タリス・スコラ―ズ~キング・オブ・クワイア~(世界最高のアカペラ合唱団)

Kitara リニューアルオープン記念
THE TALLIS SCHOLARS

世界最高のア・カペラ合唱団といわれるルネサンス教会音楽のスペシャリスト《タリス・スコラ―ズ》。
日本ツアー15回記念コンサートで、休館が4ヶ月にわたった札幌コンサートホールKitaraの改修工事後の最初のコンサートとなった。Kitaraでの公演は99年以来2回目の公演という。99年2月、ヴァチカン・システィ―ナ礼拝堂合唱団は聴いたが、タリス・スコラ―ズは今回初めてであり、長期間の休館後の最初のコンサートなので期待度が高まっていた。

エントランスホールは入場者で混みあっていた。開演時間まで余裕があったのでチケットセンターで10月コンサートの先行発売のチケットを購入した。休館中のチケットは電話で申し込みをしてコンビニで受領するか、郵送してもらう方法で数回手続きをしていた。これからは以前のように窓口でチケットが先行発売中に購入できるので不便を蒙らなくても済むようになって一安心。

大ホール・ホアイエはいつもの賑わいを取り戻して、広い空間には人々の興奮が伝わってくる雰囲気が漂っていた。売り出されたチケットはsold out.。ホアイエも大ホールも外観的には以前と変わらない状態。いつもと同じとはいえ、オープニングを待つ人々にはやや緊張感もあったように感じた。

2015年6月17日(水) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara 大ホール

指揮/ ピーター・フィリップス

〈プログラム〉
 ジョスカン・デ・プレ:喜びたまえ、キリストのみ母なる乙女
 パレストリーナ:教皇マルチェルスのミサ曲
 アレグリ:ミゼレーレ
 ベルト:彼は誰々の息子だった
 ベルト、トレンテス、パレストリーナによるヌンク・ディミッティス(主よ、今こそ御身のしもべを)

1973年、ピーター・フィリップスによって創立されたタリス・スコラ―ズは年間約70回の演奏を教会やコンサートホールで行っているという。ルネサンス教会音楽において世界最高の合唱団の地位を占める。
指揮者の他にクワイア(Choir)のメンバーはソプラノ4名、アルト2名、テノール2名、バス2名の計10名(男5、女5)。

デ・プレ(1450/55頃ー1521)は15、16世紀のルネサンス時代を代表するフランスの作曲家。演奏曲は聖母マリアを讃えた作品。(約5分)

パレストリーナ(1525-94)は前回のKitaraの公演(1999年6月)でも取り上げられたイタリアの作曲家。「教会音楽の父」とも呼ばれるくらい厖大な数のラテン語による教会音楽を作曲した。このミサ曲はこのクワィア(聖歌隊)が何度もコンサートで取り上げてきた作品のひとつ。パレストリーナがシスティ―ナ礼拝堂聖歌隊に所属していた頃の作品で、声楽的な美しさが際立つ大曲。(約35分)

後半のプログラムはアレグリ(1582-1652)の《ミゼレーレ》で始まった。1999年のコンサートでも演奏された有名な曲。「ミゼレーレ」とはラテン語で「憐れみたまえ」という意味で、旧約聖書の詩編に基づく。アレグリがシスティ―ナ礼拝堂聖歌隊のために作曲した作品。この曲にはモーツァルトに関わるエピソードがある。この宗教曲はシスティ―ナ礼拝堂でしか演奏されず、筆記も持ち出しも厳禁の秘曲とされる。14歳のモーツァルトはこの曲を聴いた後、宿で記憶を頼りに五線紙に書き留め、後日もう一度聴いて訂正して完成させたという。
ポリフォニーと呼ばれる多声音楽で5声の第一合唱と4声の第二合唱が交互に歌う。第一合唱がステージ(4名)とオルガン演奏台前(1名)、第2合唱が3階席後ろの通路(4名)に配置されて歌われた。偶々、両方の歌手が見えて聴こえやすいRA席にいたので非常に興味深かった。 
タリス・スコラ―ズが18番とする作品らしく、コンサートでのホールの利用形式に工夫があって印象深い演出と思った。(約15分)

ベルト(1935-  )はエストニアの現代作曲家。「彼は誰々の息子だった」は2009年にアイスランドの首都レイキャビクからの委嘱作。イエス・キリストの直系の祖先をたどっていく新約聖書の言葉をテキストにした作品。ルネサンス音楽との共通性が強い印象の曲。(約7分)

「ヌンク・ディミッティス」はラテン語で「今こそ主よ、僕を去らせたまわん」という意味。一日の務めを終えて最後の祈りとして捧げてきた賛歌。3人の作曲家がそれぞれ聖務日課の終歌で歌われる曲を残している。現代の作曲家とルネサンス時代の作曲家の作品の聴き比べは面白い試みだと思った。
ベルトの作品は2001年の作曲。(約7分)  
トレンテス(1510頃-80)は16世紀のスペインの作曲家。(約4分)
パレストリーナ作曲の作品は前半のプログラムにも入っていた。(約4分)

「グレゴリオ聖歌」は聞いたことがあるが、無伴奏で聴くルネサンス時代のポリフォニー楽曲は素晴らしかった。人の声がまるで楽器のようであった。大ホールに響きわたる美しいハーモニー。心洗われる美しい歌声に魅了された。歌詞が解らなくても安らぎのひと時を過ごせたことに満足感を味わった。

チケットは完売のはずだが4ヶ月以上前からの売り出しで、急に来れなかった人もいたのだろうが、空席が数十席以上あったのは残念。横並びでの空席は招待券の受領者かと余計な想像もした。

感動した聴衆からブラヴォーの声もあり、万雷の拍手に応えてアンコール曲が2曲歌われた。

今回の日本公演は全国8都市(福岡、豊田、西宮、東京、札幌、新潟、岐阜、京都)での開催。各地での聴衆を感動の渦に巻き込むことは疑いがない。







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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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