第554回 札幌交響楽団定期演奏会

2011web05_img02.jpg
 
 念願のポリーニとルプーの演奏会から帰ってすぐ翌日に札響定期演奏会を聴きに出かけた。疲労感があったので音楽鑑賞の心構えが充分であったとは言えない。

 プログラムの前半はベートーヴェンの≪ピアノ協奏曲第5番「皇帝」≫
 ピアニストのジョン・リルは1970年のチャイコフスキー国際音楽コンクールのピアノ部門で当時ソ連のウラディーミル・クライネフと1位を分け合った。ソ連(ロシア)寄りの審査傾向が強かったり、スポンサー企業国を優遇したりといった審査への不満が絶えず、2007年から審査が公開されるなど審査方法に改善の気配が見える。(音楽之友社編 ピアノ・アンド・ピアニスト2008による記事から引用。)1958年の第1回のコンクールの優勝者がアメリカ人のヴァン・クライバーンであったことは逆に世界的に話題を集めた。実際にソ連(ロシア)以外のピアニストが単独で1位になったのは珍しく2002年の日本の上原彩子は快挙と言えた。

 ジョン・リルは19歳の63年にロンドン・デビューを「皇帝」で果たしたというから、記念の演奏になったことは間違いない。50年も経て彼自身も感慨深いものがあったであろう。絢爛豪華な演奏とはいっても、若さで突き抜ける演奏と違ってより深みのある男性的な重厚な響きを奏でたのではないだろうか。彼の得意とするロシアものであるラフマニノフかプロコフィエフのピアノ協奏曲を聴いてみたかった。だが、いつもの定期演奏会より客席が埋まっていたのは選曲のせいかも知れない。

 後半のオーケストラ曲は尾高が得意とするエルガーの「交響曲第1番」。気品のある旋律で英国の風土に根差した詩情豊かな表情が出ていた。他の指揮者では演目に上がらない曲なので、それなりに楽しめた。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR