PMFオーケストラ演奏会(ジョン・アクセルロッド指揮、ドビュッシー「海」、マーラー第4番)

《PMFオーケストラ演奏会〈プログラムA〉》

PMF2016アカデミーの応募者総数はは58ヶ国・地域から1056人で、選抜されたアカデミー生は27ヶ国・地域から97人だそうである。PMFオーケストラ・アカデミー・メンバーは90人。
首席指揮者はジョン・アクセルロッド(John Axelrod)は1988年ハーバード大学卒業。指揮をバーンスタインに学ぶ。ルツェルン交響楽団・歌劇場の音楽監督兼首席指揮者、フランス国立ロワール管弦楽団音楽監督を歴任。現在、スペイン王立セヴィリア交響楽団音楽監督、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団首席客演指揮者。これまでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、パリ管、ロンドン・フィル、ロサンゼルス・フィル、フィラデルフィア管、シカゴ管、N響など世界各地の数多のオーケストラに共演。PMFには初めての参加。

2016年7月24日(日) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
 
出演/ ジョン・アクセルロッド(指揮)、今野沙知恵(ソプラノ)、PMFヨーロッパ、PMFオーケストラ

〈Program〉
 ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
 ドビュッシー:交響詩「海」
 マーラー:交響曲第4番 ト長調

ワーグナー(1813-83)自身が北欧伝説を基に台本を書いたオペラ。幽霊船のオランダ人船長が純愛を誓った少女の犠牲によって永遠の救済を得た物語。「序曲」はドラマティックな展開で起伏に富んだストーリーが描かれる。極めてダイナミックで力強い演奏が展開された。

ドビュッシー(182-1918)が1905年に書き上げた作品。初版譜の表紙に葛飾北斎の“富岳三十六景”の浮世絵を使ったことで知られる。自己所有のCDのカバーにも描かれている。ドビュッシーはピアノ曲を多く残していて、管弦楽曲は比較的少ない。印象派の絵画を写したかのような色彩感と幻想的な雰囲気を持つ作品。久しぶりに聴いて曲の素晴らしさを味わった。12年前のベルリン・フィルの札幌公演で聴いた「海」を思い浮かべた。
3つの交響的スケッチ。第1曲は「海の夜明けから真昼まで」、第2曲は「波の戯れ」、第3曲は「風と海との対話」。タイトルだけで状景が浮かび上がる。
ピアノ曲で通常聴くドビュッシーとは違って大胆な曲調。ドラマティックで起伏に富んだ曲となって彼のオーケストレーションは凄いと思った。

オーケストラはヴァイオリンとチェロの対抗配置。3管編成。木管12、金管13、打楽器 6、ハープ2の編成は迫力があった。友人と一緒にオーケストラのサウンドを楽しむために2階CB2列の正面の座席からダイナミックな演奏を堪能できた。座席を取ってあげた友人から何度も感謝の言葉をもらった。
ドラマティックな演奏でステージ上のオーケストラ・メンバーの動きが全体的に見渡せる絶好の席。各奏者の活躍ぶりが充分に見て取れた。経験豊富なアクセルロッドの指揮ぶりでオーケストラも若いエネルギーを出して全力で曲を作り上げている感じがして安定感もあった。

マーラー(1860-1911)は死の影が漂う曲が多くて彼の曲の良さは充分に理解できていない。数年前に比べると鑑賞力が高まってきているように思う。最近は「第4番」が非常に聴きやすいと感じている。2ヶ前の札響定期でも聴いたばかりだが、快活で爽やかな旋律を通して明るい前向きな曲として気軽に楽しめる曲になっている。
4楽章構成でマーラーの作品としては小規模な楽器編成。第4楽章で“天国の暮らし”を歌うソプラノ独唱が入る。
ソプラノ独唱は今野沙知恵(Sachie Konno)は桐朋学園大学に学び、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院に留学。2014年、新国立劇場オペラ研修所修了後にドイツ・ニュルンベルクで研鑽を積んだ。PMFには2回目の参加。

最終楽章はソプラノとオーケストラの歌曲という性格を持つ楽章で“天井の楽しい生活”を歌う今野の美しい歌声がホールに響き渡った。
マーラー「第4番」の演奏にはPMFヨーロッパの教授陣が出演して、PMFオーケストラの演奏に一層厚みが加わったように思った。

例年ひとりでコンサートを聴いているが今日はプログラムに合わせて座席を選び友人と一緒に鑑賞できて自分でも非常に満足した。Kitaraはどの席でも良い音楽を楽しめるが、この2・3年はオーケストラや曲目などによっていろいろ座席を変えている。鑑賞中も同じだったが、終了後の満足感が何とも言えない。コンサートで度々顔を合わす友人からの繰り返しの感謝の言葉に“鑑賞の仕方”も画一ではないと感じた。


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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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