近藤嘉宏ピアノ・リサイタル ベートーヴェン&ショパン&リスト

デビュー20周年記念

1998年に札幌デビューを飾って以来、近藤嘉宏のリサイタルは毎回聴き続けている。品の良いコンサートが気に入っている。演奏曲はベートーヴェン、ショパン、リストが多かったように思う。昨年はKitara休館もあってリサイタルは開かれなかったが、クァルテット・エクセルシオとの室内楽での共演があった。近藤は小山実稚恵、及川浩治、外山啓介に次いで聴く会の多いピアニスト。チケットは昨年の発売初日に買い求めていた。

2016年5月15日(日) 13:30開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

〈Program〉
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」、 第23番「熱情」
 ショパン:ノクターン第20番 遺作、 バラード第1番
 リスト:愛の夢第3番、 ラ・カンパネラ、 「ノルマ」の回想

札幌では2年ぶりのリサイタルであったが幅広い年齢層の聴衆には近藤の演奏を初めて耳にする若い人たちも結構いたようであった。デビュー20周年記念ということもあって、プログラムがベートーヴェン、ショパン、リストの定番の曲になったのかもしれない。今回の注目曲は《リスト:「ノルマ」の回想》。

前半のベートーヴェンは人気の高いソナタ2曲。昨年ベートーヴェンのソナタ全曲録音を完成した後の演奏会で余裕のある落ち着いた演奏ぶり。曲調の違う曲の持ち味が良く出ていた。
後半のショパン2曲とリスト「愛の夢」は何度聴いても心に染みる曲。

プログラム最後の曲《べッリーニのオペラ「ノルマ」の主題によるパラフレーズ》は初めて聴く曲。リストは有名なオペラ、管弦楽曲、歌曲などの作品を300曲以上もピアノ曲に編曲した。「リゴレット・パラフレーズ」は馴染みのある作品で演奏に超絶技巧が散りばめられた曲。べッリーニのオペラのタイトルは聞いたことがあっても、オペラの内容は全く知らない。近藤が取り組むこのピアノ曲はリストの数多の難曲の中でも特に困難を極める曲だそうである。
18分ほどの演奏にかけたエネルギーは相当のものであったことは演奏終了後のピアニストの様子からも見て取れた。詳しいことは分らないが、超絶技巧曲を聴けた貴重な機会になった。日曜の午後に気軽な気持ちで名曲に浸るひと時も楽しいが、目新しい曲を聴く楽しみも格別である。
難曲に全力を投入して疲労困憊した様子であったが、アンコール曲が2曲。「ドビュッシー:月の光」、「ラヴェル:水の戯れ」。ドビュッシーとラヴェル特有の透明感のある美しい旋律がホールに響いて心温まるフィナーレ。ピアニストの心の優しさも聴衆に伝わった。

※本日のプログラムとともにチラシに「近藤嘉宏コンサート特別鑑賞ツアー」のリーフレットが加わっていた。近藤が11月にミュンヘンとウィ‐ンで行なうコンサートに同行する旅行の案内であった。彼はミュンヘンで学び、2004年にはカーネギー・ホール、2006年にはウィ‐ン・ムジ―クフェラインにデビューしている。近年も海外の弦楽四重奏団と共演もしているが、今後一層の国際的な活動も期待される。










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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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