ラドゥ・ルプー ピアノ・リサイタル

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 ラドゥ・ルプーの日本ツアーが2010年10月に予定されていたが、体調が悪くて京都での公演を行っただけで残りの公演をすべてキャンセルして帰国を余儀なくされた。
当時の朝日新聞の記事によれば、彼は3台のピアノを所有し調律師が選んだピアノで外国での公演を行なっている。ギャラの半分は経費で消えてしまうそうだから、2年前は苦渋の決断であったことは確かである。世界中を自分のピアノを運んで演奏するピアニストは過去にミケランジェリがおり、現在ではツィメルマンが有名である。

 2012年のルプーの来日公演は6回行われる。彼の日本公演の記録によると、今回が10回目の公演となる。
 ラドゥ・ルプーは1966年ヴァン・クライヴァ―ン国際コンクールで優勝(09年辻井伸行が優勝して日本で有名になったコンクール)、1967年エネスコ国際コンクール、1969年リーズ国際コンクールの3つのコンクールで優勝。ベルリン・フィルやウィーン・フィルをはじめ世界の主要なオーケストラと共演を重ねた。73年と76年の2回連続で札幌公演があって、2010年久しぶりの札幌公演が企画されていたことになる。

 彼は録音嫌いでレコーデイングを余りしないので、CD録音は少ない。画像は《Radu Lupu plays Schubert》のタイトルで4枚組で発売された輸入盤である。

 11月8日 東京オペラシティ コンサートホールで待望のルプーのコンサートが行われた。オール・シューベルト・プログラム。前半は「16のドイツ舞曲 D783」「即興曲集D935」より4曲」。歌心に満ち溢れた曲ばかりで瞬く間にシューベルトの世界に引き込まれた。後半はシューベルト最後のソナタとなった「ピアノ・ソナタ第21番」。この曲では繊細さだけではなく、いろいろな想いが表現されている。

 シューベルトと言えば「冬の旅」「美しき水車小屋の娘」などの歌曲が有名で、これまではシュライヤーの歌声をKitaraで聴いたりしてたが、お気に入りの作曲家というわけではなかった。最近はCDやコンサートでシューベルトを聴く機会が増え、ルプーのCDは集中的に聴いていた。そんなせいもあって今回耳にする音は聴き慣れた親しみのある調べでより魅力的であった。

 今回オペラシティのホールは満席状態で演奏家と聴衆の息もぴったりで、神経質と言われるルプーの温かい人間性も伝わってきて感動的なコンサートになった。

 アンコールに「ピアノ・ソナタ第19番より第2楽章」が終ると会場から感動の溜息。もう1曲「楽興の時 第1番」。アンコールに15分近くかけるサービスに聴衆も大喜び。一昨年のキャンセルがあったことでの心遣いかなと勝手に推測した。聴衆は皆満足の様子で会場を後にしたが、私にとって今年のベスト・コンサートになった。

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11月の初旬からクリスマスの飾り付けがオペラシティに繋がる空間に展示されていたので、クリスマス・ツリーの中に入って写真に納まった。
 

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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