川村拓也・佐野峻司(北大医学部学生)ヴァイオリン&ピアノ デュオリサイタル

今回のコンサートを聴いてみようと思った切っ掛けは「川村拓也」の名である。Kitaraで手にするコンサ-トのチラシで目にする名であった。PMF2016のアカデミー生の名簿で北海道大学に学ぶ学生の名があって珍しい経歴のアカデミー・メンバーに注目していた。同じ人物と判明した。ピアニストの名は彼の中学・高校時代から聞いていて、その後の進路は知らなかった。現在、二人とも北大医学部学生と知って、医師と演奏家を目指す頼もしい存在が市内にいることを知って好奇心が沸いた。このチケットを購入して佐野峻司の北大定期演奏会出演を知り、去る5日の北大定期演奏会をも久しぶりで聴くことになったのである。(*チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番の演奏は演奏家を目指すにふさわしい堂々たる輝かしものであった。)

2016年11月25日(金) 午後7時開演  札幌コンサートホールKitara 小ホール

〈Program〉
 フォーレ:子守歌 ニ長調 作品16
 イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調 作品27-3「バラード」
 ショーソン:詩曲 作品25
 グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 作品45
 スカルラッティ:ソナタ K.427、L.286
 リスト:パガニーニによる超絶技巧練習集より 第3曲「ラ・カンパネラ」
 ショパン:舟歌 嬰ヘ短調 作品60
  R.シュトラウス:ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 作品18

前半4曲、後半4曲のプログラム。予定のプログラムに追加されたフォーレとスカルラッティは小品。

イザイはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルテイータを範として6つの曲を書いた。15年ぐらい前に加藤知子のCDを買い求めて数回は耳にしていた。「第3番」は単一楽章の短いソナタ。ラプソディックで現代的な曲。演奏会では久しぶりぶりで聴いた。川村は高度な技巧が要求される曲をプロ並の演奏で弾いた。
ショーソンの「詩曲」はオリジナルはオーケストラとヴァイオリン曲。ハイフェッツの演奏で聴き親しんだ。最近のコンサートではピアノ伴奏での演奏で何度か耳にする。
グリーグが書いた3曲のヴァイオリン・ソナタの中で「第3番」が最も魅力的でロマンティックな曲。北欧の自然と民族的な雰囲気が漂う作品。ピアノとヴァイオリンの持つ魅力が対等に表現された曲として美しいメロディに心が惹かれる。

二人ともに3・4歳より楽器を弾き始め本格的な音楽家としての経験を積んでいる。川村はHBCジュニアオーケストラのコンマスを務め、その後は札幌フィルハーモニー管弦楽団に所属して11年にはコンマスに就任。札フィルはここ数年は毎年のように聴いているのでステージ姿は見ていることになる。ソリストとして札響とも共演し、リサイタルやコンチェルトなどでの活躍も多い。学業との両立が難しくなる時期だが、本日の演奏ではプロ級の演奏の力量を示した。

後半のイントロとなったスカルラッティはバッハ、ヘンデルと同じ年生まれのイタリアの作曲家。彼のソナタは単一楽章の小曲。555曲の作品があるので曲の区別がつかない。この曲は1分程度の曲だったがとても力強い演奏。
リストとショパンの曲は言及の必要のないほど人々に親しまれている名曲。それぞれ素晴らし演奏で心を揺さぶられた。佐野峻司はプロとして通用する実力あるピアニストと言える。彼のピアニズムにはぞっこん惚れ込んでファンになった。
学業が疎かにできない時期を迎えて公演は減るかもしれないが、リサイタルを是非聴いてみたいピアニスト。

R.シュトラウス唯一のヴァイオリン・ソナタは14年、大谷康子のKitara初登場のステージで聴いて凄く印象に残ったヴァイオリン曲。R.シュトラウスの作品はこの20年くらいで交響詩を中心に多く聴くようになった。彼は交響詩やオペラなどの壮大な作曲家として知られる。彼のヴァイオリン協奏曲のCDを持っていたが、そこにヴァイオリンソナタがカップリングされていることに長い間気付いていなかった。15年前に手に入れたサラ・チャン&サヴァリッシュのCDだった。どちらかというと、最初はR.シュトラウスは苦手な方だったが、大谷の演奏を聴いて意外と親しみやすい曲だと思い直したのである。その時にも自分が以前聴いたことがあるとは想像もしなかった。
今回のプログラムを見て、ふとCDの棚で見つけたヴァイオリン曲を見つけて約15年ぶりに聴いてみた。

若々しい溌剌としたエネルギーに満ち溢れる曲がピアノの主導的な展開で始まった。ヴァイオリンとピアノが対等な掛け合いを見せるはずだったがピアノの音量がかなり高くヴァイオリンの響きがところどころかすんで聴こえた。
プログラム前半の川村は絶好調だったが、後半は二人の音のバランスが取れていないように感じた。

札幌で活躍中の異色の音楽家のコンサートとあって若い人を中心に幅広い年齢層の客が詰め掛けて9割以上の客席を埋めた。3楽章からなるソナタの知識がなくて、2曲ともに第1楽章の終りで拍手をする人が多かったのは止むを得ないところか、、、

アンコール曲は「ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」。

演奏終了時間が大ホールと小ホールが同じ時間になって、帰路につく公園内が混み合った。中島公園駅に留まった電車内も混んでいていつもと違う様子。何事かと思っていて気付かなかったが、帰宅してテレビで羽生結弦の姿を見て判った。フィギュアスケートのグランプリシリーズ最終戦NHK杯が開催された真駒内から帰宅途中の人々だった。
 



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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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