札響第584回定期演奏会(ポンマー&オピッツ)

今回の札響定期は7月の首席指揮者就任記念の演奏会に次いでポンマーにとって2度目の定期演奏会での指揮。と言っても道内の地方演奏会での公演などもあってオーケストラとは意思の疎通がかなり取れてきているはずである。
ソリストのオピッツはKitaraのステージは今回が3度目の筈である。彼のリサイタルを初めて聴いたのが08年12月で、その時のプログラムはベートーヴェンの4大ピアノソナタ。(彼は05年~08年、日本でのステージでベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会を開催して大成功を収め、日本のクラシック界の脚光を浴びていた。) 2度目は12年12月のリサイタルで、その時の様子は3年前のブログに書き留めてある。
奇しくも、3回目の札幌登場も12月であるが、今回はオーケストラとの共演でプログラムが発表になってから非常に楽しみにしていた。(*1987年6月の札響定期に出演してモーツァルト第26番「戴冠式」を弾いているから札響とは2度目の共演となるようである。)

2015年12月12日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

指揮/ Max Pommer
ピアノ/ Gerhard Oppitz

〈PROGRAM〉
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 (ピアノ:ゲルハルト・オピッツ)
 ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」(ハース版)

ピアノの名手でもあったベートーヴェンはピアノ協奏曲を5曲遺しているが、私はLPでは「第5番」のみに親しんでいた。CDで聴き始めて15年ぐらいにしかならないが、今では「第3番」や「第4番」も好んで聴く。当時はバレンボイムがお気に入りだったのか手元には彼の演奏によるCDが多い。バレンボイム(ピアノ&指揮)の他に近年はアバド指揮ポリー二を聴くことが多くなって、今日の演奏会の数日前にこの二人のCDを繰り返して聴いて曲の素晴らしさに浸った。

小柄のオピッツがステージに登場すると待ちかねていた聴衆からの歓迎の大拍手。いつものソリストに対するものよりも大きい感じ。独奏ピアノで曲が始まり、冒頭の抒情的な主題が魅力的なメロディとなって展開し、華やかな響きがホールに広がった。第1楽章の終盤のカデンツァで彼の指の運びにも見入った。第2楽章はピアノと弦楽器群だけの緩徐楽章で、切れ目なしに第3楽章へと向かう。最終楽章は明るく美しい雰囲気がピアノとオーケストラの掛け合いで生み出され華麗なフィナーレへ。
ピアニストの円熟した演奏が聴衆の心を掴んで、演奏終了後の拍手がしばらく鳴りやまなかった。アンコール曲は「ブラームス:6つの小品 op.118-2 間奏曲。 ドイツ・ピアノ界の巨匠で日本で活躍する場面の多い親日家として彼の人物像も聴衆に伝わったように思った。

ブルックナーの名を初めて耳にして30年も経っていない。クラシック音楽に夢中になりだしたのが大学生の時だった。1枚2千円もしたLPレコードは70年代に入って集め出した。その時代はマーラーやブルックナーの曲は60枚からなる全集ものには入っていなかった。CDを買い求め始めたのが20世紀が終わる頃の1999年だった。その年に初めて購入したブルックナーのCDがカラヤン指揮ベルリン・フィルの「第4番」。同じ年に同じ指揮者とオーケストラによる「第7番」を手に入れた。翌年に他の交響曲「第1番」から「第9番」までの7枚のCDを買った。インバル指揮フランクフルト放送響による4曲、ヴァント指揮北ドイツ放送響による2曲、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルのものが1曲。それぞれ2回以上は聴いているが、比較的に聴く機会が多かったのがカラヤン指揮の2曲。2曲とも1970年の録音盤。
マーラーにはこの10年かなり親しみはじめて、その音楽の良さが解ってきた。しかし、ブルックナーは苦手で、演奏会でも良さが充分に味わえなかったのが正直なところ。

ところがである。今日の「ロマンティック」は期待以上に楽しめた。第1楽章から第4楽章まで65分もかかる曲を面白く聴けた。ブルックナーの曲を聴いてこんな充実感を味わったのは初めてだった。
オルガ二ストであったブルックナーがオルガンのように音と音をはっきり区別して響かせている彼の音楽の特徴が聴き取れた。オーストリアの自然が描かれた曲の様子がダイナミックに心に広がった。ホールに響き渡る壮大な音楽は圧倒的だった。オーケストラの総奏は迫力があり、合い間に管楽器のソロ奏者の奏でる旋律は美しさを増した。
マエストロの指揮のもとで心ひとつに演奏を繰り広げる札響の名演がこのところ続いている。音楽監督に就任して間もないポンマーの指揮者としてだけでなく音楽家として総合的な人間力を感じるのは私だけではないだろう。
ホルンは演奏が最も難しい楽器の一つだと思われるが、札響ではホルン首席奏者の名演が際立っている印象を受けているが、今日はホルン副首席奏者のソロが素晴らしかった。オーケストラ全員が切磋琢磨して総合力が良い結果となってあらわれていることを非常に嬉しく思う。 
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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