ブラジルのスラム街から生まれたオーケストラ

ブラジルのRio de Janeiroで行われたオリンピックも無事終わった。史上最多のメダルを獲得した日本選手団の健闘を称えたい。感動的な場面が幾つかあったが最も印象に残ったのが陸上男子400Mリレーの銀メダル獲得。ジャマイカと優勝を争うとは予想もしていなかった。(レース終了後にウサイン・ボルトが日本の4選手に握手を求めた姿も印象的であった。) 素晴らしかったリレーのVTRは何度見ても見飽きない。体操男子個人総合で内村選手が最後の鉄棒で見せた完璧な演技も強烈な印象を残した。

リオ五輪を前にリオ・デ・ジャネイロの貧民街ファべーラの様子をテレビ映像を通して知った。今大会初のブラジルの金メダリストはファべーラで育った柔道女子選手であった。恵まれない環境の中でスポーツや音楽で逞しく育っている人々がいるのは見事である。

昨日は久しぶりに音楽映画を鑑賞。ブラジル最大の都市サン・パウロの貧民街から生まれたオーケストラの物語を描いた映画の上映が数日前から始まっていた。2015年制作のブラジル映画で英語のタイトルは“The Violin Teacher”.。日本語のタイトルは「ストリート・オーケストラ」。
物語の舞台はサン・パウロ最大のスラム街エリオポリス。NGOが支援するスラム街の子供たちのヴァイオリン教師として赴任した男の物語。彼は厳しい教育環境にもめげずに音楽を通して未来を切り拓くことを子供たちに辛抱強く教えた。ひとりのヴァイオリストの情熱的な活動によって子供たちが音楽演奏に生きがいを見出して自分たちのオーケストラ“エリオポリス交響楽団”を設立した。サッカーやサンバで熱いブラジルのイメージが浮かびがちだが、この映画はクラシック音楽でブラジルを動かした感動の実話に基づくストーリーである。

※音楽によって青少年を貧困や犯罪から救う“エル・システマ”の活動が南米ベネズエラから発信されて世界に知れ渡った。グスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)はシモン・ボリバル・ユース・オーケストラを率いて来日公演を行ったのも記憶に新しい。彼は2010年からロスアンゼルス・フィルの音楽監督を務め、ベルリン・フィルとも度々共演している。ほかにエル・システマ出身者として世界的に活躍している演奏家もいる。

※Rio de Janeiroの地名が日本では通常リオデジャネイロと綴られている。ポルトガル語の綴りからはリオ・デ・ジャネイロとなるのだろうが、慣習的に区切りをつけない。少し長めの地名なのでリオデジャ・ネイロと区切って発音しがちになる。自分も長年にわたって、そのように発音してきた。2年前にイグアスの滝を訪れた時に綴りに気付いた。60年以上も綴りを意識していなかった。ラテン系の言語を考えたら当然の“de”。思い込んでいると想像力も働かない。新しいことに気づいて新鮮な感じを覚えた瞬間であった。(*都市名はポルトガル語で「1月の川」、つまり英語で“The River of January”を意味する。ポルトガル人が約500年前の1月に発見した川に因んで命名され、後に町の名に転用されたと言う。) 1960年までブラジルの首都であったリオデジャネイロで9月からパラリンピックが始まる。また、テレビ中継に夢中になりそうである。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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