映画《「ロイヤル・コンセルトへボウ」 オーケストラがやってくる》

コンサート鑑賞に次いで映画鑑賞は回数が多い。1月は6回、2・3月は体調が良くなくて0回。4月はアカデミー賞受賞作の映画を4本観た。5月に入ってこれまでにボランテイア活動もKitaraで2日間、時計台で既に5日間行えるほど体力も回復した。コンサート鑑賞も今月は9回の予定である。映画も既に3本観ていて、今月のスケジュールは詰まっているが、音楽映画の上映に気づいて予定外の映画鑑賞が増えた。今日は音楽映画が上映されることが度々あるシアターキノに出かけた。

2013年、ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団は創立125周年を記念して世界一周ワールドツアーを実施した。2014年、オランダが制作したRoyal Conncertgebouw Orchestra AMSTERDAM 初の公式記録映画。英語のタイトルは“AROUND THE WORLD IN 50 CONCERTS”。
ウィ-ン・フィル、ベルリン・フィルと並ぶ世界三大オーケストラとして名高いロイヤル・コンセルトへボウ管。「コンセルトへボウ」はコンサートの建物、つまりコンサートホールを意味するオランダ語。1888年に設立された専属オーケストラはメンゲルベルクが常任指揮者(1895-1945年)として半世紀にわたって活躍した時代にトップ・レヴェルの楽団に成長して、その後、ハイティンク(1961-88年)、シャイ-(88-2004)、ヤンソンス(2004-15)を経て2016年秋からはダニエル・ガッティが首席指揮者を務める。
Kitaraにはシャイ-時代の2000年、02年の2度、札幌公演が行なわれたが、残念ながらその後の来札はない。ヤンソンス時代には1年おきに来日していた。ヤンソンスがこのオーケストラの国際的な評価を更に高めたと言われる。

ワールド・ツアーに旅立つ前に、飛行機に楽器を積み込む様子も描かれていて興味深かった。パジャマで楽器を包んで温度差に対応していて、楽器収納の状況が完璧に見えた。南米に到着して楽団員がオランダの家族に電話して連絡を取り合う様子、アルゼンチンでは出身国ウルグアイの国境を眺める楽団員、ホテルのレストランで友人と食事をしながら音楽、特に民俗音楽の良さについて語り合う場面も描かれた。アルゼンチンの孤独を抱えるタクシー運転手、南アフリカの貧困に苦しむ少女や世代も境遇も違う人々の心を揺り動かす音楽。南アフリカやロシアの旅を通して音楽を心の拠り所として生きている人々の姿に出会う。音楽を奏でる人と聴く人たちの人生も垣間見えた。
団員たちは旅行を通して世界中の人々と触れ合う中で無限の可能性を持つ音楽の力を再発見する。アルゼンチンでは仕事でコンサートに来れない友人を訪ねて出張サーピスで音楽を届ける楽員の姿は感動的だった。南アフリカの中高の生徒に「プロコフィエフ:ピーターと狼」の曲の紹介でクラシック音楽に興味を持ってもらう楽団の活動には感心した。コンセルトへボウの記録だけに終るのではなくて音楽を世界に広げる無色の映画になっているのが意外でもあり好感が持てた。

「ブルックナー:交響曲第7番」で出演場面が1回だけだが、充実した想いを語る打楽器奏者(シンバル)の語りで始まり、「ショスタコーヴィチ:交響曲第10番」の演奏でコントラバス奏者としての充実感を味わった音楽家の話で締めくくられたが彼の話はとても印象的で含蓄があった。(*スターリン時代の圧政を表現したBassの音の話がためになった)。彼らの収録場面の会場はコンセルトへボウの本拠地。ウィ‐ン楽友協会大ホール、ボストン・シンフォニーホールとともに20世紀の世界三大ホールとして親しまれてきた音響の良い素晴らしいホール。そのホールの様子を目にすることが出来たのも非常に良かった。

ヤンソンスが主に指揮を担った同団の演奏曲は馴染みの曲が多かった。「ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲」、「マーラー:交響曲第1番 巨人」、「メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」。 「ヴェルディ:レクイエム」と「マーラー:復活」での合唱部分は荘厳な感じが歌詞を通しても伝わって良かった。

久しぶりのドキュメンタリー音楽映画を楽しんだ。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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