札響名曲シリーズ2016-2017 Vol.2 ウィ-ン (フォルクハルト・シュトィデ)

〈森の響フレンドコンサート〉
 ウィ-ン 華麗なるヴァイオリンと運命

2016年6月18日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを2000年から務めているフォルクハルト・シュトイデ(Volkhard Steude)が札幌交響楽団と共演するコンサート。今シーズン第2回の都市シリーズはウィーン。今回は指揮者なしでシュトイデがコンサートマスターとソリストを兼ねる。
シュトイデはトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンのコンサート・マスターとして毎年春に来日公演を行なっている日本でも顔なじみのヴァイオリニスト。ドイツ・ライプツィヒ出身であるが、ウィーンに移住して本場ウィーンの音楽を発信し続けている音楽家。

〈Program〉
 モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 《アイネ・クライネ・ナハト・ムジ―ク》 K.525
          ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
 ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」

《アイネ・クライネ・ナハト・ムジ―ク》はモーツァルトの作品中で最も有名で親しまれている曲のひとつ。彼が31歳の時の作品。タイトルは「小夜曲」の意味。「セレナード」はモーツァルトの時代では舞曲を含む多楽章の小編成の器楽曲。この曲のオリジナルは5楽章だったが、第2楽章が消失して全4楽章となっている。弦楽合奏。
聴き慣れた明るい軽快な調べが続く心地よい音楽が大ホールを和やかな雰囲気に包んだ。コンサートマスターがオーケストラ・メンバーの後にステージに登場するオーケストラもある。これはウィーン・フィルのキュッヒルさんは好まないスタイルらしい。今日はシュトイデが先頭になってステージに登場して着席。直ぐ演奏が始まった。そのせいか1曲目の終了後、彼だけが聴衆の拍手に応えて礼をして退場。楽員との呼吸が合っていない場面だったが、これは単なる拍手への対応だけの問題。(*札響コンマスの対応が適当でなかったようである。シュトイデも楽員は目に入らなかったようだった。これだけのヴェテラン演奏家も緊張していた表れだと思った。) 演奏の出来とは無関係の話である。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲5曲は全て彼が19歳の時に書かれた。彼はピアノの名手として知られているが、ヴァイオリンもかなりの腕前であったようである。当時、彼はザルツブルク大司教の下で“コンツェルト・マイスター”に任命されていて自ら演奏するための曲作りであったのではないかという説も伝わっている。
全5曲中、「第5番」が演奏機会が最も多くて親しまれている。コンサートで「第3番」を聴いた記憶は無い。オイストラフ、藤川真弓、ムローヴァのCDを聴いていて「第3・4・5番」のメロディには一応親しんでいる。生演奏で管楽器がフルート、オーボエ、ホルン各2、クラリネットやファゴットが無いのに気づいた。
優雅さと伸び伸びとした明るさを湛えた曲が特徴で、この曲の第1・3楽章は聴き馴染んだメロディ。第3楽章でのフランス風と言われる民謡調のガヴォットが印象的。ピッツィカートの弦楽器群の演奏も興味をひいた。
シュトイデのソロでのヴァイオリンの音色は魅力的で弾き振りも巧みにこなしていた。

「運命」は先週のオルフェウス室内管の余韻が良い意味で残っていた。オーケストラの規模も違って、今回は60名ほどのメンバーによる演奏。先週と同じような場所から、ステージ中央に位置したティンパ二奏者の演奏を注視した。(*前回、ステージ上手に位置したティンパ二奏者の姿が視界に入らなかった。) 第1楽章から第4楽章までの動きが見えてその活躍ぶりが楽しめた。時折、コンマスが低音弦楽器奏者に出す指示の様子も見れて、室内管でのコンマスの動きと違う弾き振りに似た仕事ぶりが伝わった。
2週続けて耳にした「運命」はやはり偉大な曲であった。
シュトイデは今年4月に広島交響楽団のミュージック・パートナーの称号を授与されて同響と「運命」を録音したという。彼にとって思い入れの強い曲なのだろうと思う。今日のコンサート前までは「運命」の選曲の意味がピンと来なかったが理由はそれなりに判った。

2日間にわたる定期演奏会と違って1回だけの名曲シリーズ。プログラムも聴きやすい曲だったのか、大ホールは9割5分以上の客入りの満席に近い状況で盛り上がった。
アンコール曲は「モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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