PMF2016 オープニング・コンサート

札幌の夏を彩るクラシックの祭典PMF(Pacific Music Festival)が始まった。今年で第27回目のフェスティバルになるが昨年から恒例のセレモニーが無くなって正味2時間の中身のあるコンサート。

会場の札幌芸術の森には地下鉄とバスを利用して出かけた。シャトルバスの中で思いがけないことがあった。バスに乗って立っていた時にかなり離れた席に座っていた外国人と思われる女性が合図してきて“どうぞ”と言って席を譲ってくれた。しばらくして日本語と英語で“話しかけてもよろしいですか?”と声を掛けた。オーストリアのヴァイオリニストだった。ウィ-ン・フィルのキュッヒル、シュトイデ、フロシャウアーさんらの名を上げたら、フロシャウアーさんは彼女の友人だという。1990年からPMFを楽しんでいると話すと、“バーンスタインを見たことあるの?”と確認して羨ましそうだった。今回の来札は3度目になるという。音楽の話しで10分ほどの時間がアッという間に過ぎた。Annaさんは日本語も解るようだったので下車するときに日本語で再度お礼の言葉を述べて別れた。

コンサートの前に気持ちが明るくなる出会いがあって良かった。ピクニックコンサートでは時には寝転んで気軽に聞ける芝生席を好んでいる。オープニングコンサートでは雨の心配もあって招待席の椅子席で鑑賞するのが常である。出演者がまじかに見えて違う鑑賞の仕方が出来る。

2016年7月16日(土) 13:00開演  札幌芸術の森 野外ステージ

出演/ ウィーン・フィル弦楽器奏者4名、ベルリン・フィル木管楽器奏者5名、
    原田慶太楼(指揮)、PMFオーケストラ、新井田有希子(司会)
〈Program〉
 ハイドン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 作品77-2「雲がゆくまで待とう」
 モーツァルト(シェーファー編):歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」によるハルモニームジ―クから 〔木管五重奏版〕
 ドビュッシー(リンケルマン編):「子どもの領分」から 〔木管五重奏版〕
 ピアソラ(シェーファー編):「タンゴの歴史」から 〔木管五重奏版〕
 バーンスタイン:「キャンディード」序曲
 ドビュッシー:交響詩「海」から第2楽章 「波の戯れ」
 ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
 ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

PMFヨーロッパとPMFオーケストラメンバーによるファンファーレで華やかに開幕。司会者がPMF教授陣をステージで紹介した後、直ちにコンサートが始まった。

ハイドンの弦楽四重奏曲は《PMFウィーン弦楽四重奏演奏会》の曲目からの1曲。タイトルも興味深く野外で空を見ながら鑑賞できて面白かった。演奏後にコントラバス奏者が加わってアンコール曲として「チャイコフスキー:ワルツ」が演奏され心が躍るような雰囲気に包まれた。 

《PMFベルリン演奏会」のプログラムから3人の作曲家の作品の木管五重奏版。歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」は「序曲」を含め馴染みのメロディの5曲。ピアノ組曲「子供の領分」の木管五重奏版はとても面白かった。特に「ゴリウォーグのケークウォ―ク」は印象が強烈で原曲よりも面白いと思った。2月のKitara公演を聴き逃していたオーボエのジョナサン・ケリーに注目した。ホルンのサラ・ウィリスは相変わらず楽しい雰囲気を振りまいて皆をまとめている。

オーケストラの演奏前にトイレタイムを取って、司会者が指揮者にインタヴュー。原田慶太楼(Keitaro Harada)は2011年PMFコンダクティング・アカデミーに参加。その後、研鑽を積み2015年シンシナチ響のアソシエイト・コンダクターに就任。アメリカを拠点にして活動を続け、11年にはオペラ・デビュー。14年には新日本フィルに客演。
大植英次、佐渡裕などPMFに携わって世界的に活躍している指揮者がいるが、現在の日本の若手指揮者として活躍中の川瀬賢太郎は07-09年PMFでアシスタント・コンダクターを務めた。

《PMFオーケストラ演奏会〈プログラムA〉》の演奏曲を含め4曲が演奏された。原田は勢いのある勇ましい音楽が得意らしく、身体全体を大きく使って若手らしい表情豊かなダイナミックな指揮ぶり。バーンスタインへの想いがこもった指揮ぶりにオーケストラも応えて現代名曲の演奏に新鮮味があった。序曲は2曲ともドラマティックで壮大な音楽で開幕を飾るに相応しい迫力のあるコンサートを締めくくった。

曇り空を吹き飛ばすような力強い演奏に芸術の森を埋めた数千名の聴衆からブラヴォーの声が湧き上がって空に広がった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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