Kitaraのクリスマス 2015(広上淳一&宮田大)

札幌コンサートホールKitaraは独自の主催公演を数多く開催している。年初めの「Kitaraのニューイヤー」から年末の「Kitaraのクリスマス」などの恒例のコンサートはここ数年は毎年のように聴いている。
両方のコンサートの管弦楽は札幌交響楽団。「Kitaraのクリスマス」の指揮者は井上正義が務める年が続いたが、2012年から広上淳一が指揮台に上がり今年が4年連続である。
今年のソリストはチェロの新鋭、宮田 大(Dai Miyata)。 彼は3年前の12月、Kitaraで下野竜也指揮読売響と共演して圧倒的な演奏で満席の聴衆を熱狂させた。この時のコンサートは「三大協奏曲」のプログラムでヴァイオリンの成田達輝、ピアノの辻井伸行との競演で会場が盛り上がったのが強烈な印象として残っている。

2015年12月23日(木・祝) 15:00開演  札幌コンサートホール大ホール

〈プログラム〉
 ドヴォルジャーク:スラヴ舞曲集 第1集 作品46より 第1曲 ハ長調
          チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 (チェロ:宮田 大)
 チャイコフスキー:幻想序曲 「ロメオとジュリエット」
 ハチャトリアン:組曲「仮面舞踏会」より ワルツ、ノクターン、マズルカ
 アンダーソン:そりすべり、 クリスマス・フェスティバル

このコンサートは子供たちからお年寄りまで人気が高く、今日は1・2階はほぼ満席で9割以上の客の入り。大ホールのステージはクリスマスの飾りつけが施され、普段のコンサートとは一味違う雰囲気がホールを包んでいた。

ドヴォルジャークのスラヴ舞曲集はその1曲か数曲がオーケストラの演奏会でアンコール曲などで演奏されることが多い。最近は各8曲からなる第1集と第2集から5・6曲取り上げられるプログラムもある。ハンガリー舞曲集のチェコ版と言えるが、ブラームスに勧められて作曲することになったエピソードも広く知られている。
「第1集の第1曲」はボヘミアの代表的な舞曲で急速なテンポで展開される曲。

数あるチェロ協奏曲で「ドヴォコン」と呼ばれるほど親しまれている名曲中の名曲。デュ・プレ演奏のCDを聴いて夢中になったが、カザルス、ピアテゴルスキー、フルニエ、ロストロポーヴィチ、ヨーヨー・マ、藤原真理のCDもある。今年2月、プラハ・フィルと共演してドヴォコンを弾いたマイスキーはKitaraで生演奏を聴く機会が度々あるのが嬉しいチェリスト。

3年前の宮田の感動的な演奏を思い起こす。チェロという大きな楽器を3歳から始める人は極めて稀ではないかと思う。彼は身体に合った楽器を成長に合わせて両親に用意してもらったという話を聞いたことがある。才能もさることながら、努力の積み重ねが他のチェリストとは違うように思う。小澤征爾指揮水戸室内管の演奏をテレビで観た記憶もある。
第1楽章が終わって拍手が起こったが、指揮者とチェリストの熱演につられた人たちかも知れない。たぶんコンサートに慣れていない人たちだったのだろうと思うことにした。
演奏終了後の聴衆の拍手大歓声に応えてのソリストのアンコール曲は「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007より “プレリュード”」。 チェロの調べは本当に美しいと改めて感じた。

チャイコフスキーはバラキレフに勧められてシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」のあらすじを用いて表題音楽を書いた。この曲を演奏会で聴いたのは久しぶりで聴きなれたメロディも出てきたが新鮮であった。

ハチャトリアン(1903-78)はジョージア(元グルジア)生まれのアルメニアの作曲家。「仮面舞踏会」は帝政の貴族社会を舞台にした劇音楽の中から5曲を選んで組曲として書かれた。ワルツ、ノクターン、マズルカ、ロマンス、ギャロップ。ワルツが特に広く親しまれているが、浅田真央のフィギュア・スケーティングの曲として有名になった。(*タイトルからある程度は想像できるが、ワルツだけ聴いただけでは想像もできないストーリー。嫉妬にかられた夫が妻を殺してしまう悲劇。)

アンダーソンのクリスマス名曲集は“Kitaraのクリスマス”で恒例になっている曲。子供たちを含めて若者を一気に楽しいクリスマス気分に浸らせるミュージック。

マエストロ広上は躍動的な広がりのある大きな指揮ぶりが、いつもより目立った。特に仮面舞踏会でのワルツの場面での指揮ぶりは他の指揮者では真似のできないような躍動感に溢れていた。最初から最後まで、指揮台でのエネルギッシュな姿が強烈な印象を残した。
カーテンコールに応えて、コンサートの最後にマエストロは“音楽が世界を平和にする”という言葉をそえた。アンコール曲に「きよしこの夜」の1番をオーケストラが演奏、2番を聴衆が演奏に合わせて斉唱してコンサートが締めくくられた。

帰りのホワイエでは宮田のサイン会に並ぶ人の列が続いていた。





 




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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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