PMFオーケストラ演奏会(指揮:アンドリス・ポーガ)〈プログラムB)

PMF Orchestra Concert 《Program B》

2015年7月25日(土) 14:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール

[曲目]
  ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
 モーツァルト:交響曲 第34番 ハ長調 
 チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
[出演]
 アンドリス・ポーガ(指揮)、ライナー・キュッヒル、PMFアメリカ、 PMFオーケストラ

Andris Pogaは1980年、ラトヴィア生まれ。ラトヴィア音楽院の指揮科を卒業。04年から05年、ウィ-ン国立音楽大学で研鑚を積み、ヤンソンス、小澤、セーゲルスタムなどのマスタークラスに参加。07年にラトヴィア音楽大賞受賞後、定期的にラトヴィア国立交響楽団に客演。10年エフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで優勝。以来、ボルドー国立管、サンクトペテルブルグ響、などへ客演。11-14年パリ管副指揮者、12-13年ボストン響副指揮者を歴任。13年からラトヴィア国立交響楽団の音楽監督を務める。12年に初来日し、仙台フィル、新日本フィル、京都市響に客演、13年N響定期、14年に新日本フィルにサントリー定期で再登場。15年2月に関西フィルと続き、日本での実績を積み重ねている。PMFには初めての参加。

PMFアメリカの教授陣は今回は木管・金管セクション7名とパーカッション1名のみ。初めての参加者は皆無。

ウエーバー(1786-1826)は「舞踏への勧誘」と《歌劇「魔弾の射手」序曲》が最も有名で演奏会で演奏される機会も多い。歌劇「オベロン」序曲も有名ではある。歌劇「オベロン」はウエーバーが残した最後のオペラ。1826年ロンドンでウエーバー自身の指揮で初演された。壮麗でファンタジーに富む「序曲」が有名であり、単独で演奏されることが多い。
今日のコンサートの前に1973年に東京文化会館で収録されたクルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏を数年ぶりで聴いてみた。演奏会で聴くのは何年ぶりだろうか。今日の演奏ではホルンとクラリネットの活躍が印象に残った。
ウエーバー作品はドイツ・ロマン派歌劇の作曲家、特にワーグナーに大きな影響を与えたことで知られる。

モーツァルトの交響曲は40数曲あるが、一応全曲収録されたCD全集が手元にある。この機会に第34番を数回聴いてみた。「第34番」は1780年、故郷ザルツブルグ時代に書かれた最後の交響曲。3楽章構成。メヌエットが無い。行進曲風のテーマで始まる第1楽章、弦楽器だけの優雅なアンダンテの第2楽章、アレグロの第3楽章は激しさと軽快さを併せ持つ楽章。何回か繰り返して聴いているとその良さが段々解ってきて親しみが持てるようになった。
楽器編成はオーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニと弦5部。フルートとクラリネットが無かった。生で見ていないと判らない。実際の演奏に携わっていないと全然気が付かないものである。
「第34番」をPMFオーケストラの演目に選んだ理由がよく解らなかったが、この曲の位置づけが何となく判ったような気がした。ウィ-ン時代の交響曲はモーツァルト独自の世界が広がり、後期三大交響曲に繋がっている。

後半の曲には教授陣が加わった。ライナー・キュッヒルがコンマスとして演奏に加わっていたのは意外だった。弦楽器の総まとめとして参加することにしたのだろう。
アンドリス・ポーガはラトヴィア出身。指揮界の大巨匠マリス・ヤンソンス、若き巨匠アンドリス・ネルソンスを生んだ国。ヴァイオリン界の大巨匠ギドン・クレーメルもラトヴィア出身。北欧の小国から偉大な音楽家が輩出している。ボーガはショスタコーヴィチやチャイコフスキーが得意なようで日本での演目に入れている。
前半のプログラムでも堂々たる体躯を生かしてスケールの大きい若々しい指揮ぶりを魅せた。

第1楽章は「運命のモチーフ」と呼ばれるクラリネットの暗い旋律で始まる。この主旋律が全楽章を通して現れる。第2楽章のアンダンテ・カンタービレでホルンの奏でる哀愁を帯びた旋律は美しい。第3楽章は通例スケルツォだが、ここではワルツ。優雅なこの楽章にも主題が木管で現れて暗い陰りをもたらす。終楽章で「運命の動機」が重々しく現れ、コーダでは華やかで荘厳な行進曲風のリズムに乗ってフィナーレへ。

チャイコススキーの「第5番」は近年の演奏会では聴く機会が多くてお気に入りの交響曲である。PMFアメリカの教授陣のソロが全体を引き立て、4管編成で、特に金管楽器奏者が14名も出演して迫力があった。キュッヒルがコンマスでステージにいるだけでオーケストラが引き締まる印象を受けた。ポーガの生き生きとした大きな指揮ぶりが何より好印象であった。






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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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