ミニコンサート(by 中江早希)in Steinway Studio

旭川出身のソプラノ歌手、中江早希は昨年6月のオルガンサマーナイトコンサートで第16代札幌コンサートホール専属オルガニスト、オクタヴィアン・ソニエと共演した。 その時の彼女の歌声が素晴らしかったので、身近に感じれるホールで聴いてみようと思った。

ピアニスト新堀聡子と株式会社井関楽器の企画によるミニコンサートが二年半前に始まった。月一の企画で今回が30回目という。私が初めてスタインウェイスタジオでのミニコンサートに出かけたのが昨年2月の下司貴大(*現在イタリア留学中)のバリトンのコンサート。凄く近い距離で、音をすべて聞き取れるので迫力のある美声を楽しめた。2度目は先月のヴァイオリニスト鎌田泉のコンサートでサロン風な雰囲気で他のホールとは違った趣があるのが良かった。それに続いて今回が3度目である。

2015年3月29日(日) 14:00~14:45  井関楽器札幌3F スタインウェイスタジオ

中江早希(Nakae Saki)は旭川出身。今まで数々の音楽コンクールで入賞し、第12回中田喜直記念コンクールで大賞、第25回ハイメス音楽コンクール声楽部門で第1位、第11回東京音楽コンクール声楽部門第3位(1位なし)。現在、東京藝術大学大学院博士後期課程に在籍。東京芸大の各種コンサートで高関健や湯浅卓雄などと共演。オペラでの活躍が目立つ。東京・札幌・旭川でリサイタルや室内楽などでも活躍中で将来を嘱望される若手ソプラノ歌手。

[PRPGRAM]
すべてリヒャルト・シュトラウスの作品。
~香り漂う花の歌曲~
 ○バラのリボン  ○矢車菊  ○ポピー
~オペラチック歌曲~
 ○セレナード  ○言われたことは それでおしまいではない ○15ペニヒで ○アモール
 
◎4つの最後の歌
 1.春  2.九月  3.眠りにつこうとして 4.夕映えの中で

R,シュトラウス(1864-1949)はドイツの作曲家。交響詩の作品が多くて有名であるが、昨年は彼の生誕150周年に当って各地で演奏される機会が多かった。「家庭交響曲」「アルプス交響曲」などの交響曲も書いているが4楽章から成る伝統的な交響曲は知られていない。偉大な作曲家で、歌曲は160曲以上も作品を残している。「2つの歌」、「3つの歌」、「4つの歌」、「5つの歌」、「6つの歌」、「8つの歌」と一まとめにして数多くの作品を書いた。

プログラム最初のテーマは「花」。配布された〈ちょこっと解説〉によると、「矢車菊」は4月に咲く青い花。「ポピー」は夏に咲く花。花のカラー写真も載せられていた。
次はオペラ風の4曲。中江はオペラの曲が似合う。歌詞の日本語訳も見ながら聞いたが表情豊かな演唱で面白かった。
“Amor”は「愛」の歌。[ソプラノのための3つの賛歌]がオーケストラと独唱付きで1921年の作品にあるので、その3曲目かなと思った。(*帰宅して調べて判った。)
コロラトゥーラの技巧が愛の神様キューピットのケラケラ笑いや飛び回る様子などが描かれる。超絶技巧が駆使された曲。簡単に披露できる曲ではない、彼女ならではの曲。改めて素晴らしい声の持ち主だと感心するばかり。

[4つの最後の歌]はシュトラウスが亡くなる前の1948年の文字通り、「4つの最後の歌」。ヘルマン・ヘッセの詞に曲をつけた。私は歌曲は余り知らないし、シュトラウスの歌で聴いたことがあり、曲名を知っている唯一の歌。「4つの歌」をたくさん書いているので《最後》のと付いている理由が今回初めて判った。今まで森麻季や藤村実穂子の歌で聴いたことはあるが、タイトルは知っていてもメロディなどには親しんでいない。一流の歌手が歌う難曲だという認識はあった。オーケストラを伴う曲なので、歌い甲斐のある作品なのだろうと思う。

ピアニストの新堀聡子も大したもの。普通のピアノ伴奏とは訳が違う。オーケストラのパートをピアノで表現するのは大変だったと思う。井関楽器ピアノ講師としての仕事よりも大変だったのではないかと勝手に想像した。でも、これが彼女の成長にも繋がると素人ながら思った次第。

[4つの最後の歌]は大曲である。博士課程リサイタルの曲目だったかも知れないと最後にふと思った。中江の将来を見据えた通過点なのだろう。とにかく素晴らしい歌声が聴けて楽しかった。80席ほどのホールで歌声を聴くと臨場感が得れる利点がある。
アンコールに「明日」を熱唱。また、いつの日か彼女の歌声を耳にしたい。近い将来に日本を代表するソプラノ歌手になっていることを願う。


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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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