Kitaraのニューイヤー2017(広上淳一&三浦文彰)

2012~15年まで4年連続して〈Kitaraのクリスマス〉に登場していたマエストロ広上が、今年は新年を祝う〈Kitaraのニューイヤー〉のステージに登場。十年ほど前までは世界を舞台に欧米で大活躍していたマエストロが本拠地を日本に移した。08年から京都市交響楽団の常任指揮者に就任して同響のレヴェルを飛躍的に押し上げた。国内では日本フィル正指揮者(1991-2000)を務め、札響との共演も増え2012年からは毎年途切れることなく来演が続いている。京都市響ではミュージック・アドヴァイザーも兼任。東京音楽大学指揮科教授も務めながら後進の指導に意欲的に取り組んでいる。私の好きなタイプの指揮者である。パーヴォ・ヤルヴィとともに指揮者を目指す若者の指導に当たっている様子をテレビで見て一層頼もしく感じている。

昨年のNHK大河ドラマのメイン・テーマの演奏で一層人気を高めた三浦文彰は昨年5月のリサイタルに続いてのKitaraのステージ。6歳で師事した日本ヴァイオリン界の大御所、徳永ニ男が三浦の成長に刺激を受けて現役を続けているというから、三浦の実力は計り知れないものがあるのだろう。三浦は今回が3回目のKitaraのステージ。

2017年1月14日(土) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
  
指揮/ 広上 淳一     ヴァイオリン/ 三浦 文彰
管弦楽/ 札幌交響楽団

〈Program〉
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
 クライスラー:中国の太鼓(ヴァイオリン独奏/三浦文彰)
 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ( 〃 )
 服部隆之:大河ドラマ「真田丸」メイン・テーマ( 〃 )
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「楽しめ人生を」 作品340
 ヨーゼフ:シュトラウス:ポルカ・マズルカ「燃える恋」 作品129
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ヴェルディの歌劇「仮面舞踏会」によるカドリーユ 作品272
 チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より “ワルツ”
 リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲より “ワルツ”
 ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314

陽気で浮き立つ雰囲気のモーツァルトの序曲で始まったコンサート前半は2016年NHK大河ドラマでクラシック・ファン以外の人々の関心も惹きつけた若き俊英ヴァイオリニスト三浦文彰のステージ。
ヴァイオリンの名手であったクライスラーは「愛の喜び」や「愛の悲しみ」などが最も有名だが、「中国の太鼓」は歯切れの良いリズムで異国情緒に溢れる旋律で知られる。サンフランシスコのチャイナタウンで耳にした旋律をもとに書いたとされる作品。
パガニーニと並び称される名バイオリニスト、サラサーテのために書かれた「序奏とロンド・カプリチオーソ」はスペイン情緒が漂うヴァイオリンと管弦楽のための名曲。
「真田丸」メイン・テーマの演奏前に指揮者が三浦にインタヴュー。広上も大河ドラマのメインテーマでN響を指揮した際に視聴者から“毎週、大変でしたね。”と言われたことを前提に、放送のために何回演奏したかを尋ねていた。(勿論、返答は“1回”)。
興味深い質問は作曲家の注文は何? “美しくとか上手とかでなく、土臭く”というようなドラマでの戦の雰囲気が滲むような演奏を依頼されたらしい。ヴァイオリン独奏で始まるメイン・テーマの音楽は近年の大河ドラマのテーマ曲でも最も印象に残る曲。オーケストラに尺八が加わったのも非常に良かった。

例年にない大雪で最低気温がマイナス10度以下が3日も続く札幌。1ヶ月前には今日のコンサートのチケットは完売だったようで、空席は殆ど見当たらない満席状態。巧みな演出と熱演で会場の雰囲気も盛り上がった。ソリストのアンコールはパガニーニの曲。

5・6年前からKitara New Year Concertにおける後半のプログラムは「ワルツ」や「ポルカ」など新年を祝う軽くて楽しい曲で構成されるようになった。7・8年ぐらい前には重たい曲で客の入りが5割程度の時もあって寂しい感じさえしたが、最近は客の入りも上々である。ウィーン・フィルが正月に演奏する曲目がいくつか並んだ。オペラやバレエ音楽からワルツの曲も演奏された。二人のシュトラウスのワルツの選曲が興味を引いた。R.シュトラウスの《ばらの騎士》は全曲を聴いたことがない。METライブビューイングで観たいと思っているがまだ実現していない。本日の「ワルツ」を聴いて実際のオペラへの関心が募った。
後半の6曲中、馴染みのある曲は《「眠りの森の美女」よりワルツ》と「美しく青きドナウ」だけ。聴いたことの無さそうな曲がいくつか入っている方が興味が湧く。6曲の小品からなる「劇場カドリーユ」も面白かった。久しぶりで耳にするチャイコフスキーのワルツも豪華絢爛でオーケストラ曲として満喫。
恒例の締めの曲「美しき青きドナウ」の後に、広上が“今年も良い年でありますように!”と話して、アンコール曲に恒例の「ラデッキー行進曲」。指揮者・オーケストラ・聴衆が一体となってフィナーレを飾った。
 
今回は2階CB席の中央に席を取った。大ホールに入って隣の席に座る上品な御婦人に気づいてビックリ。Kitaraボランティアとして活動して毎月のように会って親しく話をする機会の多い方。私のブログも毎回読んでくださっているようで恐縮している。長いブログを読むのは音楽に相当の関心がないと難しいと思うのだが、彼女は辛抱強く読み続けているという。ブログを書き始めて4年半ほどになるが、私自身はそろそろ止めようかと思っている。
コンサートが始まる20分ほど前に座席についたので、指揮者やヴァイオリニストの話題を中心にして話が弾んだ。いつも一人で来て静かに聴いて帰ることが多いので、今日はいつもと違う楽しみ方ができて良かった。Kitaraボランティアを含めて友人にホールやホワイエで会う機会は多々ある。小ホールで友人と偶然に席が隣り合わせになったことはあるが、2008席の大ホールで偶然に席が隣り合う確率は極めて低い。人口195万人の街での出来事である。



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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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