PMFベルリン演奏会

2016年7月22日(金) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara 小ホール

出演/ PMFベルリン(Members of the Berliner Philharmoniker)
アンドレアス・ブラウ(flute)、ジョナサン・ケリー(oboe)、アレクサンダー・バーダー(clarinet)、フォルカー・テスマン(bassoon)、サラ・ウィルス(horn)、タマーシュ・ヴェレンツェイ(trumpet)、シュテファン・シュルツ(trombone)
*ブラウは前ベルリン・フィル首席奏者、テスマンはベルリン音楽大学教授。ケリーとテスマンはPMFには初めての参加。

    佐久間晃子(PMFピアニスト)

〈Program〉
 モーツァルト(シェーファー編):歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」によるハルモニ―ムジ―クから 6曲 〔木管五重奏版〕
 テレマン(ギュンター編):協奏曲 ヘ短調 TWV51:f1 [トランペットとトロンボーン〕
 ベートーヴェン(レヒトマン編):弦楽五重奏曲 変ホ長調 作品4 〔木管五重奏版〕
 ヒルドガード(マルバッド編):コンチェルト・ボレアリス〔バス・トロンボーンとピアノ〕
 リスト(ドクシツェル編):コンソレーション 第3番 〔トロンボーンとピアノ〕
 ドビュッシー(リンケルマン編):「子供の領分」から 3曲 〔木管五重奏版〕
 ピアソラ(シェーファー編):「タンゴの歴史」から 2曲 〔木管五重奏版〕 

モーツァルトの歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」は「フィガロの結婚」と並んで彼の喜劇的ブッファの代表作。オペラは他愛もないストーリーが多いが、“女はみんなこうしたもの”の意味のこの歌劇も荒唐無稽な物語。演奏会形式も含めて今までに2・3度オペラ上演を観る機会もあった。「序曲」はCDで度々聴いている。編曲ものとはいえ耳慣れたメロディで心地よく聴けた。

ベートーヴェンの弦楽五重奏曲は2・3曲書かれているようだが聴いたことはない。弦楽曲が管楽器で演奏されると曲の印象がかなり変わる。フルートが第1ヴァイオリン、チェロのパートは何かな?と想像を巡らせながら聴いた。
演奏終了後に“ブラヴィー”の声が上がった。“ブラヴォー”の声も聞こえたが、力強い“ブラヴィー”の掛け声が数度続いた。多分イタリア人だろうと思った。PMFの演奏会で数年前に初めて耳にした言葉、“ブラヴィー(Bravi)”。男女混合の複数のアーティスト対象に使われる。プログラムで確認するとイタリア出身のファゴット奏者と思われた。(*イタリアでは男性に“Bravo”、女性に“Brava”) 

会場にはPMFアカデミー・メンバーの姿も見えた。休憩時間中のホワイエでPMFウィーン教授陣3人がコーヒーを飲みながら談笑している姿も目にした。国際音楽祭の雰囲気が漂う会場に何となく心も躍る。

トロンボーン奏者のシュルツは2006年以降5回目のPMF参加。4楽章から成る20分ほどのトロンボーンの大曲を熱演。小ホールに鳴り響くトロンボーンの豪快な演奏を久しぶりに耳に出来て良かった。

トランペット奏者のヴェレンツェイは2006年以降9回目のPMF参加でベルリン・フィル奏者として一番参加回数が多くて顔なじみの教授。彼の選んだ曲はリストの有名なピアノ曲。“慰め”の意を持つ「コンソレ―ション」6曲中の「第3番」。原曲はショパンのノクターンに似た雰囲気がしたが、トランペットでは曲調が違ったが吹き続けるのは難曲と思われた。5分程度の曲をいつもとは違った鑑賞で楽しめた。(*Kitaraのボランテイアで彼の追っかけをしている女性がいる。)

木管奏者による最後の2つのプログラム。
ドビュッシーの6曲のピアノ組曲から3曲。彼の娘に捧げられた小品集から編曲された曲が楽しい。3曲中でゴリウォーグの人形がケークウォークで躍る姿が5つの楽器で表現され生き生きとした音楽となっていた。聴き慣れたメロディでも人形が楽しく踊っている様子が想像できて非常に面白かった。
ピアソラの1900年と1960年作のタンゴなのだろう。南米のタンゴの調べが会場の雰囲気を高揚させて再び“ブラヴィー”の声があがって盛大な拍手。
演奏終了後にホルン奏者のサラ・ウィリスが日本語で丁寧な挨拶。彼女はPMFには14年から3回目の参加だが、明るい性格で毎回リーダーとして振る舞い元気溌剌とした様子で周囲を楽しませている。
アカデミー・メンバー(パーカッション2名)を加えてのアンコール曲は「アブレウ:ティコ・ティコ」。3名がサングラスをつけての演奏でサービス満点。サラはエンタテイナーの要素を備えたアーティストと言えよう。

※オーボエ奏者Jonathan KellyはPMF初登場ではあるが、オーケストラメンバーとしてKitaraのステージには何度か登場している。2002年9月バーミンガム市響、2004年11月ベルリン・フィルのメンバー、2016年2月ベルリン・バロック・ゾリステンと共演。彼のような偉大な演奏家がソリストとして来札している時は忘れるはずもないが、楽団員としてKitaraのステージに上がっている音楽家は意外と他にも多くいるように思った。



 
 
 
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR