日下紗矢子&ペーター・ブルンス デュオ・リサイタル

《六花亭 ふきのとうホール》 オープニングフェスティバル
 
数あるオープニングコンサートのうちでこのコンサートを選んだ理由はベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンサート・マスターを務めて大活躍している日下紗矢子の演奏を聴く機会を狙っていたからである。

今日から4日連続で続くコンサート鑑賞に備えて整形外科病院で腰にブロック注射をしてもらい、腰部脊柱管狭窄症に伴う痛み、しびれを改善する薬を4週間分処方してもらって体調に万全を期することにした。薬が切れたこともあって先週はコンサートの行き帰りにかなりつらい思いをした。今月は時計台のボランティア活動も休み、コンサート鑑賞に万全の態勢を取っている。
 
ヴァイオリンとチェロの絶妙なる二重奏

2015年7月23日(木) 開演時間 19:00  ふきのとうホール

日下紗矢子(Sayako Kusaka)は1979年、兵庫県生まれ。東京藝術大学を首席で卒業。浦川宜他、清水高師らに師事。アメリカの南メソディスト大学、同大学院卒業。06年からフライブルク音楽大学でクスマウルに師事。2000年パガニーニ国際コンクール第2位、日本音楽コンクール第1位、シベリウス国際コンクール第3位など輝かしい活躍。08年、ベルリン・コンツェルトハウス管(*旧東ドイツのベルリン交響楽団)のコンサートマスターに就任。09年、ベルリン・コンツェルトハウス室内管を設立し、リーダーとして活動。10年以降は毎年来日して、国内主要オーケストラと共演し、室内楽、ソロと活発な活動を展開している。2013年より読売日響のコンマスに就任。日独二つのオーケストラのコンサートマスターを兼任。ベルリン在住。

ペーター・ブルンス(Peter Bruns)はベルリン生まれ。ドレスデン国立管やバイロイト祝祭管で首席奏者を歴任。ライプツィヒ放送響、ベルリン響などと共演。現在はベルリン、ウィ-ン、ロンドン、ニューヨーク、東京などの主要コンサートホールで演奏し、ドイツを代表するチェリストとして活躍。ドレスデン音楽学校、ライプツイヒ音楽学校などの教授を務めるなど後進の指導にもあたり、指揮活動も行っている。

〈Program〉
 ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリンとチェロのためのソナタ 
 シュールホフ(1894-1942):ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
 コダーイ(1882-1967):二重奏曲 作品7

現代作曲家の作品として位置づけられる曲がプログラムに並んだ。全て初めて耳にする曲。

ラヴェルはピアノ曲や管弦楽曲を多く作曲しているが、室内楽は珍しい。この作品は1922年完成の曲。ラヴェル独特の絵画的描写が見られたが、当時の現代作曲家のストラヴィンスキー(1882-1971)などに通ずる音楽を感じ取った。何だかピカソの作品を思わせるものを曲に感じた。ラヴェルの作品でこんな現代曲もあるのかと思った。
4楽章構成。第1楽章がアレグロ。第3楽章がレントでイタリア語と同じ指示だが、第2楽章が「非常に元気よく」、第4楽章が「元気一杯に生き生きと」とフランス語の指示に興味を持った。
全体的にチェロの活躍が目立って曲が引き立てられた感じがした。特に第2楽章でのチェロの力強いピッツィカート奏法が印象に残った。この曲でラヴェルは新し音楽を試みたように思った。

シュールホフはチェコの作曲家。ピアニスト、指揮者としても活躍したと言われる。4楽章構成で結構聴きごたえがあった。

コダーイは先日のイシザカ・ダンジュウロウのコンサートでも「チェロ・ソナタ」が演奏された。曲は3楽章構成。コダーイはバルトークと共にマジャールの民謡の採集を行ない、多くの研究論文も残して民謡集も出版。ハンガリーの偉大な作曲家であったが、ブタペスト音楽院教授(1907-41)を務めた音楽学者でもあった。

3曲とも各々20-25分程度の曲で、それぞれ興味深い曲。演奏も現代曲ならではの創意工夫がなされて聴きごたえがあった。二人の演奏家の呼吸もピッタリでホールを埋めた満員の聴衆からもブラヴォーの歓声も上がり拍手大喝采。期待の日下の演奏も素晴らしかった。日下紗矢子はリーダーとしての活躍がうかがえる堂々たる演奏ぶりであった。

ポピュラーな曲と同様に、いや、むしろ初めて親しく聴く20世紀の音楽が面白くもあった。

アンコール曲は「グリエール:カンツォネッタ」。

日下は7月中旬にコンマスを務めるベルリン・コンツェルトハウス室内管のコンサートを東京・神奈川などで開催したが、この後、九州や東京でソロ・リサイタルも予定されている。旧西ベルリンと旧東ベルリンのトップ・オーケストラを同年齢の日本人、樫本大進と日下紗矢子がコンサートマスターとして活躍していることは素晴らしいことである。今後の彼らの活躍を祈るとともに、引き続き才能ある若い日本人演奏家がどんどん海外に出ていくことを期待したい。

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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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