いメンバーの姿も多く目についた。
指揮者ピエロフラーヴェクは90年チェコ・フィル首席指揮者に就任したが2年後に辞任、93年にはプラハ・フィルを創設してKitara にもプラハ響やプラハ・フィルを率いて3度登場している。数年前にチェコ・フィルのシェフに就任して今や世界の巨匠としてメジャー・オーケストラを指揮している。10年以上も経過していて、見たことのある指揮者だと思ったがすぐには気づかなかった。チェコ・フィルを率いて札幌公演を実現してもらいたいものである。愛弟子のヤクブ・フルシャを育て上げたが、来日ではドヴォルジャークは定番の曲でなく若い番号の交響曲を披露してもらえると嬉しい。







 
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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