ウォルトハウゼン デビューリサイタル(Kitara新専属オルガニスト)

札幌コンサートホールKitaraは2015年2月16日から4ヶ月間は改修工事のため休館となったため毎年9月から1年間に亘って活動するヨーロッパの若手オルガニストを招いていたプログラムを昨年の秋は招待を取りやめていた。今年の秋から新しい専属オルガニストを招く制度が再開された。今回は初めてアメリカ出身のオルガニストが専属オルガニストとなる。

第17代札幌コンサートホール専属オルガニスト 
ジョン・ウォルトハウゼン デビューリサイタル

2015年9月20日(日) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

John Walthausenは1991年、ニューヨーク生まれ。オーバリン大学でオルガンとチェンバロを学ぶ。2011年、パリ国立音楽院に入学してオルガンをオリヴィエ・ラトリー、ミシェル・ブヴァ―ルに師事。13年、最優秀の成績で修士課程を修了。欧米の各都市でリサイタルを開催し、国際オルガン・コンクールでも第1位を獲得。数多くの音楽祭にも招かれている。
現在は現代作曲家の作品を広く研究して演奏を行っている。

〈プログラム〉
 ブルーンズ(1665-97):前奏曲 ト長調
 J.S.バッハ(1685-1750):コラール「おお汚れなき神の子羊」 BWV656
                  (ライプツヒ・コラール集より)
 ヴィヴァルディ(1678-1741)(J.S.バッハ編):協奏曲 ニ短調 BWV596
 ローランド(1989- ):わたしの夢はただひとつの名を持ち
 ヴィエルヌ(1870-1937):オルガン交響曲第3番 嬰へ短調 作品28

名を初めて聞くブル-ンズはブクステフーデに師事したデンマーク出身のオルガニスト。31歳で亡くなり、生涯で遺したオルガン作品は4曲だけだった。最初に演奏されたのは5つの部分から構成された7分程度の曲。足鍵盤で2つの音を両足で同時に弾く奏法が珍しかった。

1曲目が終わって日本語で挨拶して聴衆の拍手を浴びた。
バッハのコラール集で何曲かメロディに親しんでいるものはあるが、この曲は馴染みではなかった。

ヴィヴァルディのオーケストラ作品は力強さ、華麗な演奏技術、和声の明瞭さでバッハの時代に人気があった。バッハはオーケストラでなくてもヴィヴァルディの作品が楽しめるように多くの楽曲をオルガンやチェンバロ用に編曲した。「協奏曲ニ短調」は力強い演奏であった。この曲は人気があるのか、第15代Kitara専属オルガニストのマリア・マグダレナ・カチョルがCDに収録しているのに帰宅してから気付いた。後日、聴いてみようと思う。

ウォルトハウゼンが好きな作曲家は“J.S.バッハと現代の作曲家”だそう。今回のリサイタルで彼の友人でもあるローランの作品を紹介した。ローランはフランスの作曲家で、彼が18歳の時に作曲した初めてのオルガン作品。最初から何とも独特な音の展開にビックリ。音楽祭のコンクールで特別賞を受賞した作品という。
曲を聴いた第一印象は“ニューヨークをバックグラウンドにする音楽はヨーロッパの教会音楽を基にした音楽とは土台が違う”というもの。後でプログラムの解説を読んでヨーロッパ出身の作曲家の作品と知って2度ビックリ。変な先入観は役立たずと思い知らされた。次回以降の現代の作曲家の作品を耳にする楽しみが増すことになった。

ヴィエルヌはバッハに次いでKitara専属オルガニストが演奏会やCDでその作品を多く演奏している作曲家。「幻想的小品集」と「オルガン交響曲」が特に有名な作品である。「オルガン交響曲第3番」は大曲で5楽章構成。情熱的で緊張感に満ちた作品。母親を亡くした悲しみや第一次世界大戦後の混乱に対する不安の他に、未来への希望などが表現されている。「楽器の女王」と呼ばれるオルガンを使って、管楽器を含むオーケストラの様々な音色を作り出すヴィエルヌの魅力を堪能した。

アンコール曲に「クープラン:修道院のためのミサより  テノールをティエルスで」を演奏した。

ここ1週間ボランティア活動やコンサート鑑賞で休む暇もなくて疲労感を覚えていた。体調も万全でないせいもあって鑑賞能力が低下していた感じ。そんな訳でいつものパッションが欠けていたのか演奏会に今ひとつ物足りなさを感じ取った。

オルガニストは9月1日に来札してから3週間足らずで初のコンサート開催。本人にとっては準備が大変だっただろうと思った。アメリカのオルガン音楽の紹介と日本文化に高い関心を寄せている。来日以来、何事にも意欲的に取り組んでいる様子。18日のKitara ボランティアの活動日に挨拶に現れて女性群からイケメンぶりが話題になった。ここ数年は30歳前後のオルガニストが来日していたが、久しぶりに若手のオルガニスト。ボランティアとオルガニストの交流意欲が一層高まる年になりそうである。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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