オルガン・サマー ナイト・コンサート

タイトルは “Organ Summer Night Concert” となっていても北海道は春の時期。ネーミングはピンとこないが2月のウインター・コンサートは聴き逃したので、夕方ワン・コインで楽しめるオルガン・コンサートを聴いてみることにして先週チケットを買った。ウォルトハウゼンが昨年9月Kitara専属オルガニストに就任して開いたデビュー・リサイタルを聴いて以来である。5月末から1日おきにKitaraに通っていることになる。

2016年6月4日(土) 18:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

出演/ ジョン・ウォルトハウゼン(第17代札幌コンサートホールKitara専属オルガニスト)

〈Program〉
 ヴィエルヌ:幻想的小品集より “月の光” 作品53-5
 ラフマニノフ(ヴィエルヌ編曲):前奏曲 嬰ハ短調 作品3-2
 ポーレ:ラウス
 デュリュフレ:オルガン組曲 作品5

ヴィエルヌ(1870-1937)というフランスの作曲家の名は10年ぐらい前に知った。2007年4月から2008年3月まで《世界オルガン名曲シリーズ10人のオルガニスト》という画期的なコンサートがオルガン音楽に親しむ切っ掛けになった。歴代10人のオルガニストによるリサイタルは全て聴いた。コンサートを通してバッハ以外に初めて聞く名の作曲家が多かった。ヴィエルヌの「幻想的小品集」より何曲か演奏されることもあった。

2007年4月からKitaraボランティア活動を始めた。同年9月から第10代~第12代まで3人の専属オルガニストに日本語を教える活動も加わってオルガン鑑賞の機会が増えた。彼らがそれぞれ作ったCDには「ヴィエルヌ:幻想的小品集」の一部が収録されている。その後のオルガン・コンサートでこの曲目の演奏があるような時には予め耳にしている。
「幻想的小品集」は各6曲から成る6巻全24曲。彼らのCDには作品53は5曲が入っている。第5曲「月の光」はべート―ヴェンとドビュッシーの曲を連想させる。月の光はロマンティックで夢見心地に誘われるような曲。ウォルトハウゼンが今日のコンサートに寄せたメッセージからも選曲の意図がうかがえた。作品53で他は4分程度の小品だが、この第5曲は約10分。

ヴィエルヌはオルガン奏者としても世界各地でコンサートを開催した。彼は同年代のラフマニノフの有名なピアノ曲として知られる前奏曲「鐘」をオルガン曲に編曲した。原曲の素晴らしさがオルガン曲で表現された。

ポーレ(1962- )は現代作曲家で彼の作品は世界各地で演奏されているというが、初めて耳にした現代音楽はリズムが不安定であり曲の理解が難しかった。
 
デュリュフレ(1902-86)のオルガン組曲は「前奏曲」、「シシリエンヌ」、「トッカータ」の3曲から成る。シチリア島の民族舞踊から生まれた“シシリエンヌ” という古い舞曲形式の曲はピアノ曲やヴァイオリン曲として聴くことが多い。(*シシリエンヌはフランス語で“シチリア―ノ”、“シチリアーナ”というイタリア語で呼ばれることもある。) 第11代の専属オルガ二ストが収録したCDにこの曲が入っていてコンサートの前に久しぶりに聴いてみた。
第1曲、第2曲の落ち着いた優しい雰囲気の曲の後に力強い伝統的な形式の「トッカータ」が続いた。前2曲とは対照的な荒々しい迫力あるフィナーレの曲。デリュフレはオルガン奏者・作曲家として名高いが、このオルガン組曲はとても聴きごたえがあった。

開演が午後6時に始まる正味45分間のコンサートは今日では珍しいが、結果的に人々が集まりやすいコンサートになったようである。〈10人のオルガ二スト〉でチケットが完売になった時も2・3回あったが、オルガン・コンサートで1500名程度の客が集まるのは度々あることではない。今日は両親と子供の親子連れの姿も目立った。45分程度は子供も飽きずに鑑賞できる適当な時間で父親も土曜午後6時の開演時間は都合が良いのだろうと思った。

今回のコンサートは個人的には過去のオルガ二ストたちとの出会いを思い出す機会にもなって良かった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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