札幌フィルハーモニー管弦楽団 第53回定期演奏会

札幌フィルの定期演奏会は2007、2013、2014年にKitaraで聴いた。今回はKitaraが休館中で会場が「札幌市民ホール」。このホールでコンサートを聴くことは殆ど無いが、今月は3日、16日に続いて3回目。昨年は1度も無かったから、今年は珍しい状況。市の中心部に位置する会場で交通の便は良い。平成31年3月末日までホールの愛称が「わくわくホリデーホール」となっている。収容人数は1500人。(札幌市教育文化会館大ホールの収容人数は1100人。ニトリ文化ホールは2300人収容できる。ちなみにKitara大ホールのキャパシテイは2008.。)

2015年5月24日(日) 14:00開演  わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)

指揮の松浦 修は13、14年に続いての登場。

〈プログラム〉
 ニールセン:序曲「ヘリオス」
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 (ピアノ:タニャ・エカナヤカ)
 チャイコフスキー:交響曲第4番

ニールセン(1865-1931)はデンマーク出身の近代北欧の偉大な作曲家として知られる。彼もシベリウスと同じ年に生まれて、今年は生誕150年。ニールセンは6曲の交響曲の他に多くの作品を残した。シベリウスと比べて演奏される機会は少ないが、交響曲第4番「不滅」は有名である。アマチュアの北海道交響楽団が2007年10月の定期演奏会でニールセンの第4番を取り上げた。この選曲に注目してコンサートに出かけたのを記憶している。アマチュアならではの選曲であった。

札フィルがニールセンの序曲を演奏したことを評価したい。「ヘリオス」とはギリシャ語で「太陽」の意味。ニールセンがギリシャ旅行の折にエーゲ海の日の出に感動して作曲したと言われる。日が昇って沈むまでの様子が描写されている。金管楽器の出番が多いが、ソロのパートは難しいようであった。この曲をいつか聴き直してみたい。

タニャ・エカナヤカ(Tanya Ekanayaka)は1977年、スリランカ生まれ。スコットランド在住の国際的なピアニスト・作曲家という。12歳でリサイタルを開き、世界各地で演奏活動を行っているらしい。2012年の米国ケネデイセンターのリサイタルでアメリカ・デビュー。エジンバラ大学で教鞭を執っている音楽学者・言語学者でもある。

シューマン(1810-56)のピアノ曲で真っ先に親しんだのが「ピアノ協奏曲」。15年ほど前に買い求めたアルゲリッチのCD。すっかりお気に入りのピアノ協奏曲になった。グリモー、ツィメルマンなど10人近くのピアニストが演奏するCDを持っているが、アルゲリッチを聴くことが断然多い。
コンサートでこの名曲を聴くのは久しぶり。エカナヤカの名は初めて耳にした。プロフィールによると彼女の実績は日本では余り知られていないが相当な経験を積んでいて国際的評価が高いようである。

第1楽章は幻想曲風でシューマンの激しく変化する心情が描かれる。カデンツァも入るがオーケストラとピアノが対等に掛け合う。クララに対する愛情あふれる想いを感じ取る。第2楽章は落ち着いた雰囲気の間奏曲。第3楽章は色彩豊かで幸せなフィナーレ。木管楽器とピアノの掛け合い、ピアノと弦楽器の掛け合いなど調和のとれた演奏は見事だと思った。かなりの練習を積んだ成果が表れていた。昨年に続いて外国人の共演で良い刺激を得て素晴らしい演奏に繋がった印象を受けた。
ピアニストの演奏も素晴らしかったこともあり、アマチュア・オーケストラとして水準の高い演奏を楽しめた。1・2階席はほぼ満席で3階席もかなり埋まり関心の高さがうかがえた。演奏が終了すると万雷の拍手! ソリストはアンコール曲を演奏する前に2・3分話したが、残念ながら彼女の声が3階まで明瞭に届かなかった。「アダハス」という曲名から判断すると彼女自身の作曲によるものだろう。魅力的な演奏に思えた。

チャイコフスキーの「第4番」も久しく聴いていない。2009年12月のゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管による2夜連続の演奏会を思い出す。第4・5・6番とピアノ協奏曲第1番(ピアノ:ユンディ)が演奏された。その後、2010年にパリでレコーデイングされた交響曲3曲のDVDが手元にあるので早速聴いてみようと思っている。
今日の札フィルの演奏はエキストラ15名も加わって総勢84名の演奏は力強かったが、少し音量があり過ぎたように思えた。金管の音が高すぎて少々気になったが、音響のせいもあり全く個人的な感想である。オーケストラ全体としては若い人材が入って、指揮者との信頼関係も出来て良い音楽作りをしている姿が見えるのは喜ばしい。

チャイコフスキーが大富豪メック夫人に述べた手紙がある。第1楽章の金管の主題は全曲の核となる「運命」を表すと言う。第2楽章は「仕事に疲れ帰宅して椅子に座っている時に感じる憂鬱」が描かれている。第3楽章は「ほろ酔い状態の時に感じる気まぐれな想像」。第4楽章は「孤独で悲しみに沈む自分とは違う人々のお祭り騒ぎ」で、その中に「運命」の主題が現れる。

「第6番」を聴き慣れていたが、15年ほど前に「第4番」の音楽に触れてすっかり魅せられていた。今日はシューマンの後で、何となく集中力が途切れて鑑賞力が落ちていた。ストーリーの流れに拘ってしまった気がする。純粋な音楽として聴き直したいと思う。

オーケストラのアンコール曲は  チャイコフスキー:《眠りの森の美女》より「ワルツ」。








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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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