朝日カルチャーセンター(札幌) 公開講座 「ロシア音楽におけるジャポニズム」

無料の文化講座に参加することも年に数回あるが、カルチャーセンター主催で実施される有料の講座に参加することもある。最近では2月に朝日カルチャーセンター主催の「ラフマニノフと祖国ロシア」の公開講座に参加した。ラフマニノフの音楽と生涯について比較的に知識がある方だった。彼の音楽的特徴を作品説明とDVD・ピアノ鑑賞を通して確認することとなった。ただ資料の楽譜が読めないのが残念! ラフマニノフの作品のCDは沢山あって彼の作品名には通じているが、「徹夜祷 Op.37」の曲名だけは知らなかった。この時の講師は今回と同じで札幌大学教授でピアニストの高橋健一郎。

2015年6月12日(金) 18:00~19:30  朝日ビル4階

朝日新聞とJTBの文化活動 2015年春講座

ロシア音楽の魅力 ロシア音楽におけるジャポニズム
講師:札幌大学教授 高橋健一郎
演奏:ピアノ/高橋健一郎  声楽/松井 亜樹 

19世紀後半に日本の浮世絵や和歌などがヨーロッパに紹介されて、「ジャポニズム」が大流行した。その影響が20世紀初頭のロシア音楽に見られるという。ストラヴィンスキーやショスタコーヴィチなどロシアの作曲家たちが日本の和歌に基づいて作曲した歌曲の話は初めて聞いた。(プロコフィエフがロシア革命勃発直前に日本に一時滞在して「越後獅子」のメロディを耳にしてピアノ協奏曲第3番に挿入したとか、山田耕筰と連絡を取ろうとした話などは知られているが、、、。)

ストラヴィンスキーは1913年に万葉集の山部赤人、古今集の源当純、紀貫之の3つの和歌のロシア語翻訳をテキストにして歌曲を書いた。松尾芭蕉の俳句や万葉集、古今集の和歌を歌曲にしたルリエーやチェレプニンなどのロシア人作曲家もいるという。
ショスタコーヴィチも《日本の詩人の詩による6つの歌曲》作品21を書き残した。
講座の中でこれらの歌曲がロシア語で歌われた。解説を読みながら何となく聞いた感じで、ゆったりとした気持ちで鑑賞できる心の余裕がなかった。

浮世絵の芸術家に及ぼした影響は知られているが、日本の詩がロシアの作曲家に与えた影響は想像できずにいた。

事前に知識のある講座ならともかく、今回は殆ど知識のないテーマで盛り沢山の内容だったので鑑賞力が不十分であった。後でその内容が充分に理解できた気がした。

最後のテーマはローゼンブラットの日本曲。ローゼンブラットは1956年生まれのロシアのピアニスト・作曲家。音楽の多くのジャンルで多岐にわたる活動を展開している。彼の名を初めて聞いたのはニコライ・トカレフのコンサート。トカレフの2007年の日本デビュー10周年のコンサートの折に、ローゼンブラット作曲「パガニーニの主題による変奏曲」を演奏した時であった。トカレフは2004年以来毎年Kitaraで演奏して、毎回楽しみにしていた好きなピアニストだった。ローゼンブラットを好んで弾きだした様子が判って特に印象に残っていた。翌年から来札の機会が無くなり、13年5月に4年ぶりの日本公演(熊本、福岡、東京の3公演)のニュースを知った。その時に「ニコライ・トカレフ札幌公演の期待」と題してブログを書いたら(http://teruoblog687.blog.fc2.com/blog-entry-87.html), “招聘元の音楽事務所の倒産で全国公演は困難でしょう”との事情通の方から連絡をいただいたことがある。

話題は逸れたが、ローゼンブラットは07年以来初めて耳にする名前。高橋教授によるとローゼンブラットは日本は憧れの国で、2005年の初来日で「さくらさくら」「浜辺の歌」「赤とんぼ」を使って《日本の主題によるファンタジー》を日本の観客に披露。続いて06年に仙台を訪れた際には宮城県にゆかりの深い「荒城の月」「斉太郎節」が主題に使われた《宮城ファンタジー》をニコライ・トカレフとデュオでコンサートを開いて初演。
以上の2曲に続いてピアニスト高橋健一郎は最後に《鉄腕アトムの主題によるファンタジー》を演奏。ノクターンの特徴とジャズの要素を組み合わせた曲。日本人すべてに馴染みのメロディがトカレフの来日公演の際にアンコール曲で大きな話題になったという。作曲者自身の初来日でも自作自演が実現。

本日の講師2名が出演する「松井亜樹ソプラノリサイタル」が去る3月6日に行われていて、その時のブログで彼らのプロフィールは紹介済みである。(http://teruoblog687.blog.fc2.com/blog-entry-282.html)
高橋健一郎はロシア音楽の研究者として地道な研究と普及に努めていて、日本アレンスキー協会副会長も務めている。札幌の音楽家のピアノ伴奏ではその演奏力は群を抜くと感じている。いつか彼のリサイタルを聴ける日を楽しみにしている。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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