内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラⅡ(モーツァルト&武満)

〈Kitaraワールドオーケストラシリーズ〉 大崎電機工業 創業100周年記念スペシャル
Mitsuko Uchida with Mahler Chamber Orchestra Japan Tour

今回のTouring Members of the Mahler Chamber Orchestraは総勢35名(弦25、管9.ティンパニ1)。コンサートマスターはイタマール・ゾルマン(Itamar Zorman).。オーボエ奏者の一人が日本人女性・吉井瑞穂(Mizuho Yoshii-Smith)。

2016年10月30日(日) 17:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

〈Program〉
 モーツァルト:ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K459
 武満 徹:弦楽のためのレクイエム
 モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466

「第19番」はCDを所有していないので一昨日のコンサート会場で販売していたディスクを買い求めた。今日のコンサートの前に聴いてみた。モーツァルト(1756-91)は予約演奏会の活動が頂点に達した1984年には6曲のピアノ協奏曲を書いた。その年の最後の曲が「第19番」。多分コンサートでは初めて耳にする曲だと思う。
第1楽章は行進曲の軍楽リズムで始まりピアノ独奏が絡んで、カデンツァが入る。内田が奏でると曲の魅力が増すから不思議である。第2楽章の活発なアレグレット、第3楽章にもモーツァルト自作のカデンツァが入るがロンド形式のフィナーレ。
 
武満徹(1930-96)は57年に東京交響楽団から委嘱されて「弦楽のためのレクイエム」を書いた。“レクイエム”と言っても追悼ミサで演奏される宗教音楽ではないという。作曲者によると、55年に早世した早坂文雄を思いつつ書いたそうである。“レクイエム”をメディテーションとしてもよかったと綴っている。瞑想という言葉を耳に入れながらこの曲を聴くと違う鑑賞の仕方が出来るように思った。

前半の曲が終ってブラヴォーの声も上がり、拍手大喝采。一昨日とほぼ同じ5割程度の客の入りだったが、P席やRA、LA席が7割ほど埋まってアリーナ型の客席の特徴が生かされていた感じがした。

モーツァルトは1785年、ハイドンに6曲の弦楽四重奏曲を献呈。この年に父・レオポルトがウィーンに来た。「フィガロの結婚」を作曲し、後期の大作となるピアノ協奏曲6曲を書き上げた年でもある。
「第20番」はモーツァルトのピアノ協奏曲では珍しい短調で書かれた作品で、短調の作品は他に「第24番」があるだけである。後期の8大ピアノ協奏曲の作品である《第20番ニ短調K466》は初演で大きな成功を収めた。レオポルトの手紙によると、臨席していた皇帝は“ブラヴォー・モーツァルト!”と叫び、ハイドンは“あなたの息子は私の知っている作曲家の中で最も偉大な方です”と絶賛したと言われる。この曲はベートーヴェンやブラームスも好んで弾いたという。モーツァルトのピアノ協奏曲の中で最もポピュラーで親しまれている協奏曲の一つ。
第1楽章は不安が突き上げてくるような暗い第1主題で始まり、ピアノ・ソロが新しい主題を緊迫感のあるカデンツァで綴り、晴れやかな第2主題が提示される。第2楽章はロマンス、優しく美しい主題が短調となり、暗く激しいピアノ独奏があり、木管楽器が色彩感に富んだ旋律で彩る。第3楽章はニ短調で独奏ピアノが暗くて雄弁な主題を奏でオーケストラも緊張感に満ちた音楽で激しいフィナーレへと向かうドラマティックな展開、最後はニ長調のコーダで堂々たる終結。

聴き慣れたメロディが入る曲に対する聴衆の反応はやはり違う。ブラヴォーの声があちこちで湧き上がった。内田の弾き振りの魅力が存分に発揮された。オーケストラの楽員と一緒に音楽を作っている様子が伝わった。お互いに音を聴き合って作り上げている様子が分る。

内田はクリーヴランド管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとしてモーツアルトの協奏曲をシリーズで弾き振りしてアルバムをリリースしている。2010年にはKitaraのステージでクリ―ヴランド管を弾き振りして「ピアノ協奏曲第20番&第27番」を弾き振りした。P席のど真ん中から鑑賞して満喫したが、その時とは違う感動を味えた。同じ曲でもオーケストラが違ったりすると当然だが、様々な状況の下で違う鑑賞の仕方が出来るのは興味深い。

以前にアシュケナージとバレンボイムの弾き振りを観たことがあるが、内田の指揮ぶりの方がより表情が豊かな印象を受けた。休みなく体を動かしてオーケストラの楽員と呼吸を合わせて音楽を作っている様子は感動的である。今回は彼女の鍵盤上の指の動きを見ようとRA席に座って前回とは違う鑑賞の仕方をしてみた。弾き振りを存分に楽しめて良かった。

アンコールに弾かれた曲は聴き慣れた旋律を持つ曲だった。曲名がいつもの掲示板に表示されていなかった。後日ホームページでお知らせしますと書かれていた。
前日のアンコール曲をKitaraのホームページで確認すると《シューマン:「謝肉祭」 作品9より 第17曲「告白」》となっていた。仲道郁代とキーシンのCDがあって数回は耳にしているのだが全然分らなかった。1分余りの曲を聴いてみて“この曲だ”と分った。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR