第15回「札響くらぶサロン」(オーボエ/ミニコンサート)

サロンのミニコンサートは2015年1月の第9回から始まった。第10回のミニコンサートは札響ホルン副首席奏者の山田圭祐さん(現札響ホルン首席)をゲストに迎えて同年5月に開催された。“角笛”から“狩りのホルン”を経て“ヴァルブ・ホルン”へと進化してきた図入りの資料と解りやすい話が印象に残っている。演奏曲は「ベートーヴェン:ホルンとピアノのためのソナタ」、「シューマン:ホルンとピアノのためのアダージョとアレグロ」。その後、彼の活躍ぶりをKitaraのコンサートで観て頼もしく思っている。演奏を近くで聴いて演奏者を身近に感じられるのはミニコンサートの醍醐味である。

第11回から第14回までは体調などの理由で残念ながら参加できなかった。第15回のサロンが会場を「豊平館」にして開催されて1年ぶりに参加した。

011 (300x225) 修復工事前の豊平館(HOHEIKAN)

国指定重要文化財《豊平館》は明治天皇の北海道行幸に際して北海道開拓使が1880年(明治13年)建築した洋風ホテルである。所在地は北1条西1丁目。明治14年8月30日開館。明治43年に宮内省が札幌区に貸下げ。明治44年の皇太子殿下、大正11年の摂政宮殿下の行啓の宿泊所となった。1958年(昭和33年)同地に札幌市民会館建設のため、現在地の中島公園に移築。1964年、国の重要文化財に指定された。2012年より4年の歳月をかけて耐震化工事が行なわれ、2016年6月末新装開館。

7月中旬にKitaraボランティア活動の帰りに新装なった館内を見て回り修理の様子などを収めたビデオ鑑賞を含めて2時間ほどの時間を過ごした。豪華な雰囲気が漂う静かな館内は結婚式などで以前入館した時や食事会で使用した時とは違う文化財の素晴らしさを味わえた。7月28日には〈PMF豊平館コンサート〉の会場として100名限定の無料コンサートの開催で人気を集めた。

札響くらぶのミニコンサートは札幌市教育文化会館4階の会場を借りて行なわれていたが、会場確保が難しくて今回は「豊平館」が会場となった。リニューワル工事も終わって訪れてみたいと思った人も多かったようで毎回40名程度の参加者が倍増したようであった。サロンには札響くらぶ会員だけでなく、その家族・友人・知人も参加できることになっている。

第15回札響くらぶサロンは9月11日(日)午後5時半開始。この日はKitaraで堤剛チェロ・リサイタルが開催され終了時間が5時半になってしまいコンサート終了後直ちに同じ公園内の会場に駆け付けた。少々遅れて到着したが2階の広間はもう大勢の人が集まっていて担当者がプログラムの内容を説明していた。
 
第1部は[札響定期演奏会プレトーク]、第2部は[ミニコンサート] 、第3部は[交流パーティ ]。
 
サロンのナビゲーターは毎回おなじみの日本作曲家協議会会員の八木幸三さん。11月定期演奏会の『ワーグナー:ニーべルングの指環』を中心に1時間ほどのトーク。4部作の楽劇《ラインの黄金》、《ワルキューレ》、《ジークフリート》、《神々の黄昏》を順に追って画面に準備した人物像を示しながら大まかなストーリーを彼特有のユーモアをまじえながら話してくれた。4部作のオペラの上演は15時間にも及ぶもので各作品の上演に3時間以上もかかる楽劇は断片的にしか理解していない。そういう点では極めて解りやすい説明で概要が分った。トークの合間に「ワルキューレの騎行」、や「ジ―クフリートの葬送行進曲」などの音楽もかけられたが残念なことに音響が良くなかった。この会場ではある程度予想されたことで今回のプログラムでは大きな影響はなかったと言えよう。
八木先生の話は毎回笑いを誘う場面が多くて今回は特に面白い話の展開で興味深く思った人が多いようであった。

ミニコンサートのソリストは札響オーボエ首席奏者の関美矢子さん。東京藝術大学卒業。ローマ・サンタチェチーリア国立オーケストラ管楽器コースで研鑽を積み、桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。神奈川フィル契約団員を経て、2016年4月より現職。
 
演奏前にオーボエの楽器演奏に欠かせないリード作りについて詳しい説明がなされた。リードの材料となる葦はドイツ・フランス・トルコなどから輸入して奏者自身が自分に合ったリードを何十本も作り上げているとされる。
演奏曲は「バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 BWV1055より第1楽章」、「シューマン:3つのロマンス Op.94」、「バッハ:G線上のアリア」、「メンデルスゾーン:歌の翼に」、「サン=サーンス:ソナタ Op.166より第2・3楽章」。最初の2曲の後にピアノ伴奏者(池田茜さん)が「ショパン:幻想即興曲」の親しまれたメロディを華やかに演奏。
アンコール曲に吹かれた「サン=サーンス:白鳥」の音色が会場を優しく包んだ。

絨毯が敷かれた広間で耳にする心地よい音楽もまた特別であった。ミニコンサートの終了後の交流会ではワイン、ビールを飲みながら同じテーブルに居合わせたKitaraボランティア数人と親しく音楽の話に花が咲いた。ゲストの演奏家二人も各テーブルを回って言葉を交わす場面もあって良かったと思う。音楽を好きな人たちが交流の場を広げる貴重な機会ともなった。

サロン担当の方々のお世話に日頃から感謝している。次回も豊平館が会場で12月18日開催の予定になっている。



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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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