バロック音楽の諸相〈カンタータと協奏曲 オーボエ・金子亜未を迎えて〉

前札響オーボエ首席奏者、金子亜未がKitaraのステージに帰ってくる事を知って《バロック・コレギウム・サッポロ》が主催するコンサートを聴いてみることにした。
金子亜末(Ami Kaneko)は2012年7月~2016年3月まで札幌交響楽団首席オーボエ奏者を務め札響のレヴェルアップに貢献。現在は新日本フィルハーモニー交響楽団首席オーボエ奏者。札響演奏活動以外に札幌市内の他のコンサート会場でも積極的な活動を展開。「モーツァルト:オーボエ四重奏曲、オーボエ協奏曲」を聴く機会もあった。最も印象に残っているのが〈井関楽器のスタインウェイスタジオ〉でのミニ・コンサートで、リサイタルとして個人的なエピソードも聞けて楽しかった。
2012年第10回国際オーボエコンクール軽井沢で第2位を獲得し、第11回の日本人女性奏者優勝にも繋がる活躍で日本の音楽界にも刺激を与えたと思う。現在の札響オーボエ首席も女性である。

2016年10月6日(木) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール

指揮・ヴァイオリン独奏/ 長岡 聡季(Satoki Nagaoka)
オーボエ独奏/ 金子 亜末
独唱/ 芳野 直美、岩村 悠子、斎藤 詩音、粟野 伶惟
合唱・合奏/ バロック・コレギウム・サッポロ

〈プログラム〉
 J.S.バッハ:カンタータ第39番「飢えたる者に汝のパンを分け与えよ」BWV39
        ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ニ短調 BWV1060R
 J.マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調
 J.S.バッハ:カンタータ第140番「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」BWV140 

バッハ(1685-1750)は1723年にライプツィヒの聖トマス教会音楽監督を亡くなるまで務めた。福音書の内容に応じたカンタータが作曲されて教会で上演された。第39番は①コラール②レチタティ-ヴォ(バス)③アリア(アルト)④アリア(バス)⑤アリア(ソプラノ)⑥レチタティ-ヴォ(アルト)⑦コラール。
指揮を務めた長岡聡季は東京藝術大学、同大学院修士課程を経て室内楽科博士後期課程修了。横浜シンフォニエッタの理事およびコンサートマスターを務め、2015年韓国公演にも参加。昨年から北海道にも拠点も持って幅広く活動している。現在、北海道教育大学岩見沢校特任准教授。
長年に亘る合唱指揮者の経験がうかがえるオーケストラ(約20名)と合唱(約20名)を纏め上げる大きな指揮ぶりが目立った。

通奏低音が伴奏となる独唱陣の声は充分にホールに響き渡っていた。チェンバロの響きがバロック音楽の特徴を一層引き立てていた。

ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲は3楽章構成。初めて耳にする曲かと思っていたら、第1楽章から聴き慣れたメロディが流れて心地よかった。10分程度の曲はバッハの魅力あふれる曲として楽しめた。バッハの曲を通してオーボエが木管楽器として一番古い楽器であることを再認識した。

マルチェッロ(1669-1747)はあまり親しみのない名だが、バッハと同時代のイタリア・ヴェネツィアの作曲家。金子亜未のプログラム・ノートによると多くのヴェネツィアの作曲家によるオーボエの名曲が残されているそうである。この曲はマルチェッロの代表的な作品だが、バッハが多くのイタリアの作曲家の曲を編曲したうちの1曲でチェンバロ協奏曲BWV974として知られている。第2楽章が映画「ヴェニスの愛」で挿入されて有名になったそうである。
管楽器は弦楽器に比して長い演奏は難しいようである。今回のバロック音楽の協奏曲はそれぞれ10分程度で短かった。

カンタータはそれぞれ30分程度の曲で「第140番」も7曲構成。①コラール②レチタティーヴォ(テノール)③二重唱アリア(ソプラノ/バス)④コラール(テノール)⑤レチタティーヴォ(バス)⑥二重唱アリア(ソプラノ/バス)⑦コラール。第1曲でソプラノによるコラール旋律が歌われた。第3・6曲ではアルトが歌っていたようだった。花嫁と花婿の二重唱が入る「愛」に溢れたカンタータ。

アンコール曲は「バッハ:コラールBWV147」。美しい旋律が有名でオルガン用にも編曲されて聴く機会が多い。歌詞を違えて“心と口と行ないと生命もて”と“主よ、人の喜びよ”がある。

カンタータを好んで聴くことはないが久しぶりに長い曲を聴いた。今日は金子ファン、バロック音楽愛好者や道教育大の学生・関係者も集まったのか小ホールは満席に近い客の入りで盛況であった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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