札響第593回定期演奏会~ポンマー渾身のレ―ガ―とモーツアルト~

《札響創立55周年 荒谷正雄メモリアルコンサート》
〈レ―ガ―没後100年記念プログラム〉

Max Reger(1873-1916)の名はベルリン・フィルのソロ・クラリネット奏者、カール・ライスターのCDを通して知った。カラヤン時代にベルリン・フィルで活躍したライスターの演奏活動50周年記念に5枚組で発売された記念CDボックスの中に「レ―ガ―:クラリネット五重奏曲 作品146」が収録されていた。レ―ガ―は43年の生涯の間に非常に多くの作品を書き残した。彼はオペラを除いて、あらゆる種類の音楽を手掛けた。それらの作品でピアニストとして加わり、指揮活動も行った。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどの伝統的なドイツ音楽を引き継ぐ作曲活動を行い、1907年にはライプツィヒ大学の音楽監督と音楽院の作曲科教授に就任。後輩のポンマーがレ―ガ―の作品に光を当てようとして今回のプログラミングを行なったと推測される。

昨日、今日と2日間Kitaraでダイレクト・メールの発送作業活動に携わった。2日続けての活動は久しぶりであった。海外での仕事が多かった人の話が聞けたり、一昨日の遠藤郁子のリサイタルを聴いた人と感想を話し合ったりして良い交流が出来た。今日は午前中だけのボランティア活動のあと、いったん帰宅せずにKitaraテラスレストランでランチと食べて、午後のコンサートに備えた。

2016年9月17日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
 
指揮/マックス・ポンマー(Max Pommer)  オルガン/室住素子(Motoko Murozumi)
独唱/秦 茂子(Shigeko Hata, soprano)、 竹本節子(Setsuko Takemoto, mezzosoprano)
    清水 徹太郎 (Tetsutaro Shimizu, tenor)、 三原 剛(Tsuyoshi Mihara, baritone)
合唱/ 札響合唱団(Sapporo Symphony Chorus) 合唱指揮/長内 勲(Isao Osanai)

〈Program〉
 レ―ガ―:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ op.132
序奏とパッサカリア ニ短調  *オルガン独奏曲
 モーツァルト:レクイエム ニ短調 (ジュスマイヤー版)

コンサートでレ―ガ―の作品を最近聴いた記憶は無い。1年に1度あるかないかだが、今日は偶々開演30分前のロビーコンサートを最初から最後まで聴いた。「レ―ガ―:セレナーデ 作品141aより第1・3楽章」。モーツァルトとドビュッシーの色合いが何となく感じられる作品が正式の演目の前に聴けて良かった。
「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」は1914年に完成された作品。主題が奏でられた途端に親しみを感じた。モーツァルトのピアノ・ソナタK.331の第1楽章の有名な主題と8つの変奏曲と自由なフーガから成る作品。簡素な楽器編成だが伝統的なドイツ音楽を継承して新しい音楽作りを目指した曲作りが解った気がした。札響初演。

レ―ガ―のオルガン作品はバッハの作品などとともにドイツの教会では盛んに演奏されているという。室住素子は室蘭出身のオルガ二ストとして世界的に評価されているオルガにスト。2008年エリシュカ指揮大阪フィル、2009年アルミンク指揮新日本フィルと共演。2010年小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラのカーネギーホール公演に出演。
Kitaraには専属オルガニストがいることもあって日本人オルガ二ストの活躍を見る場面が極めて少ない。バッハの作品のような重厚で壮麗な響きで違和感なく聴けた。
10分程度の曲とはいえオルガン独奏曲はP席を空席にした方が良かったのではないかと思った。

モーツァルトの「レクイエム」はレ―ガ―を高く評価するポンマーにとってレ―ガ―に対する追悼曲の意味もあるように思った。レクイエムと言っても“安らかな眠りを祈る”ための曲ではない。10年ほど前に手に入れた時に1回耳にしただけの「モーツァルト:レクイエム」を一昨日聴いてみた。合唱の力強さに驚いた。歌っている人たちは気分が良いだろうなと思うほどの合唱の素晴らしさだった。(バイヤー版によるネヴィル・マリナー指揮アカデミー&コーラス・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのCD)。レクイエムは個人的にはあまり好みの曲ではないが面白さを味わった。

モーツァルトは死の前日までレクイエムの作曲を続けたが作品は未完に終った。補筆完成の仕事はモーツァルトの弟子ジュスマイヤー(1766-1803)が行った。作品は8曲構成。第1曲は全部モーツァルトの作曲、第2~4曲の一部がモーツァルトの真筆で他は補筆。
第1曲と第8曲にソプラノ独唱、第3・4・6曲に4重唱が入るが、第1~8曲の最初から最後まで合唱が加わる。プロ歌手の歌声も見事だったが約90名の迫力ある合唱が素晴らしかった。35名ほどのオーケストラ奏者の約3倍の人数を要しての合唱が圧倒的であった。約50分もかかる大曲をラテン語で歌い続けるのは大変だったであろうが合唱団は充実感を味わったのではないだろうか。 
最後の審判、つまり神の怒りの日における神の裁きは死者の身の上に起こる他人事ではなく、死者の追悼を行なう者自身の身に降りかかるかも知れない。悲しみに身を置くだけの曲ではない感じを受けた。

ポンマーは演奏終了後にソリストたち、合唱指導者と合唱団やオーケストラへの称賛を惜しまない姿も印象に残った。同時にミサ曲は普通のオーケストラ曲とは違った感激を聴衆に与える印象も持った。

本日のプログラムのしめくくりに無伴奏合唱で《レ―ガ―8つの宗教的歌曲op.138より 第3曲「夜の歌」》が歌われた。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR