PMFオーケストラ演奏会(アクセルロッド指揮ブラームス第4番&PMFコンダクティング・アカデミー)

《PMFオーケストラ〈プログラムB〉》

先週ジョン・アクセルロッド指揮による〈プログラムA〉の演奏は聴いたので、〈プログラムB〉では彼が指導したコンダクティング・アカデミー・メンバーによる指揮ぶりを観てみたい思った。
PMFチケット購入を依頼された友人2人と一緒に鑑賞する最後の演奏会になったので、Kitaraテラスレストランでランチを共にした。その後、コンサートに臨んだ。

2016年7月31日(日) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

Artists/ John Axelrod, PMFコンダクティクティング・アカデミー[Miguel Calderon Dominguez(Spain), Mayana Ishizaki(Japan), Alexander Prior(UK)], PMF AMERICA, PMF Orchestra

〈Program〉
 メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 作品27(指揮/ミデル・カルロス・ドミンゲス)
 ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 作品72b(指揮/石崎真弥奈)
 ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原曲版)(指揮・アレクサンダー・プライア―)
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98(指揮・ジョン・アクセルロッド)

メンデルスゾーン(1809-47)は30-32年にかけてイタリア、スイス、フランス、イギリスなどを旅行した。彼は変化に富んだ地域の自然を描いた作品も幾つか書いている。演奏会用序曲として書かれた「フィンガルの洞窟」とともに演奏会の曲目になることが度々ある「序曲」。前半部分の“静かな海の状景”と後半の“楽しい航海の様子”が対照的に描かれていた。
コンダクティング・アカデミーには世界23ヶ国・地域から73人の応募がありオーデションで3名が選抜された。スペインのドミンゲスは緊張した様子だがメリハリのある溌剌とした指揮ぶりだった。

ベートーヴェン(1770-1827)はオペラ作品を一つしか書いていないが、その歌劇「フィデリオ」のために4つの序曲を書いている。そのなかで「レオノーレ第3番」は一番演奏機会の多い作品だったと思う。演奏時間が12・3分かかる為か最近の演奏会では取り上げられてこなかったように思う。今回久しぶりにスケールの大きい勇壮な音楽が聴けた。
レオノーレという女性が男装してフィデリオと名前を変え、捕らわれの身になっている夫・フロレスタンを救い出す物語。レオノーレの夫への深い愛と勇敢な行為が描かれ、曲の後半に大臣の到着を告げるトランペットのファンファーレが舞台裏から響き渡る場面は印象的だった。プレストのコーダで終るフィナーレが壮大だった。
男性2人と比べて小柄に見える日本女性の堂々としてメリハリの効いた指揮ぶりが目立った。

ムソルグスキー(1839-81)の「はげ山の一夜」は彼の有名な管弦楽曲。彼の死後、リムスキー=コルサコフが編曲した曲で知られていたという。原曲は10分程度の作品だったが初めて耳にして少し長めに感じた。コルサコフ版より荒々しく、夏至の夜に跋扈する闇の精霊たちの様子が描かれているような気はした。
190センチぐらいの背が高くて頑丈な体躯のスコットランドの若者の指揮ぶりも迫力があった。演奏終了後にアカデミー生による演奏をまとめる姿もユーモアがあって好感が持てた。

ブラームス(1833-97)は第1交響曲の作曲に時間を要して完成が遅くなったが、その後に書き上げた交響曲も含めて全て素晴らしい交響曲として後世に輝く傑作となっている。1885年に完成された「交響曲第4番」は彼の最後の交響曲となった。 「第4番 」の作品は芸術的な力強さでは比類ない作品と言われる。古典的形式美を残しつつも続く世代のロマン派の傾向を盛り込んで新しい流れの方向性をも示した高度な作品と評価されている。
PMF教授陣13人がこの曲での各パートを牽引して演奏を盛り上げた。特にソロ・パートの演奏を含む重厚感は抜きんでていた。1週間程度の練習では特効薬は現れないと思うが、この期間はアカデミー生にとってかけがえのない時間であったことも間違いない。PMF修了生としての今後の一層の努力が望まれる。教授陣からだけでなくアカデミー生同士で今後の成長が図られる要素がふんだんにある。彼らひとりひとりの今後の成長と発展を祈りたい。

アクセルロッドのアカデミー生への指導の熱意を支えているのは師バーンスタインであることを改めて確認した。アンコール曲は誰にも良く知られている「ブラームス:ハンガリー舞曲第5番」。楽しい雰囲気の裡にコンサートが終った。

プロの音楽家と違う若者のための音楽祭を毎年のように楽しめて嬉しい。1990年から楽しみ続けているPMFがまた来年以降も楽しめますように!(*ピクニックコンサートに参加できるかどうか現在の時点で不明なのでまとめの記事にした。)
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR