札幌北高等学校合唱部 第34回定期演奏会(2015年)

今年も最後の勤務校であった高校の合唱部から招待券が届いていた。昨年の定期演奏会は南米旅行のためコンサートは聴けなかった。今年は2年ぶりの定期演奏会。毎年3月の定期演奏会はKitaraが会場となっていたが、現在Kitaraは改装工事が行われていて休館中。Kitaraがオープンする前の会場であった札幌市教育文化会館大ホールを使用してのコンサート。娘が同校合唱部に所属していたので平成元年に妻と一緒に出かけて聴いたことを思い出す。

当時のプログラムと比べて気付いた違いは後援の欄。以前は札幌北高等学校合唱OB会と札幌北高等学校生徒会。 現在は札幌市・札幌市教育委員会、札幌合唱連盟、北海道新聞社、北海道札幌北高等学校合唱部OB会。
各学校の音楽活動に対する行政機関や民間の理解や協力の意識が高まってきた証だろうと思う。

2015年3月28日(土) 開演18:00 札幌市教育文化会館大ホール
 
〈プログラム〉
 1st Stage 谷川俊太郎と「いのち」
 2nd Stage [OBステージ] 混声合唱のための「ラプソディ・イン・チカマツ」
 3rd Stage いつかの想いへ ~ Sometime ago, sometime soon ~
 4th Stage [ 合同ステージ] 歌い継ぐうた

最初のステージに入る前に恒例の校歌斉唱が行われた。舞台に姿を見せた人の数は何と180名ほど。舞台正面に収まり切れずに横にも並んでの斉唱。2階客席から私も思わず口パク。(声が出ないように気を付けた。)

1st Stageは「いのち」というテーマに似合うスケールが大きく、温もりのある4曲。
       作詞はすべて谷川俊太郎。
 1.Prelude (混声合唱とピアノのための組曲「天使のいる構図」から) 作曲:松本望
    2015年Nコン課題曲も手掛ける作曲家は札幌北高OG(49期)で、同高百周年記念歌の作曲者。松本望は東京藝術大学大学院修士課程作曲専攻を修了後、パリ国立音楽院在院中にこの作品を男性合唱組曲として書いた。彼女は2011年の札北高定演にも委嘱作品の初演でピアノ伴奏。現在作曲家・ピアニストとして活躍中。
 2.いのち 作曲: 鈴木輝昭
    2010年度Nコン課題曲の書き下ろし作品。溌剌とした若さ溢れる曲。
 3.鳥(混声合唱のための「地球へのバラード」から) 作曲:三善晃
    生、愛、死 という普遍的なテーマ。
 4.木(混声合唱組曲「いまぼくに」から) 作曲:信長貴富
    今年度のコンクールで取り上げ、全国高等学校総合文化祭など多くの発表会で取り組んだ作品。

全体的に格調の高い高度な技量を要する曲を合唱部(男子18名、女子36名)全員が一年かけて取り組んできたことがうかがえる出来栄えであった。

2nd Stageに登場したOB・OGの人数は約120名。曲名が「近松門左衛門狂想」で意外性が大。合唱曲にこのような作品があるのかと思って興味津々であった。合唱部顧問の平田先生の解説によると作曲は千原英喜で、日本伝統の音素材と西洋の音楽を融合させた多くの作品で知られる作曲家。この作品でセリフ、囃子ことば、太鼓などを多用して、近松が描いたファンタジックな世界を再現したそうである。
「壱の段」、「弐の段」から成る。何となく浄瑠璃の世界に引き込まれ、近松門左衛門の「曽根崎心中」、「心中天の網島」などの作品が思い浮かんだ。
大変意欲的な試みであると思ったと同時に、札幌在住の卒業生ばかりでなく、東京などから駆け付けた人たちの演奏会に向けたエネルギーは相当なものだと痛感した。

3rd Stageは「恋」をテーマに2・30年前に流行した歌に想いを込めた曲の数々。
曲名が判ったのは「プレイバックpart2」と「年下の男の子」の2曲だけ。「キラキラ」と「Time goes by」はタイトルは良く知らなかったがメロディは聞き慣れていた。耳にしたメロディだが、曲のタイトルは見当もつかない「ロマンスの神様」と「糸」。“中島みゆき”は《マッサン》でも話題になった有名人だが、“広瀬香美”の名はハッキリと覚えていない。
一番印象に残ったのは歌を始める前の《語り》の上手さ。正にプロ級。芸能人顔負けの語りは知性が感じられて優れていた。現代の高校生の幅広い能力に感心した次第。楽しさも伝わってきて歌唱力も結構なもの。衣装にも工夫を凝らして好感が持てた。

4th Stageは合同ステージ。180名もの合同合唱は迫力十分。過去15年余の間で異なる世代で複数回演奏した曲目を集めての演奏。
 1.はじめに・・・・・・  作詞:長田弘、 作曲:松下耕  
 2.なぎさの地球   作詞:大岡 信、 作曲:木下牧子
この2曲は過去のNコン課題曲。1は2000年度、2は2002年度。

 3.やわらかいいのち(混声合唱組曲「あなたへ」から) 
              作詞:谷川俊太郎、 作曲:松本望
 4.厄払いの唄(混声合唱組曲「ねがいごと」から) 
              作詞:木島始、  作曲:信長貴富
この2曲は北高が発信した曲。3は2003年東京文化会館主催の合唱作品作曲コンクールで最優秀賞を受賞した組曲。委嘱曲ではないが、北高49期の作曲者が当時大学院生の時の作品。2011年全日本合唱コンクール課題曲。(彼女は私が定年退職した1999年3月卒で、その活躍ぶりが雑誌「音楽の友」からも窺がえる。) 4は26回定演の委嘱初演。「厄払いの唄」は極めてユニークな曲で印象に残った。江戸時代に大晦日の家々を回る〈厄払い〉の口上にのせて、人々に降りかかる災難、疫病を、自分があの世に持って行こうと語りかける詞。 北高生にあった曲を委嘱してクリエイティブな音楽に取り組む意欲は素晴らしくて心より敬服します。

 5.願い -少女のプラカード(混声合唱組曲「五つの願い」から)
              作詞:谷川俊太郎、 作曲:三善晃
 6.かどで(混声合唱組曲「嫁ぐ娘に」から)
              作詞:高田敏子、 作曲:三善晃
最後の2曲は三善晃の作品。5は定演で何度も歌い継いできた曲。6は三善の平和への願いが込められた曲。

何度も演奏したい名曲を集めたこともあって今年度は例年よりも多くの卒業生が集まって定演を楽しんだ様子で何よりである。例年より収容人数の少ないホールだったせいか満席状態で2階席後方で立っていた聴衆もかなり目立った。
今日は私の誕生日だったが、お祝いをしてもらっている気分になって演奏会を楽しんだ。

※昨年の誕生日はペルーからブラジルに向かう日で、ディナー会場はブラジルのホテルの非常に大きなレストランだった。会場に入るとグランドピアノから曲が流れていた。食事を始めると間もなく“Happy Birthday to You”のメロディが流れた。「アレ!」と思ったらボーイが巨大なケーキを持って私たち日本人のテーブルにやってきた。その時はもう気付いていた。旅行会社の添乗員から贈り物も頂き、20数名の旅の仲間からも祝福されて感激した。この齢になってもお祝いをしてもらうのは良い気分である。
今日はコンサートの前に早めの夕食でワイフにいつもより豪華な食事を用意してもらったこともあり、よい気分で演奏会に臨めた。音楽で豊かになる生活を楽しめるのは幸せである。北高の関係者の皆様有難うございました。



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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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