札幌フィル第55回定期演奏会(ヴェルデイ&レスピーギ)

アマチュア・オーケストラの演奏会に出かける機会は少ないがオーケストラのメンバーとして活躍しているKitaraボランテイアの友人から案内を受けて鑑賞する機会がある。今回は会場がKitaraでなくて情報も手元になかった。4・6・8日とKitaraでのコンサートの予定が入っていてスケジュールが詰まっていた。札幌フィルハーモニー管弦楽団は創立45周年記念演奏会として秋のプログラムがVerdi&Respighi.。
友人から案内があってプログラムに惹かれた。札響第300回定期演奏会が1989年3月に札幌市民会館で開催された。「ローマの松」の演奏で客席横の階段通路から聴こえてきたトランペットの響きは当時は驚きをもって耳にした。この非常に独特な場面をローマの三部作がコンサートの演目になる度に思い出す。このことを妻に話したら彼女もその演奏会を聴いたと言う。私は会員で席は違ったと思うが、一緒に出掛けたのだろう。会場は札幌市民ホールに変わったが場所はほぼ同じ地で、思い出の曲を一緒に聴くことにして急遽チケットを購入した。

2016年10月9日(日) 14:00開演  わくわくホリデ―ホール(札幌市民ホール)

指揮/ 松元 宏康(Hiroyasu Matsumoto)
近年は毎年1回聴いている札幌フィルハーモニー管弦楽団は今年は創立45周年記念の年で55回目の定期演奏会。41歳の指揮者、松元は現在、琉球フィルハーモニック正指揮者。幅広い指揮活動を行い年間コンサート出演は70公演以上。初めての札フィルの指揮を担当して、演奏前にプレトークで演目の紹介を行った。イタリアの作曲家の曲をリラックスして聴いてほしいと話した。
〈Program〉
 ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
        歌劇「アイーダ」より “凱旋行進曲”
 レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
         交響詩「ローマの松」

前半は「運命の力」と「ローマの噴水」、後半」が「凱旋行進曲」と「ローマの松」。札フィル・メンバーの曲目紹介を引用すると、〈愛する人の父と兄を殺してしまった残酷な“運命”と、ほんの一瞬ではあったが愛する人に再び会えた赤い糸のような“運命”。そんな2つの運命が込められた「運命の力」序曲〉。若々しさと力強さが感じられたオーケストラの音。

レスピーギ(1879-1936)は留学したロシアでリムスキー=コルサコフの指導を受け色彩感豊かな管弦楽曲を作曲した。「ローマの噴水」は〈ローマ3部作〉の第1作。1916年に書かれた第1作は最も印象主義の色彩が強い。4つの楽章は続けて演奏される。
第1楽章“夜明けのジュリアの谷の噴水”、第2楽章“朝のトリトンの噴水”、第3楽章“昼のトレドの噴水”、第4楽章“たそがれのメディチ荘の噴水”。ローマの夜明けの霧の中を羊が通り過ぎてゆく牧歌的な風景、朝の太陽の光に照らされたまばゆい噴水、ローマで最も有名な観光地トレヴィの噴水からの幻想、夕暮れの郷愁のひととき。
夜明け、朝、昼、黄昏の4つの時間帯でローマの名所4か所の噴水や周辺の情景が描かれる交響詩。鐘の響きや小鳥のさえずり、樹々のざわめきなどがいろいろな楽器で表現される巧みな情景描写に心が動いた。静かに音が消えていく瞬間を巧みに統率する指揮者の姿を聴衆が最後まで冷静に見守っていたのも素晴らしいと思った。

後半は勇ましい「凱旋行進曲」で始まった。歌劇「アイーダ」は2001年にプラハ国立歌劇場による札幌公演を、2013年にはMETライブ・ビューィングを観た。古代エジプトを舞台にした壮麗なオペラ「アイーダ」を2年後に完成する《札幌文化芸術劇場》のこけら落とし公演として観れると思うとワクワクする気持ちが高まる。札フィルメンバー約70名に加えて25名ほどの客演者を得ての今回のコンサート。金管楽器奏者の活躍もあって迫力ある大音響の演奏となった。

「ローマの松」は1923年に3部作の第2作として書かれ、3曲中では最も芸術的とされている。この曲も切れ間なく続けて演奏される。第1楽章“ボルゲーゼ荘の松”、第2楽章“カタコンブ付近の松”、第3楽章“ジャニコロの松”、第4楽章“アッピア街道の松”。第1楽章は17世紀にボルゲーゼ公が作った名園で遊ぶ子供たちの姿が甲高い楽器で演奏されて2分強の短い時間で終った。第2楽章は古代ローマの地下墓場から聞こえてくる幻想。舞台裏からも音が聞こえてきた。第3楽章はピアノに導かれてオーケストラが満月に照らされたジャニコロの丘の松の情景を描く。弦、木管、ハープ、チェレスタが南国の夜を彩る。金管の演奏がないのは後で気づいた。第4楽章はこの曲のメインともいえる楽章。霧深い夜に古代ローマ軍が有名なアッピア街道を進軍していく様子が描かれる。朝を告げる信号ラッパとなる注目のバンダは3階に用意されていた。間に合わせのホールなので演奏効果が充分に出ないのが残念だった。壁が障害となって3階からの音が鮮明でなかった。ステージ上のトランペットとバンダが鳴らすファンファーレでフィナーレへ。

アンコール曲は「マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。

若さ溢れるエネルギッシュな指揮ぶりで熱演であった松元宏康の2度目の登場も近いかもしれない。出演者一覧には現役の札響メンバーの名もあった。横井慎吾さんは1989年の札響第300回定期でも演奏していた。他のアマチュアのオーケストラにも参加して活動を続けていることを素晴らしく思う。音楽が好きでオーケストラで頑張って音楽愛好者に楽しみを与えている人たちに感謝したい。




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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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